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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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44/223

第44話 召喚石と配合士

970位への昇格から三日後。


忘れられた洞窟は久しぶりに平和だった。


冒険者の襲撃もない。


ランキング戦もない。


配下達も順調に成長している。


そして。


アルベルトは暇になった。


「嫌な予感しかしません」


リリスが即座に言った。


「なぜだ」


「アルベルトさんが暇だからです」


「失礼だな」


「今まで暇になった時にろくなことしてません」


反論できなかった。


◇


そんな中、リリスが新たな情報を整理していた。


上位管理精霊への進化後、処理できる情報量は大幅に増えている。


「そういえば」


「何だ」


「970位到達で学園側の公開情報も増えました」


「ほう」


アルベルトが興味を示す。


◇


表示されたのはランキング上位者の簡易情報だった。


もちろん詳細までは分からない。


だが戦力傾向くらいは見える。


◇


970位台。


960位台。


950位台。


一覧を眺める。


そして。


アルベルトは気付いた。


「似ているな」


「何がです?」


「戦力構成だ」


◇


リリスも確認する。


確かにそうだった。


ウルフ系中心。


ゴブリン系中心。


アンデッド系中心。


似たような構成が多い。


◇


「配合してないからですね」


「なるほど」


一般的なダンジョンマスターは召喚石で戦力を集める。


育成する。


進化させる。


それが普通だ。


◇


一方でアルベルトは。


スライムと狼を混ぜる。


影を混ぜる。


新種を作る。


常識から外れている。


◇


「他の人は大変ですね」


リリスが言った。


「そうか?」


「召喚石ですよ」


◇


召喚石。


この世界で最も一般的な戦力獲得手段。


魔物が封印された結晶。


砕けば魔物を召喚できる。


◇


ただし。


何が出るかは運も絡む。


◇


「そういえば」


アルベルトが首を傾げる。


「召喚石を買ったことがないな」


「買う必要ありませんからね」


リリスが呆れる。


◇


一般生徒なら。


良い召喚石を買うために資金を貯める。


レア召喚石を手に入れて喜ぶ。


当たりを引いて歓喜する。


◇


しかしアルベルトは。


登録したら召喚できる。


しかも配合までできる。


◇


「ずるいですね」


「便利だな」


「普通の人が聞いたら泣きますよ」


◇


その時だった。


入口付近で警戒反応。


冒険者。


しかも複数。


◇


「来ました」


「早いな」


映像を確認する。


◇


そこにいたのは四人組。


中級冒険者。


さらに。


リーダーらしき男が取り出した物を見て、リリスが声を上げた。


「召喚石です!」


◇


男が結晶を砕く。


光が広がる。


そして。


現れた。


◇


アイアンウルフ。


◇


金属質の毛並みを持つ狼。


明らかに普通のフォレストウルフより強そうだった。


◇


「なるほど」


アルベルトが興味深そうに眺める。


「こういうのが出るのか」


◇


さらに二個目。


三個目。


◇


アイアンウルフ。


ストーンゴーレム。


ブラッドバット。


◇


次々に魔物が現れる。


◇


「豪華ですね」


「高そうだな」


「かなり高いです」


◇


リリスが情報を確認する。


「全部レア召喚石です」


「へぇ」


「へぇじゃありません」


◇


普通なら驚くところだった。


しかし。


アルベルトは別の部分に注目していた。


◇


アイアンウルフ。


ストーンゴーレム。


ブラッドバット。


◇


配合候補。


表示可能。


◇


「駄目です」


リリスが即答する。


◇


「まだ何も言ってない」


「顔です」


◇


「登録したい」


「言いましたね」


◇


リリスは頭を抱えた。


◇


しかし。


アルベルトの言葉は正しかった。


あれらは未知の魔物。


忘れられた洞窟には存在しない。


つまり。


新たな配合素材だ。


◇


「倒すか」


「その言い方はやめてください」


「登録したい」


「もっと駄目です」


◇


二人がそんなやり取りをしている間にも、冒険者達は奥へ進んでくる。


◇


アイアンウルフ。


ストーンゴーレム。


ブラッドバット。


そして中級冒険者四人。


◇


今までで最も強力な侵入者だった。


◇


「どうします?」


リリスが尋ねる。


◇


アルベルトは少し考える。


そして。


笑った。


◇


「新素材確保だな」


◇


「研究者の発想なんですよ、それ」


◇


戦力差は小さくない。


だが。


アルベルトの目には既に新しい配合候補しか映っていなかった。


◇


忘れられた洞窟970位。


次の成長は、ランキング戦ではなく。


新たな魔物との出会いから始まろうとしていた。

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― 新着の感想 ―
リリスよ・・・侵略側のモンスターならいいと思うけどなぁ
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