ツバキside
そんな中でお姉ちゃんは私の食事を用意したり私が何かやらかしても優しく助けてくれた。
それでも私は両親がいない環境が受け入れられなかった。
溝は深まりお姉ちゃんと2人きりの時はずっとグズっていたと思う。
今になって思えば子供だった…お姉ちゃんのが辛いはずなのに私は私の我だけを通してしまっていた。
そんな時に、小学校の授業参観がありその日は、母は仕事で参加出来ず誰も参観に来なかった。
この時に何かが切れてしまい、帰ってから家でひたすら暴れた。
なぜ自分だけがこんな目に合うのかどうして両親は来てくれないのか…そしてそんな思いをお姉ちゃんが大切にしていたアイドルの写真集に向かった。
帰宅したお姉ちゃんは、ビリビリに破られた写真集や壊されたDVDケース等を見て何も言わずに片付けて私には何も言わなかった。
本当は怒って欲しかった…いや構って欲しかったのかもしれない。
しかし、何事もなかったかのように振る舞うお姉ちゃんに子供ながらに言いようのない不安に襲われ泣きながらお姉ちゃん謝っていた。
両親だけではなくお姉ちゃんにも捨てられたらどうしようという気持ちが溢れたのだ。
優しくあやしてくれたお姉ちゃんだったが、次の日に学校を無断でサボりどこかにいってしまったと母が血相を変えて私の学校にやってきた。
心当たりはないかと聞かれたが私には行った場所の心当たりは無いが、どうしてそんな事をしたのかという理由には心当たりがあった。
私は正直に昨日あった事を母に話した。
「寂しい想いをさせてごめんね…戻ってきたらお姉ちゃんにもちゃんと謝ろうね…」
私は泣きながら頷いていた。
あちこちを探し回ったのだが、結果的に昼を過ぎてお姉ちゃんは何もなかったかのような顔をして帰ってきた。
「ごめんなさい」
お姉ちゃんは母に謝り母もそんなお姉ちゃんを優しく抱きしめながら
「こっちこそごめんね…辛かったよね…本当にごめんね」
と謝っていた。
私もそこに駆け寄り
「お姉ちゃんごめんなさい…もうどこにもいかないで…」
「大丈夫、怒ってないよ。だから帰ったら一緒にアレを見よっか」
と言われて帰ってから自分が壊してしまったDVDケースから出したアイドルのライブ映像を一緒に見た。
そこに映るアイドルは本当にキラキラしていてお姉ちゃんと2人でペンライトを振りながら一緒に応援したことは今でも覚えている。
それからは少しだけ大人になった気がしているが…まぁそれでも7歳。
お姉ちゃんのことを困らせる事もあったしわがままも言った。
ある日お姉ちゃんの髪が金髪に変わっていた。
恐らく母に頼んだようで一晩経ったら変わっていたので子供ながらに驚いて騒いだ記憶がある。
テレビの中のアイドルのようなお姉ちゃんの姿に心を奪われお姉ちゃんの言う事を聞くようになったし、なんならお姉ちゃんが何かをしてる時にずっと側にくっついているようになった。
お姉ちゃんは、恥ずかしそうにしていたが私は大好きなお姉ちゃんと一緒にいられて幸せな日々だった。
大きくなってからもお姉ちゃんについて回っていた。
そんなお姉ちゃんがモデルの仕事をするようになり、載ってる雑誌はスクラップしてずっととってある私の宝物だ。
モデルからアイドルになるといった時も悩んでいたお姉ちゃんの背中を押して私も協力するからといってアイドルになってもらった。
ライブは毎回参加していたしファンクラブにも入って応援していた。
少しずつ人気も出てきてそれなりにメディアに取り上げられるようにもなり本格的なアイドル活動を始めようとしている時にあの憎きダンジョン災害が起き会社が潰れ、完全に話が流れてしまった。
さすがにこの復興の真っ只中でまだ売れる前のアイドルを拾ってくれるような事務所はどこにもなかった。
なんなら同じメンバーにも亡くなった人もおり同じメンバーで活動が出来ないという状況も足を引っ張っていた。
そしてお姉ちゃん…いや姉はアイドルを諦め私との生活を守る為に母のコネを使い働きながら理容師の資格を取り生活を支えてくれた。
母の努めていた美容院はそれなりに有名だった事と姉自身のコネもありそれなりに有名にはなった。
しかし、忙しく働いていく中で姉は自身のおしゃれを辞め完全にアイドルになるという夢を諦めてしまった。
そんな姉の姿を見ている内に私は姉の夢をなんとか叶えさせてあげたかった。
しかし今更姉にアイドルになって欲しいといっても無理なのはわかっていた。
だったら姉譲りのルックスを活かして自分がアイドルになって姉を引き上げれば良いと思い色々な事務所のオーディションに応募していた。
それなりに大手のオーディションにも受かることが出来たのでそこでアイドルとして活動するつもりだった。
この件に関しては姉には内緒だった。
しかし、姉に相談しようと思っていたその矢先に姉が倒れたのだった。
病院に運ばれた結果…検査結果は、ダンジョン症候群と呼ばれるダンジョン由来の病気だった。
姉は、定期的にダンジョンに潜りモンスターを倒さなくてはいけない身体になってしまっていた。
徐々に衰弱していく身体を保つ為に定期的にダンジョンに潜りモンスターを倒す必要があった。
しかし、姉は災害のトラウマで命を奪う行為を行うと身体が硬直してしまい動けなくなってしまうPTSDが残っていた。
事情を考慮してか組合の探索者と共にモンスターを狩ることは出来ていたが組合も最低限の支援をするしか出来ず日々衰弱していく姉の為に、探索者の資格を取り事務所もあまり大きい所ではなかったが探索活動をしても問題が無い所に決めた。
そのおかげで姉も私を手伝うという名目で連れ出す事が出来、なんとか姉の健康を維持することが出来ていた。
そして事務所に国からの大きな仕事が舞い込んできた。
探索活動を推奨していた為、所属していたアイドル達のレベルがそれなりに高かった事が幸いしていた。
所属アイドルの中ではスキルは有用ではなかったがアイドルとしての人気の高さとレベルの高さのおかげでそれなりに発言権をもっていた私が姉の事を紹介してメンバーに加えてもらった。
これで順調だと思っていたのだが…私の勝手な行動のせいでまた姉に迷惑をかけてしまった…。
しかし、不幸中の幸いというか…本当に幸運だった。
まさか現在、一番話題の探索者に拾われた。
しかもその中に姉の昔の想い人がいたのだから本当に幸運だった。
姉は、数年振りに前を向いてくれたようで昔の姿に戻り数年振りに推しに会う事が出来た。
本当に感謝しかない。
後は姉の覚悟次第では全力で姉の恋路を応援しようと思う。
推しの幸せを願ってこそ真のファンである。
そう考えて私は姉の本音を問いただそうと思う。
そんな想いで姉の部屋をノックした。
◯あとがき
とんでもないミスしてたので修正してたら少し遅れました。
申し訳ございません。
書き直しの関係で明日の更新も遅れるかもしれません…。




