表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも十年前に戻ったら  作者: 茶々
プロローグ 二週目の始まり
13/28

#13未来が決まる日


 両親は仕事で夜が遅い。兄はバイトを続けている。なので家に帰ってくるのは僕が一番最初だ。

要するに、高校の合否通知がポストに入っているのを見るのは僕が一番早い。

そろそろ届くだろうという時期になってからというもの、毎日ポストを確認している。

ちなみに受験が近づいてきたところで、習い事はほとんどやめている。

唯一続けているのが、ピアノだ。

 塾も英会話も、一度やめていた。

というか中断みたいなものだろう。高校に受かれば、そのままやめて、引っ越しをすることになる。

ピアノは、週に一回だけなので受験に支障はなかった。なので続けたいという僕の意思によって、続けるっことになっていた。

まあ高校に受かればやめることにはなるが。

高校になったら、バイトもするしきっと生徒会にもはいるので習い事はしないだろう。多分だが。

ピアノはプロを目指すといいうわけではないので、もう十分だろう。自分的には、満足なところまでやり切った気がする。


 ある日帰ると、家のポストに封筒が入っていた。

大きな封筒だ。表を見なくてもわかる。合否通知だろう。

部屋に戻り、封筒を開ける。

ドキドキしながら、ゆっくりと中身を取り出す。


「ふう、よかった」


 書類には、合格と書いていた。

安心した。これで林さんだけが合格するということはなくなっただろう。

とにかく合格したからこれからは少し忙しくなるだろう。とはいえ不合格よりは忙しくないと思うけども。

とりあえずは、親や祖父母に報告、そして家探し。見つけ次第引っ越し準備も必要だし、入学に際する準備も多々ある。それなりに忙しいだろう。

何よりも家探しは早めにやらなければ大分まずい。安くていい家がすべて埋まってしまう。

とりあえず色々な人に報告しないとな。


「あ、もしもしお父さん」


『もしもし、どうした?』


「高校の合否通知が届いててさ。その、合格してたよ」


『あ、合格だったか。大丈夫だとは思ってたけど、いざちゃんと確定すると安心するな』


「うん、僕もめちゃくちゃ安心した。とにかく、色々準備しなきゃ」


『そうだな、まあその辺は今日の夜話そう。とにかく今はおめでとう』


「うん、ありがとう」


 父に報告を知て、次は祖父母へ連絡をする。

みんな僕の合格を一切疑っていなかったからなんとも言えない気分になった。


「林さんに連絡しとくか」


 そう思い、メッセージアプリを開き、メッセージを送る。


『高校合格してたよ、そっちももう届いた?』


 向こうは北海道なので、こっちよりは少しは遅いかもしれないので、まだ届いてないかもしれない。

届いている可能性も十分あるが。林さん合格しているだろうか。

自分の合否よりも気になってしまっていたので、とてもドキドキする。


 とりあえず、合格だ。

友澄高校に通いやすい家を探しておこう。

家具などは、家から持っていくのと今までのお年玉などを貯金していたお金で何とかしよう。

絶対足りないので、少しずつ集めていく形になるだろうけど。




 ポロン。音が鳴り、机の上に置いてある携帯が揺れる。

携帯を開き、メッセージアプリを開く。


『こっちも今日届いてて、合格だったよ!』


「よかった…」


 メッセーに返信する前に安堵の声がでてくる。


『よかった、なんとか二人とも合格できたね。ということは、お互い家探しで忙しくなる感じかな』


『そうだね、河野くんは友澄高校付近に住むの?』


『うん、一応そのつもりだよ。あの辺なら、そんなに家賃高くないみたいだし』


『じゃあ私もそのあたりで探そうかな』


 あのあたりならワンルームで探せば、管理費込みの家賃で5万ぐらいの部屋を探せるだろう。ユニットバスにはなるだろうけど。

というか、前回の人生で一人暮らししていたマンションに部屋が空いていないか探しておこう。もし空いていればそこにするかもな。慣れてるし。


『とりあえず早めに探したほうがいいよ。いい家が埋まっちゃうからね』


『そうだね、お父さんに色々聞きながら、探してみるよ。あー忙しくなるなぁ』


 林さんは、僕よりも大変だろうな。北海道からの引っ越しは、それなり以上に大変だろう。大変そうなら、できるだけ手助けをしよう。


『まあ不合格で忙しくなることとかなくてよかったね。お互いに良い忙しさだよ』


『そうだねー』


『とりあえず、おめでとう林さん』


『ありがとう、河野くんも合格おめでとう』


 お互いに祝福の言葉をかけあい、メッセージを終了した。

本当に、お互いに合格できてよかった。これで、僕たちは変わることができるのだろうか。




――――――――――――――――――



「ちゃんと段ボールにまとめられてる?」


「うん、大体全部まとめられてるよ。すぐ使うものはリュックに入れてるけど、もう準備は大体終わりかな」


「明日の10時ごろに引っ越し業者来るから、それまでに準備しておいてね」


「了解」


 僕は明日引っ越しをする。

ついに一人暮らしになる。家は、前回の人生で住んでいたマンションだ。部屋は違うが。前は311号室だったが、今回は414号室。階数が上になるだけだ。それ以外は大して変わらないだろう。

部屋は6.5帖のワンルームだ。家賃が管理費込みで51000円だったので即決した。ほかのところより明らかに安かったので。

駅まで10分ほどだし、学校まで徒歩で20分かからない。だいぶいいところを見つけられただろう。

ちなみに林さんもそろそろ引っ越しをするらしい。林さんも学校に近めなところにしたようなので、会いやすくなるだろうという期待がある。

 

 中学の卒業式も終わり、高校の準備が進んでいる。

中学の友人たちで集まって、打ち上げのようなものをやっていたようだが、僕は行かなかった。というか行けなかった。家を決めるために不動産に行く日と重なってしまったからだ。

まあ、それなりにみんなと仲は良かったが、めちゃくちゃ親しいという人はそこまでいなかった。

それこそ吉田ぐらいだ。吉田は、めちゃくちゃ頭のいい高校に行った。県で一番いいところだ。前回の人生から想像のできない成長で、ちょっとドン引きしている。

逆に吉田が前回の記憶を持ってたら、僕にドン引きをするだろうけど。

 卒業式では、卒業生代表には選ばれなかった。

成績は恐らく学年で一番良かったが、代表には生徒会長の生徒が選ばれていた。

高校では生徒会に入るので、代表に選ばれることが出来るのだろうか。自分の努力次第だろう。未来の自分に期待しよう。

 

 正直中学はこれと言って思い出がない。

前回の人生と変わったことは何もなく、新鮮味が少ないからだろうか。

クラスも同じだったし、学校行事も全く同じ。変わったのは部活関係だけだろう。

ちなみに演劇部はなかなかに楽しかった。

コンクールでは県大会まで行くことはできていた。

県大会に出場した以外には特に実績もなかったが、県大会に行けただけ満足だ。声も結構出るようになったし、台本を頭に入れるのもうまくなった。何より演技がそれなりにできるようになったのが結構うれしい。

高校でも演劇をやるかはわからないが、中学三年間続けていて良い経験ができたと思っている。

 

 そのような中学の日々がついに終わった。

ここからの日々は完全に初見になってしまうが、今の僕なら大丈夫な気もしている。

前の人生では、高校というものをほとんど経験しなかった。すぐに中退してしまっていたから…。だが今回はやっと高校生活というものを経験できる。

しかも今回は林さんもいる。前回の人生で戻ってこない三年間と思いとても後悔をしていた。だからその分楽しもう。僕はそう思っている。いや、“この時”はそう思っていた。



一応これでプロローグは終わりですが、まだまだ平和です。

少しずつ動き出す物語をどうかお見守りください。


ブックマーク登録、評価などとても励みになります。

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ