表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/101

第89話 王の終わり

シャドウリーパーは動かない。


黒霧狼王の背後。


影の中。


じっと機会を待っていた。


狼王まであと数メートル。


だが。


飛び出さない。


焦らない。


それがシャドウリーパーの強さだった。


前方では戦闘が続いている。


森護兵将が狼の群れを押し返す。


岩牙守護将がブラッドファングを相手に暴れる。


アダプトロードは軍団全体を指揮していた。


全て予定通り。


いや。


予定以上だった。


「王へ近付けませんね」


リリスが言う。


「ああ」


黒霧狼王の周囲には護衛がいる。


シャドウファング。


精鋭狼達。


そして群れ。


普通なら近付くことすら難しい。


だが。


普通なら。


だった。


シャドウリーパーは影の中を移動する。


木の影。


岩の影。


狼の影。


霧によって生まれる影。


全てを利用していた。


気付く者はいない。


黒霧狼王ですら気付いていない。


その時だった。


森護兵将が咆哮する。


大きな咆哮。


狼達の注意が一瞬だけ前方へ向く。


その瞬間。


シャドウリーパーが動いた。


黒い閃光。


一瞬。


本当に一瞬だった。


シャドウファングが反応する。


遅い。


黒霧狼王が振り向く。


遅い。


全て遅かった。


爪が閃く。


首元。


急所。


完璧な一撃。


黒霧狼王の身体が大きく揺れた。


鮮血が舞う。


狼王が咆哮する。


怒り。


苦痛。


混乱。


しかし。


終わりではなかった。


シャドウリーパーは止まらない。


二撃目。


三撃目。


首元へ集中する。


狼王が反撃する。


巨大な爪。


だが空を切る。


既にシャドウリーパーはいない。


再び影へ消えていた。


「入ったな」


アルベルトが呟く。


リリスも息を飲む。


黒霧狼王の首から血が流れている。


致命傷ではない。


だが深い。


かなり深い。


狼王は怒り狂う。


群れへ命令を出そうとする。


その時だった。


異変が起きる。


狼達が止まった。


一瞬だけ。


本当に一瞬。


統率が乱れる。


「来ました」


リリスが言う。


アルベルトも頷いた。


王が傷付いた。


それだけで群れが揺らぐ。


統率型の弱点。


まさにそれだった。


アダプトロードも見逃さない。


「総攻撃」


軍団が動く。


鉄牙兵が突撃。


重岩熊兵が押し込む。


森護兵将が先頭に立つ。


一気に前進する。


狼達は押され始めた。


一方。


ブラッドファングも焦っていた。


王が危険。


護衛へ戻ろうとする。


だが。


岩牙守護将が立ち塞がる。


巨大な拳。


轟音。


ブラッドファングが吹き飛ぶ。


戻れない。


完全に足止めされていた。


その頃。


夜宝守は。


黒影果を回収していた。


まだやっていた。


「何でですかね」


リリスが頭を抱える。


「真面目なんだろう」


アルベルトは答えた。


敵幹部。


敵王。


そんなことより黒影果だった。


ある意味凄い。


その時。


ナイトレイブンウルフがまた果実を食べる。


ダンジョンコアが反応する。



ナイトレイブンウルフ


進化条件達成率


53%



56%



「また上がりました」


「順調だな」


戦場なのに育成も進んでいる。


忘れられた洞窟らしかった。


そして。


決着の時が来る。


黒霧狼王。


首から血を流しながら立っている。


だが。


動きが鈍い。


そこへ。


再び影。


シャドウリーパー。


今度は正面だった。


狼王も迎え撃つ。


爪が振るわれる。


シャドウリーパーが躱す。


懐へ潜る。


そして。


最後の一撃。


首元へ深く突き刺さった。


沈黙。


黒霧狼王の身体が揺れる。


一歩。


二歩。


そして。


崩れ落ちた。


巨大な身体が地面へ沈む。


完全な沈黙。


次の瞬間。


狼達が動揺した。


統率が消える。


群れが乱れる。


逃げ出す者。


立ち尽くす者。


戦う者。


全てがバラバラになった。


「勝負ありですね」


リリスが言う。


アルベルトも頷いた。


王が死んだ。


群れは終わった。


だが。


ダンジョン戦はまだ終わらない。


残るのはダンジョンコア。


そして。


黒影樹。


夜宝守の目が輝いた。


まだ仕事は終わっていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ