表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
92/152

第92話 軍団再編

黒霧の森攻略から二日後。


忘れられた洞窟は久しぶりに落ち着きを取り戻していた。


軍団は訓練中。


負傷した魔物達もほとんど回復している。


黒影樹の定着も順調。


そして。


管理室では恒例行事が始まっていた。


「整理するか」


アルベルトが言う。


リリスが驚く。


「配合じゃなくてですか?」


「整理してから配合だ」


「結局配合なんですね」


安心したような残念なような顔だった。


どちらなのか本人にも分からない。


まずはリリスからだった。


進化したばかり。


記録妖精。


新能力の確認が必要だった。


「何か分かったか?」


アルベルトが聞く。


リリスは少し考える。


そして頷いた。


「少しだけです」


「記録か」


「はい」


記録解放。


それは過去の断片を見る能力だった。


ただし自由には見られない。


突然流れ込む。


一瞬だけ。


まだそんな状態だった。


「どんな内容だ」


「研究室でした」


アルベルトが反応する。


リリスも真剣な顔になる。


「大量の資料がありました」


「研究者か」


「多分」


そこまでは分かる。


だが。


それ以上は曖昧だった。


顔も名前も見えない。


ただ一つだけ覚えている。


『やはり成功したか』


その言葉。


それだけは鮮明だった。


「成功か」


アルベルトが呟く。


配合士らしい感想だった。


リリスは少し呆れた。


「そこなんですね」


「気になるだろう」


「確かに気になりますけど」


三十年以上前。


忘れられた洞窟。


研究者。


成功。


何かが繋がっている。


そんな気がした。


だが今はまだ情報不足だった。


「焦らなくて良い」


アルベルトが言う。


「いずれ分かる」


「そうですね」


リリスも頷いた。


不思議だった。


以前なら不安になっていたかもしれない。


だが今は違う。


一緒に調べれば良い。


そんな安心感があった。


その時。


アダプトロードが入ってくる。


報告らしい。


「主」


「なんだ」


「軍団再編資料」


待ってましたと言わんばかりだった。


大量の紙が広げられる。


軍団構成。


戦力評価。


成長率。


様々な数値が並ぶ。


リリスが苦笑する。


「真面目ですね」


「軍師だからな」


アダプトロードは当然という顔だった。


まず幹部一覧。


現在。


忘れられた洞窟の主力は四名。


アダプトロード。


シャドウリーパー。


森護兵将。


岩牙守護将。


ここまでは確定。


問題はその先だった。


「軍団規模増加」


アダプトロードが言う。


「幹部不足」


「だろうな」


黒霧の森戦でも感じていた。


部隊が増えている。


管理範囲も広がっている。


そろそろ新しい幹部が欲しい。


そこで。


候補一覧が表示された。


リリスが覗き込む。


そして。


少し驚いた。


「鋼影狼ですか」


アルベルトも見る。


そこには確かに表示されていた。



鋼影狼アイアンシャドーウルフ


戦闘適性:高


機動適性:高


成長適性:高


幹部適性:非常に高い



沈黙。


リリスが目を丸くする。


「上がってますね」


「ああ」


以前は高い程度だった。


今は違う。


非常に高い。


評価が上昇している。


「いつの間に……」


リリスが呟く。


アダプトロードが答えた。


「実績」


なるほど。


確かに。


鋼影狼は派手ではない。


大成功でもない。


異常成功でもない。


伝説級候補でもない。


だが。


戦闘には毎回参加している。


防衛戦。


ランキング戦。


実ダンジョン戦。


全部だ。


気付けば経験値だけは軍団トップクラスだった。


その時。


訓練場の映像が表示される。


鋼影狼だった。


鉄牙兵三体を相手にしている。


圧倒していた。


速い。


強い。


無駄がない。


そして。


昔より遥かに賢い。


「成長してますね」


「してるな」


アルベルトも認めた。


埋もれていただけだ。


弱かった訳ではない。


むしろ強い。


かなり。


「幹部候補筆頭」


アダプトロードが断言した。


リリスも反対しない。


当然だった。


そして。


もう一つの名前。



ナイトレイブンウルフ



リリスが苦笑する。


「こっちもですよね」


「ああ」


伝説級候補。


将来性なら軍団一。


ただし。


まだ幼体だった。


「今は鋼影狼ですね」


「そうだな」


現時点では鋼影狼。


将来的にはナイトレイブンウルフ。


そんな評価だった。


その頃。


当のナイトレイブンウルフは。


黒影樹の下で寝ていた。


夜宝守が隣にいる。


さらに。


黒影果が積まれている。


異様な光景だった。


「また集めたんですか」


リリスが呆れる。


夜宝守は誇らしげだった。


仕事をしたらしい。


その時。


新しい通知が現れた。


アルベルトの目が光る。


リリスが嫌な予感を覚える。


配合候補。


やはり来た。


黒霧の森の登録素材。


黒霧狼王。


シャドウファング。


ブラッドファング。


大量の新候補。


その中で。


一つだけ。


異様な数字が表示されていた。



鋼影狼


×


黒霧狼王


成功率82%


予測結果


上位種



沈黙。


管理室が静まり返る。


アルベルトが画面を見る。


リリスも見る。


アダプトロードも見る。


全員が見る。


数秒後。


リリスが口を開いた。


「駄目です」


「まだ何も言ってない」


「顔です」


完全に顔だった。


鋼影狼が幹部候補になった。


その直後。


上位種候補が出た。


配合士が我慢できる訳がない。


アルベルトは静かに画面を見続ける。


リリスは頭を抱えた。


忘れられた洞窟は平和だった。


少なくとも。


次の配合が始まるまでは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ