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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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82/223

第82話 新たな配合候補

翌朝。


アルベルトはダンジョンコアの前に座っていた。


理由は単純。


研究ではない。


偵察でもない。


配合だった。


「ようやくですね」


リリスが言う。


「何がだ」


「最近ずっと戦闘と調査ばかりでした」


確かにそうだった。


947位との戦い。


研究資料の回収。


先輩卒業生の偵察。


忙しかった。


だが。


忘れられた洞窟最大の強みは変わらない。


配合。


それこそが最大の武器だった。


◇


アルベルトは一覧を開く。


登録魔物。


以前よりかなり増えている。


アースベア。


岩牙重兵。


アイアンリザード。


アイアンフォートタートル。


その他多数。


その結果。


配合候補も増えていた。


リリスが数字を見て固まる。


「多いですね……」


「多いな」


百件以上。


普通の配合士なら一生かけても試せない数だった。


アルベルトは一つずつ確認していく。


そして。


途中で手が止まった。


「これだな」


リリスも画面を見る。


そこに表示されていたのは。


⸻


岩牙重兵


×


ストーンゴーレム


予測結果


岩壁守護兵


⸻


「壁役ですね」


「ああ」


現在の弱点。


前衛不足。


それを補える。


悪くない。


むしろかなり良い。


しかし。


アルベルトは首を振った。


「今じゃない」


「え?」


「戦力としては強い」


だが。


決定打ではない。


942位以降を突破するには足りない。


もっと必要だった。


◇


さらに候補を見る。


その時。


森護兵将の欄で手が止まる。


⸻


森護兵将


×


岩牙重兵


予測結果


???


⸻


リリスが目を細める。


「未知ですね」


「ああ」


成功率も表示されない。


結果も不明。


珍しい。


配合眼でも完全には読めないらしい。


「気になります?」


「かなり」


即答だった。


リリスは知っている。


この顔は危険だ。


研究者の顔である。


◇


しかし。


アルベルトはすぐには選ばなかった。


理由がある。


森護兵将。


現在の主力。


英雄級候補。


失えば困る。


シャドウリーパーの時とは状況が違う。


今は戦力を安定させる時期だった。


「保留だな」


「珍しいですね」


「まだ早い」


リリスは少し驚いた。


以前なら即決していた。


成長しているらしい。


たぶん。


◇


その時。


ナイトレイブンウルフが近付いてきた。


幼体。


しかし最近は存在感が増している。


アルベルトは何気なく一覧へ視線を向ける。


そして。


止まった。


「ん?」


リリスも見る。


そこには新しい候補が表示されていた。


⸻


ナイトレイブンウルフ


×


シャドウウルフ


進化補助候補


条件不足


⸻


二人とも固まる。


「進化補助?」


「初めて見ました」


通常の配合ではない。


進化でもない。


その中間のような表示だった。


さらに詳細を開く。


すると。


条件が表示される。


⸻


夜属性適性上昇


影属性適性上昇


成長段階到達


⸻


「なるほど」


アルベルトが呟く。


「まだ進化できないのか」


「幼体ですからね」


リリスも納得する。


だが。


重要な情報だった。


ナイトレイブンウルフは確実に進化先を持っている。


しかも。


影属性方向。


シャドウ系統と相性が良い。


◇


その後も確認を続ける。


そして。


もう一つ。


面白い候補を見つけた。


⸻


アースベア


×


岩牙重兵


予測結果


重岩熊兵


⸻


「強そうですね」


「強そうだな」


分かりやすい。


重装前衛。


壁役。


そして。


統率型軍団との相性も良い。


アダプトロードの指揮下に置けば強いだろう。


「これですね」


リリスが言う。


「これだな」


珍しく意見が一致した。


今必要なのは尖った戦力ではない。


安定した前衛。


942位以降は軍団戦が増える。


ならば。


前線を支える存在が必要だった。


◇


その日の夕方。


アルベルトは広場へ全員を集めた。


アダプトロード。


森護兵将。


シャドウリーパー。


そして各魔物達。


アルベルトは静かに言う。


「次の強化を始める」


全員が反応する。


リリスが苦笑した。


「やっぱり始まりましたね」


942位。


まだ通過点。


先輩卒業生。


自然発生ダンジョン。


その先にはさらに強敵が待つ。


だから。


立ち止まらない。


忘れられた洞窟最大の武器。


配合。


その力で。


さらに上を目指す。


アルベルトは配合陣へ手を置いた。


新たな進化の時間が始まろうとしていた。

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