6冊目『全国怪談 オトリヨセ 恐怖大物産展』黒木あるじ(角川ホラー文庫)
〇あらすじ
全国47都道府県から1話ずつ蒐集したホラー短編集。
各地の心霊スポットで起こった出来事を紹介し、最後にその土地の謂れを解説しています。
北海道は常紋トンネル、東京ではお岩さん、滋賀県では琵琶湖のそばの幽霊ビルなど。
有名なものから知る人ぞ知るスポットまで幅広く取り揃えた一冊。
〇感想
「怪奇短編集2(仮)」の執筆に向けて勉強するために選んだ実話怪談集の一冊目です。
前回の「魍魎の匣」に引き続きこちらにも「全国怪談 オトリヨセ」という第一巻に当たるものがあったようで、ところどころその後日譚のようなお話がありました。
けれど、未読の人にもわかるようにあらましが書いてあるので気になったらそっちも読んでねくらいの軽いノリで読み進められます。
ご当地の話ということもあって地名がほとんど伏せられず、伏せられていたとしても最後に解説があるので場所がわかるというのが新鮮でした。
さまざまな人の体験談であるため、語りにそれぞれの地方の方言が入っていたりして風情を感じますね。
土地の文化や背景を知っていると奇妙な符号に気付いてゾッとする……なんて話もあり。
その土地の人じゃないと知らないような風習の解説があったりするのも面白く勉強になりました。
やっぱり怪談と民俗学は切っても切れない関係なのですね。
みんなも民俗学を勉強しよう!(唐突)
この本にはテンプレ的な書き方があり、
①多くの話で「〇〇に住む××さんが△△年前に体験した話だ」というようにいつ、どこで、だれがを簡潔に説明してから本編へ入る。
②終わりはその体験後に話者が取った行動(お祓いに行ったそうだ、など)、または筆者との対話の様子(そう言って彼女は笑った、など)で締めている。
この二点は私が書く時にも活かせそうかなと思いました。
この方は他にも実話怪談系の本を多数書かれているので興味を持たれた方はぜひご覧になってみてくださいね!




