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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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第88話 狼王討伐作戦

黒霧狼王。


シャドウファング。


ブラッドファング。


そして三十を超える狼の群れ。


霧の森の中心。


両軍はついに正面から向かい合った。



狼達が唸る。


低く。


鋭く。


獲物を前にした捕食者の声だった。


対する忘れられた洞窟軍も一歩も引かない。


森護兵将が前へ出る。


岩牙守護将が並ぶ。


その後方に鉄牙兵。


重岩熊兵。


岩牙兵。


完全な戦闘陣形だった。



黒霧狼王が一歩前へ出る。


その瞬間。


群れ全体が動いた。



「来ます!」


リリスが叫ぶ。


次の瞬間。


狼の群れが一斉突撃した。



速い。


圧倒的な数。


森の地形を熟知している。


左右から回り込む。


霧を利用する。


連携も良い。


さすが自然発生型だった。



しかし。


アダプトロードは冷静だった。


「第二陣」


指示。


鉄牙兵が後退。


代わりに重岩熊兵が前進する。



激突。


轟音。


重岩熊兵が壁になる。


狼達の突撃が止まる。


そこへ。


森護兵将。



咆哮。


軍団強化発動。


鉄牙兵達の動きが変わる。


一気に押し返す。



左翼。


シャドウファングが動いた。


速い。


通常の狼とは別格。


重岩熊兵を飛び越える。


そのまま後衛へ。



だが。


影が動く。


シャドウリーパーだった。



黒い閃光。


シャドウファングの首元を狙う。


シャドウファングも反応する。


回避。


さらに反撃。



二体の影が森を駆ける。


見えない。


速すぎる。


リリスですら追えない。



「互角ですか」


「ああ」


アルベルトが頷く。


相手も幹部級。


簡単には倒せない。



右翼。


ブラッドファング。


こちらは力型だった。


岩牙守護将へ突撃する。



衝突。


凄まじい音。


地面が割れる。



しかし。


岩牙守護将は動かない。



再び衝突。


また止める。


三度目。


今度は岩牙守護将が殴った。



轟音。


ブラッドファングが吹き飛ぶ。


木を三本折って転がった。



「強いですね」


リリスが呟く。


異常成功個体。


防御だけではなかった。



戦況は互角。


いや。


やや忘れられた洞窟有利。



だが。


アルベルトは敵軍を見続けていた。



狼の数。


幹部の位置。


王の位置。


全部見る。


そして。


気付く。



「やはりな」


「何がです?」


「統率型だ」



リリスも理解した。


白骨の墓所。


小鬼の巣穴。


過去に見た敵と同じ。



群れは強い。


だが。


王がいるから強い。



黒霧狼王。


そこが核。



「王を落とす」


アルベルトが言った。


作戦決定だった。



アダプトロードも即座に理解する。


「暗殺」


「ああ」



シャドウリーパー。


森護兵将。


夜宝守。


呼び寄せる。



リリスが首を傾げた。


「夜宝守もですか?」


「ああ」



夜宝守がやって来る。


黒影果をもう一個持っていた。


いつ取ったのか誰も知らない。



「聞け」


アルベルトが地図を描く。


黒霧狼王。


黒影樹。


敵軍。



そして。


作戦説明。



森護兵将が正面突破。


群れを引き付ける。



シャドウリーパーが潜入。


狼王を狙う。



夜宝守。


黒影樹確保。



「最後おかしくないですか?」


リリスが突っ込む。



しかし。


夜宝守は目を輝かせていた。


完全にやる気だった。



その時。


ナイトレイブンウルフが立ち上がる。



沈黙。



今まで戦闘には参加していない。


幼体。


成長途中。


だから温存していた。



だが。


今回は違った。



黒影果。


黒影樹。


夜属性高濃度環境。



ナイトレイブンウルフの周囲に黒い魔力が集まり始める。



リリスが固まる。


「まさか」



ダンジョンコアが反応する。



ナイトレイブンウルフ


進化条件達成率


47%



52%



一気に増える。



夜宝守が歓喜する。


「グルル!」



アルベルトの目が細くなる。



面白い。


実に面白い。



狼王討伐。


黒影樹確保。


そして。


ナイトレイブンウルフの成長。



全てが繋がり始めていた。



戦場の奥。


黒霧狼王が再び咆哮する。



対する忘れられた洞窟も動く。



勝負は次の一撃で決まる。


そんな空気が戦場を支配していた。

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