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もしも十年前に戻ったら  作者: 茶々
第1章 動き始める人生
18/28

#18注目されているのは


 入学式が終わった。

教室に戻ってきたところでLHR (ロングホームルーム)が行われる。入学前に渡されていた課題などの提出物を回収された。


「じゃあまずは一人ずつ自己紹介を始めようかしらね」


 自己紹介か。まあ大体が初対面だからやるべきだよな。少なくとも今後一年間は同じ教室で学ぶのだから。


「よし、出席番号一番と三十五番、起立」


 先生が、急にそんなことを言い出す。

流石に自己紹介を二人ずつやることはないだろう。なぜ二人立たせたのか。


「君たちじゃんけんをしてくれる?」


 立たされた二人は一応立ちはしたものの戸惑っていた。その状況で急にじゃんけんを言い渡されてさらに混乱してしまっている。

最初に職員室で話した時から思ったがこの先生はなかなか面白い性格をしていると思う。


「ん?どうしたの。早くじゃんけんしてくれない?」


 おそらくじゃんけんをさせて、負けた方から自己紹介をさせようとしているのだろう。

前の人生の大学で同じようなことをしていた教授がいた。あの時は自己紹介ではなく授業終わりの出席を取る順番のじゃんけんだったが。

今回は一番が負けたら一番、二番と順番にやっていくようなものだろうな。

 それはいいんだが、入学したばかりで緊張なども多い中でこんなことをさせてしまっては立たされている生徒は思考停止してしまうだろうな…。


「先生」


「ん?どうしたの河野くん、まさか自分から自己紹介したいとかそういうの?」


「あ、いえ、そういうわけではないんですが。その、説明不足で二人が戸惑ってますので、負けた方から順番に自己紹介ってのを説明してあげてください」


「ああ、そうだったねごめんね。えっと今河野くんが言ったとおりだけどじゃんけんで負けた方から順番に自己紹介してもらうからじゃんけんをしてほしいの」


 先生がそう言うと、理解し落ち着いたのか立っていた二人がじゃんけんをする。


「じゃあ三十五番からお願いね」


 後ろの人が負けたので、出席番号の後ろから順番に自己紹介が始まった。




――――――――――――――――――



 特に変わりのない自己紹介だった。

名前だけを言って終える人もいれば、フリートークをしだす人もいる。ちなみに僕は自己紹介をしてもみんなに「しってるぞー」と言われて終わった。

 林さんも先月まで北海道だったことなどを話して自己紹介を終えていた。林さんはだれがどう見ても美人なので自己紹介をするために起立しているときは、クラスの男子どころか女子までも注目していた。

こんな子が僕の彼女だということは今でも少し信じられない。それを林さんに言うと怒られるのだが。

 そんなこんなでLHRが終わり高校初日が終わった。


「河野くん帰ろー」


「うん、じゃあ大船また明日」


「あぁ、また明日河野。あ、林さんも」


「えっと大船くん?また明日」


 林さんが覚えたての名前を呼び、挨拶をする。クラスの人たちの視線を少し浴びながら僕たちは教室を後にした。



「やっぱり河野くん注目されてたね」


 学校の玄関で林さんがそんなことを言ってくる。確かに少なからず注目はされていたがおそらくは僕よりも…。


「多分僕じゃなくて林さんが注目されていたんだと思うよ」


「え?なんで?」


「だって林さんめちゃくちゃ美人だし」


「え?え?」


 僕に急に美人といわれて林さんはめちゃくちゃ戸惑っている。


「自己紹介の時凄い注目されてたよ」


「えっと、え?そんなことないと思うけどな…。私なんて」


 容姿がいいことを自覚していないのは良いことなのか悪いことなのか…。まあ変に自分かわいいって分かってて振舞わない方がいいのかな?


「まあ少なくとも僕は何度も林さんに見惚れたことがあるよ」


「えっと…。ありがと…」


 林さんが顔を赤くして照れる。こういう反応がめちゃくちゃかわいかったりする。


「あ」


「ん?どうしたの河野k…あ」


「帰ろっか」


「う、うん」


 またやってしまった。ここはまだ学校の玄関だ。当然ほかの生徒もいる。はぁ、気をつけなきゃなぁ。




――――――――――――――――――




 高校に入学して一週間が過ぎた。学校の生活も板についてきて、授業も本格的に始まった。

勉強は基礎がしっかりしているおかげで置いていかれる心配もなさそうだった。

なのでそろそろ頃合いだと思ったので学校の帰り道、林さんに一つ話をした。


「そろそろバイト始めようと思ってるんだけど…」


「あ、私もそろそろ始めようかなぁって思ってたんだよね。折角だし同じところにしたいなぁ…なんて」


「僕も一緒にバイトしたいなぁって思ってたんだよね、でも僕はもうどこにバイトしようか決めてるから、林さんもそこでいいのかなぁって思ててね」


「あ、そうなんだ、わたしは特にこだわりとかないから、そこでもいいけどね。どこにしようと思ってるの?」


「駅前のスーパーの東栄ショップ」


 僕は前回の人生で働いていた店の名前を口にした。



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