バグ
話し合い?の結果、ふたりとも面倒を見る事になった。
「言い方ってもんがありますよ」
話し合いが終わってからミレイにネチネチ言われている。
「仕方ないだろ…」
「まぁ結果オーライといえば結果オーライなのでヨシとしましょうか…納得はできませんが…」
沙月が渋々と言った感じで呟いている。
とりあえずパーティに取り込む話になっているが、この先どうしていくのかまでは沙月から聞いてはいない。
「結局2人をどうするんだ?モンスターを狩るのは難しいだろ?」
スミレは色々と準備があるといって今は別行動をとっている。
「それについては特に問題はないと思ってるんですよ…なんせ私ですらここ最近モンスターにとどめを差す機会ってあんまり無いんですよね」
「そうなのか?」
「私は後衛って事もありますけどアキラさんやカナタさんと組んでると基本的に討伐機会が少ないんですよね…火力が違い過ぎるので」
そう言われるとここ最近、特に30層を超えての狩りの場合、モンスターへのダメージソースは俺とカナタ、サキ、が主となっておりパーティ戦闘においてはこの3人が主にトドメをさす事が多い。
カナタの場合は、マーキング能力のおかげで全体の火力が上がるのでその限りではないが、この3人で狩りと行うと開幕で速攻でモンスター達を片付ける事が出来たりする。
「正直下にいけばいくほど火力不足ですからね。『特攻』スキルが無い状態だと恐ろしいほど1戦闘の時間が増えると思います」
「牽制という面での攻撃や防御はしてもトドメをさす事はほとんどないと…」
「まぁ絶対無いという訳では無いですけど、完全テイムさえ成功させてしまえば問題は解決すると思います…それに一番の問題は実は解決してるんですよね」
「そうなのか?」
「スミレさんの完全テイム条件が一番の問題だったんですけど…まさか一度もモンスターを倒していないとは予想外でした」
「どういう影響があるんだ?」
「彼女の完全テイム条件は、モンスターと戦闘を行っている間に特定のアイテムをモンスターに使用した状態で倒した場合に一定確率でテイム出来るって条件なんですが…確率が今まで討伐したモンスターの数によって半減していくっていう条件だったんですよ」
「は?なんだその条件」
「そうなんですよね…まぁ何%であっても0じゃないのであればチャレンジすればいつかはと思ってましたが、これなら本当にチャレンジしてもいいかもししれませんボステイムに…」
「まさかフェンリルをテイムするのか!?」
「はい、それに100%でテイム出来るのであればチャレンジする価値はあるかと」
「ぶっとんでんな」
これが成功すればフェンリルをテイム出来る。
もちろん成長させる必要はあるが、大きな戦力になるのは間違いない。
「妹の方はどうするんだ?」
「そちらはすでに完全テイムしていますしそのまま成長させて貰おうかと…正直マシーン系で強いモンスターに覚えがないっていうのもありますけど」
「ボーナスモンスターが出せればいいが、もう出せないからな」
俺とカナタはすでにマシーン系は達成してしまっているので再度選択することが出来ない。
「最終的にどうしたいんだ?あの2人を」
「アカネさんと一緒のバックアップ要員って事になると思います、やはりパーティ枠を1つ潰すのは痛いですから」
「なるほどな…まぁそれならそれほど危険はないか」
「ああ、それを気にしてたんですね」
「言ったろ、探索者をする必要がない奴を無理強いはしたくないって、ってもあのダンジョン症候群は治せないのか?」
「魔力欠乏症は、治療方法がわかってますが…彼女の症状は治療方法が分かっていませんので…」
「キュアポーションで治らないのか?」
「試してみないとなんともって感じですね…超回復なら確実なんでしょうけど残念ながら魔力値が足りませんので」
スミレとツバキの魔力値はすでに沙月から聞かされている。
2人ともDだったみたいなので多い訳では無い。
アイラのように無理矢理ランクを上げれるレベルではないのでその方法は使えない。
「ちなみにあの症状の名前はなんていう病名がついてるんだ?」
「確か…」
「ダンジョン性身体衰弱症…別名ダンジョン依存症って呼ばれてる病気です」
とミレイが答えた。
「さすが医者だな」
「妹の病気の件で色々調べたから…他にも色々ありますけどダンジョン関連の病は色々と厄介なのでキュアポーション治る確率は半々っていうとこですね」
回復出来るのであれば一番だが、まぁ治らなくてもなんとか出来る力をつけさせてやればいい。
「ボステイムをするにしてもレベルが足らないぞ」
フェンリルにつれていくとなるとある程度自衛能力が必要となる。
【退避珠】は姿を隠すだけで障壁を張る訳では無い。
全方位咆撃があるフェンリル相手では役に立たない。
「その事で相談があるんですが…昨日倒したメタルスライムってレベル15になっても倒せます?」
「おおう、とんでもないこと考えてるな…さすがに弱体化しすぎだしリスク高いな…」
「それでも今、倒せる戦略を考えてますよね」
「出来なくはない…ただ今のパーティでは難しいなサキがいればなんとかって感じだ」
「それでなんとか出来てしまうのがさすがですね…あれが定期的に現れてくれえるならレベル上げも楽なんですが」
「さすがにあれが毎回出るのはバグだろ」
「そこは確かめるしかないですね」
とそんな話をしながら俺達は40階層に向かう。
「おいおいさすがにバグだろこれは…」
現れたのは銀色のスライムだった。
一度攻略法が分かっている相手なので同じ方法で倒す事が出来た。
そして昨日と同じように1人1レベルずつアップすることが出来た。




