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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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第41話 禁忌と新配合

新人冒険者襲来から三日後。


忘れられた洞窟は少しだけ忙しくなっていた。


理由は単純。


冒険者が増えたのだ。



「また来ました」


リリスが報告する。


「今度は二人組か」


「見習いですね」


入口では新人冒険者二人がスライムと格闘していた。


そして十分後。


泣きそうな顔で撤退していった。



DP獲得


80



「また増えた」


アルベルトが呟く。


「いいお客様ですね」


「その言い方はどうなんだ」


「事実です」



その一週間。


忘れられた洞窟には合計七組の冒険者が来た。


全員新人。


全員生存。


全員撤退。


結果。


DPは大幅に増えた。



そして。


アルベルトはそのDPを全て使った。


「やっぱりそうなりますよね」


リリスはもう驚かない。


召喚。


召喚。


召喚。


フォレストウルフが増えていく。



現在戦力。



シャドウリーパー ×1


シャドウスライム ×2


ビッグスライム ×3


スライム ×12


フォレストウルフ ×8



かなり増えた。


特にフォレストウルフ。


初の獣系戦力である。



「そろそろですね」


「ああ」


アルベルトの目が光る。


配合の時間だった。



候補は大量にあった。


フォレストウルフ × スライム


フォレストウルフ × シャドウスライム


フォレストウルフ × ビッグスライム


フォレストウルフ × シャドウリーパー


成功率も表示されている。


だが。


アルベルトが見ているのは別だった。



配合眼。


その最下部。


薄く表示された文字。


今まで気付かなかった項目。



人族


配合可能


警告


禁忌指定


成功率 0.03%



沈黙。



「……」


「……」


リリスが無言になる。


アルベルトも無言。


数秒後。


リリスがゆっくり口を開いた。


「駄目です」


「まだ何も言ってない」


「顔で分かります」


「そうか」


「そうです」



アルベルトは少しだけ考えた。


理論上。


可能らしい。


人間と魔物。


あるいは別の何か。


だが。


次の表示が出ていた。



禁忌配合


実行時


学園管理局へ自動通知



「なるほど」


「なるほどじゃありません」


リリスが即座に否定する。



「そもそも人間を捕獲する予定なんですか?」


「ない」


「本当に?」


「ない」


「本当に?」


「今は」


「今はって言いました!」



リリスは頭を抱えた。


一方。


アルベルトは冷静だった。


興味はある。


研究者だから。


未知の技術なら知りたい。


しかし。


今やる理由がない。


リスクが大きすぎる。


970位攻略の方が重要だった。



「禁忌は後回しだ」


「後回しって言葉が怖いんですよ」


「そうか?」


「そうです」



話を戻す。


今はフォレストウルフである。


アルベルトは配合候補を見る。



フォレストウルフ × シャドウスライム


成功率 64%


予測結果


シャドウウルフ



フォレストウルフ × ビッグスライム


成功率 71%


予測結果


ジェルウルフ



リリスが身を乗り出す。


「見えますね」


「ああ」


今までとの違いだった。


特殊配合型認定後。


結果の一部まで見えるようになっている。



「どっちにします?」


「両方だ」


即答だった。



まずはシャドウスライム。


フォレストウルフ。


融合開始。


黒い光。


影が揺れる。


そして。


一匹の狼が現れた。



漆黒。


赤い瞳。


影のような毛並み。



シャドウウルフ


レア度:高


脅威度:中



成功。



「かっこいい」


リリスが素直に呟く。


アルベルトも頷いた。


確かに強そうだった。


しかも。


次の瞬間。


シャドウウルフが姿を消した。


「消えた!?」


「潜伏系か」


影の中へ溶け込んでいる。


シャドウスライムの能力を継承しているらしい。



続いて。


フォレストウルフとビッグスライム。


融合。


今度は青い光。


そして。


完成。



……狼だった。


見た目は。



ただし。


ぷるぷるしている。


「何ですかこれ」


リリスが吹き出した。


狼なのに。


身体の半分がスライム。


尻尾もスライム。


耳もスライム。


ぷるぷる。


ぷるぷる。


している。




ジェルウルフ


レア度:中


脅威度:中


特殊能力


自己再生


衝撃吸収



「強いな」


「見た目に反してですね」



アルベルトは満足していた。


新戦力二体。


しかも方向性が違う。


シャドウウルフは奇襲型。


ジェルウルフは前衛型。


970位攻略に必要な戦力だった。



その夜。


再び通知が届く。



特殊昇格戦


開催まで


7日



いよいよだった。


翠緑の樹海。


フォレストウルフキング。


970位。


十九位差の格上。



だが。


今のアルベルトは笑っていた。


「勝てそうですか?」


リリスが聞く。


少し前なら即答していただろう。


しかし。


今回は違う。


アルベルトは正直に答えた。


「五分だな」


「おお」


リリスが驚く。


つまり。


半分は勝てるということだ。



アルベルトは立ち上がる。


視線の先には、


シャドウリーパー。


シャドウウルフ。


ジェルウルフ。


そして大量のスライム達。


忘れられた洞窟の戦力は急速に進化していた。


970位まであと7日。


次の戦いは、これまでで最大の壁になるはずだった。

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