精霊化
俺はシトリーと話ながら起きた突然の光景に目を丸くしていた。
「「ええええええ!!?」」
身体は一つだというのに2人の声がするという不思議な状況だった。
声で我に返り2人に近づく。
「大丈夫か?」
「「意識が混濁してるけど身体に特に異常はなさそうです」」
そういって俺にも触れてくる。
「「他の人とは無理だね」」
「取り込もうとするのやめてもらえる?」
どうやら他の人と合体は出来ないようだ。
「他は何か出来るのか?」
「「あーしは水、私は火を操れます。生み出すのは出来ないんですけど」」
声がエコー掛かって聞こえる違和感はともかくとしてそこまで強力なのかと思っていたが…。
その後検証の結果、時間制限というデメリットはあるが、現状パーティ内最強の戦力が爆誕した。
「さっきのは何!?」
海が地平線近くまでモーゼが如くぱっかりと割れて軽く津波が起きていた。
それを見た全員が驚きながらこちらにやってきた。
「ああ、あれは『精霊化』の力なんだが…」
等の本人達である、スミレとツバキは魔力切れで気絶している。
津波の被害から避ける為に俺が担いで退避している。
「どうやったらあんなの出来るんだよ!」
カナタが驚きの表情を浮かべながら質問してくる。
「いやぁ…なんというか検証して噛み合いの結果だな」
相乗効果とかこの事で恐ろしい効果を発揮していた。
「2人は魔力切れですか?」
沙月からも質問が飛ぶ。
「ああ、しかも完全枯渇だから回復するまで寝かしとくしかないな」
マジックポーションを流し込んでもいいが、気絶中の相手に飲ませるのは中々大変である。
「精霊化の効果自体は大体わかったぞ」
『精霊化』
・身体能力は多少向上、どちらかというと魔法などの特殊攻撃に耐性あり。
スミレの場合は、水魔法の類は完全無効…なんなら回復する。
ツバキの場合も火の類は回復する。
浮遊することが出来る。
・精霊同士であれば合体可能。
能力が大幅に向上する。
互いのスキルや魔力なんかも共有される。
合体中は大きく魔力を消費する。
・精霊魔術でスミレは水、ツバキは火を操れる。
海の水で試した所、水で自身の形代を作れる位には自由に操作出来る。
火も同様。
ちなみに俺が検証したのは合体だけで残りは沙月達で検証した結果だ。
「かなり特殊ですね…でもさっきの一撃を見るととんでもないことはわかりますが」
と沙月が冷静に分析している。
「さっきのは1発打ったら魔力切れだけどな」
という訳でスミレとツバキは休ませて、中断してしまったアカネの『電装化』がどうなったか確認する。
「私の方は名前の通りというか…こんな感じです」
と言ってアカネがスマホを取り出すと、アカネのVチューバーの姿へと変身した。
「へぇ…そんな感じになるのか」
名前から多少予想は出来ていたがこういう感じになるのは想定外だった。
「媒介はいりますけど電子状の姿を纏えるみたいです」
「媒介ってことは他にも出来るってことか?」
「ちゃんとした3Dモデルであればですね」
といってスマホを弄ると別コスチュームへと変身した。
「変身ヒロインみたいな能力だな」
「特撮ヒーローに近い能力です、コスチューム事にパフォーマンスも変わるので」
という話だった。
「残念ながらこの形態は戦闘とかする仕様じゃないので大した事ないんですけど…」
アカネのVチューバー衣装は戦闘やダンスなど動き回る仕様じゃないのであまり強化はされなかったらしい。
「という訳で3D作り込みます」
との事で武装を含め3Dモデルに詰め込むそうだ。
「ちなみにこれでアランごと纏えるので、私の戦闘センスの無さもどうにか出来そうです」
新しい3Dモデル作成時にAI搭載という部位を設定すれば、そこにアランが宿せるようになるそうだ。
それを行えば戦闘力は大幅に向上しそうである。
『電装化』
・電子状の3Dモデルを纏う事が出来る。
武装等もすべて再現されるそうで作り込みに応じて威力が変化するそうだ。
という訳で仕様はわかったが、効果の検証をする為に準備が必要なので今日は、お開きとなった。
アカネは3Dモデルを作り込む為に引き籠もっている。
「あれってとんでも設定とかも反映されるのか?なんでも破壊するビームが出るとか」
「その辺は無理でしたね。現実的に可能な範囲に落とし込まれるみたいです」
現状アカネが使ってる3Dモデルには、全世界の音が拾える耳とかいう設定で作ったパーツがあったそうだが、そんな効果はなかったそうだ。
「なのでどこまで現実的に再現出来るかに掛かってますね。なんで作り込みが必要って感じです」
と沙月に説明を受けた。
「さすがにとんでも設定をそのままとはいかない訳か」
出来たら強すぎた訳だが…。
そんなこんなで全員の検証が終わり全員が大幅に戦力が向上した結果となった。
節制は、ここまでの結果を見ると取得する個人の適正を汲んだ上で最適とも言えるスキルを取得出来るようにしている。
沙月の『魔纏』、ミレイの『獣化』、カナタの『巨大化』、カレンの『獣化』、ソフィアの『鬼化』、サキの『魔法ストック』、ランの『衝撃』、アイラ『妖精化』、アカネの『電装化』、スミレとツバキの『精霊化』。
当人達の適正を見越して強力なスキルをくれるのは明白となった。
特に、『精霊化』と『電脳化』はあの3人じゃなければあそこまで強力にはならなかったはずだ。
自身のスキルも期待したいが…正直どんなスキルが出るか少し心配でもあった。
◯あとがき
『精霊化』の活躍タイミングはまた描写します。
現状強力過ぎて最大火力を打つ機会がないので。




