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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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第86話 実ダンジョン戦参加資格

定期ランキング戦開始。


忘れられた洞窟中央広間。


ダンジョンコアが静かに輝いていた。


全員の視線が集まる。


アダプトロード。


森護兵将。


岩牙守護将。


シャドウリーパー。


夜宝守。


そしてナイトレイブンウルフ。


忘れられた洞窟の主力が揃っていた。



表示が現れる。



定期ランキング戦


対戦相手選定中



沈黙。


しばらくして。


文字が切り替わる。



対戦相手決定


936位


『黒霧の森』



リリスが頷く。


「近い順位ですね」


「ああ」


新人リーグらしい組み合わせだった。


942位と936位。


順位差は六。


大きすぎない。


小さすぎない。


定期ランキング戦らしい相手だった。



さらに情報が表示される。



ダンジョン種別


自然発生型


存続年数


四十一年



アダプトロードが腕を組む。


「古参」


「ああ」


新人リーグに残っているとはいえ。


四十一年生き残ったダンジョン。


弱いはずがない。



そして。


次の表示。



実ダンジョン戦選択可能


選択結果待機中



リリスが画面を見る。


「来ましたね」


「ああ」


942位。


忘れられた洞窟は新人リーグ上位へ到達している。


その特典。


実ダンジョン戦参加資格。


今までのランキング戦は違う。


仮想戦場のみ。


安全な戦いだった。


だが。


ここから先は違う。



守備側。


つまり黒霧の森が選択できる。


仮想戦場か。


実ダンジョンか。


しばらく待つ。


そして。


結果が表示された。



守備側選択


実ダンジョン



沈黙。


リリスが息を吐く。


「自信があるんですね」


「そうだろうな」


自分の縄張り。


自分の地形。


自分の魔物。


そこで迎え撃つ。


自然発生型らしい選択だった。



偵察映像が展開される。


初めて見る。


実際の相手ダンジョン。


深い森。


濃い霧。


視界が悪い。


複雑な地形。


完全なホームグラウンドだった。



映像が進む。


狼。


狼。


また狼。


「多いですね」


リリスが呟く。


表示が流れる。



ダークウルフ


シャドウウルフ


ブラッドウルフ



群れ。


完全な群れ型だった。



さらに奥。


森の中心。


巨大な狼が現れる。


通常個体の倍近い体格。


漆黒の毛並み。


赤い瞳。


圧倒的存在感。



黒霧狼王



「ボスですね」


「ああ」


間違いない。


群れの中心。


黒霧の森の王だった。



その時。


夜宝守が反応する。


珍しい。


今までで一番大きな反応だった。


「グルル……!」


視線は黒霧狼王ではない。


さらに奥。


そこだった。



一本の巨大な樹。


黒い樹木。


夜のような魔力が滲み出ている。


アルベルトが情報解析を発動する。


結果が表示される。



黒影樹


希少素材


夜属性高濃度



リリスが固まる。


夜宝守の尻尾が凄い勢いで揺れている。



さらに。


もう一行。



ナイトレイブンウルフとの相性




沈黙。


夜宝守が黒影樹を見る。


次にナイトレイブンウルフを見る。


また黒影樹を見る。


誰の目にも分かった。


欲しいのだ。



「分かりやすいですね」


リリスが呟く。


夜宝守は隠そうともしない。


むしろ。


今すぐ行きたいらしい。



アダプトロードが前へ出る。


「主」


「なんだ」


「取るか」


沈黙。


リリスが頭を抱えた。


「まず勝利です」


「そうだな」


アルベルトも頷く。


だが。


目は黒影樹から離れていなかった。



軍団整列。


森護兵将が前衛をまとめる。


岩牙守護将が防御陣形を確認する。


シャドウリーパーは既に影へ消えた。


夜宝守は。


ナイトレイブンウルフの前に立つ。


護衛するように。


当然のように。



そして。


最後の表示が現れる。



実ダンジョン転送開始


60秒前



初めての実ダンジョン戦。


初めて見る他人の本拠地。


初めて挑む自然発生型ダンジョン。


忘れられた洞窟。


942位。


その新たな戦いが始まろうとしていた。

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