『スティグマ〈烙印〉──王の異母弟、追放からのし上がる』
許されぬ恋。そのフレーズに燃えない女性読者はいないのではないでしょうか。
そこで今回、ご紹介するのがこちら。吉澤雅美さんの『スティグマ〈烙印〉──王の異母弟、追放からのし上がる』です。
恋愛あり、政治的駆け引きあり、戦争あり。ちょっとこれほど読み応えのある戦記はそうそうないのではないかと。
主人公マグヌスは、マッサリア王国の第二皇子。しかし、身分も領地も全て奪われ追放されます。
その際、押されたのがスティグマ(烙印)です。彼は才を買われて政治の場に呼び戻されますが、その烙印が彼に与えた傷は、一生、消えることのないままでした。
また、兄王の婚約者であるルルディに惹かれ、心通わせます。ルルディはマグヌスの兄・エウゲネスに嫁ぎますが、心の中には今も、マグヌスの面影があります。
マッサリア王国が大躍進を遂げた海戦の後にも、政略、かけひきは続きます。
このあたりはぜひ、直にお読みください。
『運命』
マグヌスと王妃ルルディを描かせていただきました。ステンドグラス風にしてみました。
先を読ませない展開に自信あり、と作者が宣言する通り、次の展開が読めない良著です。