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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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82/106

第82話 新たな配合候補

翌朝。


アルベルトはダンジョンコアの前に座っていた。


理由は単純。


研究ではない。


偵察でもない。


配合だった。


「ようやくですね」


リリスが言う。


「何がだ」


「最近ずっと戦闘と調査ばかりでした」


確かにそうだった。


947位との戦い。


研究資料の回収。


先輩卒業生の偵察。


忙しかった。


だが。


忘れられた洞窟最大の強みは変わらない。


配合。


それこそが最大の武器だった。



アルベルトは一覧を開く。


登録魔物。


以前よりかなり増えている。


アースベア。


岩牙重兵。


アイアンリザード。


アイアンフォートタートル。


その他多数。


その結果。


配合候補も増えていた。


リリスが数字を見て固まる。


「多いですね……」


「多いな」


百件以上。


普通の配合士なら一生かけても試せない数だった。


アルベルトは一つずつ確認していく。


そして。


途中で手が止まった。


「これだな」


リリスも画面を見る。


そこに表示されていたのは。



岩牙重兵


×


ストーンゴーレム


予測結果


岩壁守護兵



「壁役ですね」


「ああ」


現在の弱点。


前衛不足。


それを補える。


悪くない。


むしろかなり良い。


しかし。


アルベルトは首を振った。


「今じゃない」


「え?」


「戦力としては強い」


だが。


決定打ではない。


942位以降を突破するには足りない。


もっと必要だった。



さらに候補を見る。


その時。


森護兵将の欄で手が止まる。



森護兵将


×


岩牙重兵


予測結果


???



リリスが目を細める。


「未知ですね」


「ああ」


成功率も表示されない。


結果も不明。


珍しい。


配合眼でも完全には読めないらしい。


「気になります?」


「かなり」


即答だった。


リリスは知っている。


この顔は危険だ。


研究者の顔である。



しかし。


アルベルトはすぐには選ばなかった。


理由がある。


森護兵将。


現在の主力。


英雄級候補。


失えば困る。


シャドウリーパーの時とは状況が違う。


今は戦力を安定させる時期だった。


「保留だな」


「珍しいですね」


「まだ早い」


リリスは少し驚いた。


以前なら即決していた。


成長しているらしい。


たぶん。



その時。


ナイトレイブンウルフが近付いてきた。


幼体。


しかし最近は存在感が増している。


アルベルトは何気なく一覧へ視線を向ける。


そして。


止まった。


「ん?」


リリスも見る。


そこには新しい候補が表示されていた。



ナイトレイブンウルフ


×


シャドウウルフ


進化補助候補


条件不足



二人とも固まる。


「進化補助?」


「初めて見ました」


通常の配合ではない。


進化でもない。


その中間のような表示だった。


さらに詳細を開く。


すると。


条件が表示される。



夜属性適性上昇


影属性適性上昇


成長段階到達



「なるほど」


アルベルトが呟く。


「まだ進化できないのか」


「幼体ですからね」


リリスも納得する。


だが。


重要な情報だった。


ナイトレイブンウルフは確実に進化先を持っている。


しかも。


影属性方向。


シャドウ系統と相性が良い。



その後も確認を続ける。


そして。


もう一つ。


面白い候補を見つけた。



アースベア


×


岩牙重兵


予測結果


重岩熊兵



「強そうですね」


「強そうだな」


分かりやすい。


重装前衛。


壁役。


そして。


統率型軍団との相性も良い。


アダプトロードの指揮下に置けば強いだろう。


「これですね」


リリスが言う。


「これだな」


珍しく意見が一致した。


今必要なのは尖った戦力ではない。


安定した前衛。


942位以降は軍団戦が増える。


ならば。


前線を支える存在が必要だった。



その日の夕方。


アルベルトは広場へ全員を集めた。


アダプトロード。


森護兵将。


シャドウリーパー。


そして各魔物達。


アルベルトは静かに言う。


「次の強化を始める」


全員が反応する。


リリスが苦笑した。


「やっぱり始まりましたね」


942位。


まだ通過点。


先輩卒業生。


自然発生ダンジョン。


その先にはさらに強敵が待つ。


だから。


立ち止まらない。


忘れられた洞窟最大の武器。


配合。


その力で。


さらに上を目指す。


アルベルトは配合陣へ手を置いた。


新たな進化の時間が始まろうとしていた。

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