発破操作
噂をしていたらまさかのゴリラ型モンスターの変異種が出てしまった。
しかし、攻撃方法も同じとは限らない。
「全員一旦距離を取って遠距離から攻撃を加えてみてくれ」
「了解」
「アイラさんは『妖精化』してバフをお願いします」
「わかりました」
なぜ動かないのかこの時は理解してなかったのだが…。
「ああ、こいつはあのマインコングの変異種か…」
どうやら動かなかったのは溜めていたようで大きな糞がコングから放出された。
「ちょっ…」
しかもそれと同時に放屁が爆風へと変化しこちらに飛んでくる。
レールガンの風圧で爆風を吹き飛ばし回避する。
「最悪の攻撃だな」
ミレイの水魔法に加えてカレンの風魔法の銃弾も飛び爆風は、完全に霧散したのだが…。
「しっかり防いでくるんだな」
手に持った糞を使いこちらの魔法にぶつけてくる爆破によって、魔法は相殺されてしまった。
「だったら…捉えられない攻撃ならどうだ」
そう叫びならが先ほど放った簡易レールガンではなく、しっかり溜めたレールガンを放つ。
爆破如きでは防ぐことは出来ない、というより着弾前に吹き飛ばしてしまうのでいけると思ったのだが…。
防げないと判断したのか即座に態勢をひねって躱す。
そしてレールガンは先程、放出した糞に着弾した。
その瞬間に…
「げっ!?全員退避」
糞へと着弾し熱をもって糞が強烈な爆弾へと着火したかのように爆発した。
周囲に撒き散らかされた糞もまた着弾と同時に爆破していく。
後退しつつ退避するが何発か躱しきれず小手にて防ぐ。
「ばっちい…受け止めたくない」
とつぶやきながら、後ろへの被害を抑える為に一部は簡易レールガンで吹き飛ばす。
「大丈夫か?」
「こちらは水壁を張りましたので大丈夫です」
「悪い、誘爆するとは思わなかった」
爆破の音のせいでアイラさんの歌声が吹き飛んでしまった。
「どうしましょう、正直動かず戦うのは危険かもしれませんが…」
一応アイラさんの護衛としてランをつけているがこのまま狩るのは、危険かもしれない。
それこそ…と思った矢先に
「上から来るぞ、退避しろ」
先ほど躱したゴリラはまた爆弾(糞)を用意して投げてくる。
しかも先程のとは違いデカくて色が違う。
全員で躱した場所に着弾すると同時に大きく弾けた。
ラン、アイラさんはミレイが水壁で防ぎ、カレンは『跳躍』で俺の後ろに飛んできていた。
「さすがアキラさん」
「おかげで受け止める羽目になっただろ」
小手で受け止めたのでダメージはないが、どうしても精神的ダメージがデカい。
「さすがに腹たってきた、カレン突っ込むから付き合え」
「了解」
「ミレイは防御に集中しててくれ」
「了解です」
まずは、ゴリラの場所を把握する必要がある。
爆風によって土埃が舞い、見通しが悪い。
周囲に電磁波を放つ。
魔力のコスパが悪いのだが、そこは『魔力共有』でカレンの魔力を借りる。
「見つけた。1時の方向!」
「了解です!」
カレンが魔法銃で俺の指示した方向に風の魔法弾を発射する。
それによって土埃が晴れる。
攻撃自体は防がれたようだが、これで姿は視認した。
もう逃さない。
脚に力を入れてゴリラに向かって飛びかかる。
俺に向かって黒い塊を投げてきたが小手によって弾く。
爆風によるダメージは多少あるが、正直怯むほどのダメージではない。
一気に距離を詰めた事で相手は反撃の為に拳を振るう。
「遅いんだよ!」
大振りの拳を躱しそのまま脇腹に一撃を加える。
以前殴ったマインコングよりも硬かった。
脇腹にヒットしたせいで大きく悶え苦しむ。
「ゴリラの身体は人体とほとんど同じだ。ってことは弱点も一緒だよな!」
倒れているゴリラの今度は鳩尾に一撃を加える。
さらに苦しみ、口から唾液と共に血が吹き出す…しかしその血がキラキラと輝きそして爆ぜた。
「悪いカレン、目をやられた…少し頼む」
「了解です!」
すぐ近くまで来ていたカレンに頼んで少し下がった。
ダメージはそれほどではないのだが、眼の前で爆ぜたせいで目が見えなくなっていた。
「ああ、なるほどなんとなくわかったぞ、あの発火の正体」
苦しんでいるゴリラに向かってカレンが少し離れた所から魔法銃で攻撃を加える。
「とっておきのをくらいな!」
氷の銃弾を発射して脚と手を地面に固定させた。
あいつの力の事を考えるとすぐに抜け出してしまうのですぐに動きたいのだがまだ視力が戻らない。
「私がやります!」
その声はランだった。
「これで終わり!」
というランの言葉と共にゴリラが暴れる音が辺りに響いたが次第に静かになった。
その頃には視力が戻り辺りを見渡すと…。
「うわ…」
「これが一番ですよね」
両手と片足を拘束された上で口と鼻をランの『液化』によって塞がれていた。
「窒息させたのか…」
「この手のモンスターには実験済みなので」
ビースト系を含め多くのモンスターは人間と同じように呼吸を行う。
その為、ランの『液化』によって空気を封じられると数分後にモンスターの身体は消える。
早く倒したい場合にはあまり有効な手段ではないのだが、今回の敵には最適な方法だった。
「多分だが、発火条件は血液が空気に触れた場合に発火可能なんじゃないかと」
「そんな条件だったんです?」
「恐らくだけどな…」
先程の投げてきた糞は恐らく血液量が多かったのだろう、色も黒かったのもそのせいだと思われる。
「めちゃくちゃ汚い敵だったし出来ればもう相手したくねぇ」
「血液で爆発するってことは下手にダメージを与えると…」
「発火するな、俺とかカナタはどちらかという殴りだから問題なかったけど、剣とかで切ってたら大惨事だったかもしれん」
返り血がそのままニトロと同じようなものである。
下手すると大ダメージだ。
そんな事を話してるうちにゴリラは消滅した。
「まぁそんなことだろうとは思ったけど」
落ちたスクロールは『発火操作』だった。
◯あとがき
『発火操作』→『発破操作』にランクアップしたスキルになります。
次話で説明するのですがわかりにくいのであとがきで補足させて頂きました。




