グレイ
レベルがあがり姉と同じになったツバキだったわけだが、例によって大きくなったグレイにもたれかかっていた。
「冷たくて気持ちいい…これが昨日のお姉ちゃんの状態…」
急激なレベルアップによる弊害で動けなくなっていた。
「やっぱり一晩位たたないとダメなやつか」
「寝てる間に最適化してるのかもしれませんね、じゃないと寝返りとかで色々壊しそうですし」
俺達も一晩たったら解消していたのでそういう仕組みなのかもしれない。
「しかし、グレイも面白い成長をしてますね」
「どんな感じだ」
沙月がタブレットをアイテムボックスから取り出してデータを入力している。
俺達の能力もここで管理されているそうでプラットフォームを作成したのはアカネだそうだ。
【グレイ】
・レベル29 種族:ガンドッグ 魔力値:D
所有スキル
・『同化』LV1
同種のモンスターを取り込み力にする(上限10)
・『魔力感知』LV1
周囲の魔力を持つものを感知出来る
・『身体変形』LV1(機械モンスター限定)
自身の身体の変形出来る
・『咬撃』LV1
噛みつき攻撃の威力向上
・『爪撃』LV1
爪による攻撃の威力向上
・『自動修復』LV1
自動で身体を修復する。
・『機械眷属』LV1(モンスター限定)
機械系のモンスターを眷属にすることが出来る
眷属は身体に収納可能(上限5体)
・『集団戦闘』LV1(機械)
同種のモンスターの指揮が可能
同種のモンスターに一部のスキル、レベルを同期可能
「シルバーと比べるとスキルの性能に差はありますけどこれはこれで面白いスキル達ですね」
沙月にみせて貰ったグレイの性能はシルバーと比べるとスキルの単体性能としては見劣りするがシルバーとは違い面白いスキルを有していた。
「眷属スキルは試してみたい所だな」
「色々応用が効きそうです」
同種のモンスターを眷属に出来るという事であればグレイ単体で集団戦闘が可能という事である。
シルバーは単体としての性能が高いがグレイは集団戦闘で力を発揮するタイプである。
「まぁ検証するにしても今日は無理そうだな」
「そうですね、あの状態は回復できないので…」
と沙月と話しツバキはキャンプ地に戻ってもらった。
ちなみにキャンプ地は今日も昨日もコンテナは放置していた。
どうせ戻ってくるという事で置きっぱなしにしてあった。
不用心ではと言う話もあったが…
「ここまで登ってこれるのは政府関係者なので問題はないです」
と沙月が言っていた。
ちなみに政府関係者ならばなぜ問題がないかというと、行き過ぎた力には責任が伴うということで自衛隊、警察官共にある一定以上のレベルまで上がった者は、ダンジョン内での守護者という名目もあるため証拠保存の為に、常時録画状態になっているカメラの装着が義務付けられている。
「自衛隊、警察官の場合はダンジョン内であっても模範活動を求められますから見つかった場合は、証拠保全として記録はされるでしょうが、問題はありません」
と沙月が話していた。
実に窮屈そうではあるのだが各国の犯罪率と比べると日本はダンジョン災害後は、かなりの勢いで減少傾向という極めて珍しい国である理由はそういった規律の厳しさも影響していそうである。
そもそも39層は砂漠という事でキャンプするには向かない場所な上に旨味のあるモンスターでもないのでそもそもが見つかる可能性自体が低いそうだ。
沙月の観察した限りでは、昨日とその前を含めて一度も階層に探索者は入ってきてないらしい。
今日はツバキとカナタが一緒にキャンプに戻っていった。
グレイの身体が気になるそうだ。
「分解するなよ…」
「私の事なんだと思ってんだよ」
「いやカナタならなんでも弄りそうだからさ」
「構造は見せてもらうと思ってるけど弄りはしねーよ」
と言って戻っていった。
ちなみにグレイの背中から王様の椅子のようなものが生えてそこにツバキを乗せていった。
「機械変形すごいな」
「あんな事も出来るんですね…」
と今後の検証が楽しみである。
そしてお待ちかねというか本命のシルバーの検証を開始した。
まず前提としてパーティとしての人数カウントだが、送還状態及び、卵の時はパーティメンバーとしてのカウントは無し。
召喚した場合は、パーティに空きがある状態であれば勝手に追加されるが、満員だった場合は、テイマー共々パーティから外れ2人パーティとなる。
「パーティマネジメントでの経験値の配分に関してはイジれません」
沙月から伝えられるが、これについては幼体のときも出来なかったので成長して出来る訳もなかった。
そして始めに検証したので取得経験値である。
通常はモンスターを倒すと全員に同じだけの経験値が配分されるが…それにカウントされるのかという話である。
結果としては、配分されるという事が検証から分かった。
ゴールドスライムの単体経験値は1匹でスキルを加味すると約700として5人で狩って集約した場合は1人に3500の経験値が入るという事になるのだが…。
「検証した所、経験値自体はパーティで約3500貰えてるのでシルバーの分も加算されてます。ただ、面白い事にスミレさんに集約した場合は、シルバーにも同じ経験値が入ってました」
「つまり?」
「あくまでもシルバーの取得経験値は主人と同じって事ですね」
経験値集約という事をしていなければ主人と一緒にスライムを1匹倒した場合は、お互いに1ずつ経験値を得るのだから違和感はないが、集約しているせいで実質の取得経験値が倍になったような感覚に襲われる。
「ちなみに離れていても互いが獲得した経験値は同じように入るようなのでこれは中々おもしろい仕様ですね」
つまりパーティという程での経験値取得という訳ではなく主人、モンスターが得た経験値は互いに共有されるということみたいだ。
これでパーティ周りの検証が終了したのでスキルの検証へと移る。




