第38話 特殊配合型認定
ホブゴブリンロードが倒れた。
その瞬間。
戦場全体が静まり返った。
ゴブリン達は混乱し、
ホブゴブリン達は逃走し、
最後まで抵抗していたホブゴブリンウォリアーも倒れた。
そして。
空中に文字が浮かぶ。
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ランキング戦終了
勝者
忘れられた洞窟
⸻
リリスが大きく息を吐いた。
「終わりましたね」
「ああ」
アルベルトは短く答える。
だが視線は既に次を見ていた。
◇
帰還。
忘れられた洞窟。
スライム達はいつも通りぷるぷるしている。
シャドウリーパーも静かだった。
だが。
ダンジョンコアだけは異様な光を放っていた。
「何でしょう」
リリスが首を傾げる。
アルベルトも見たことがない光だった。
そして。
通知が表示される。
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順位変動
忘れられた洞窟
990位 → 989位
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さらに。
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二連続格上撃破を確認
特殊配合型評価上昇
追加審査開始
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「追加審査?」
リリスが読む。
アルベルトの眉が動く。
次の瞬間。
大量の文字が流れ始めた。
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審査完了
特殊配合型認定条件達成
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「え?」
リリスが固まる。
アルベルトも珍しく驚いていた。
そして。
最後の通知が表示される。
⸻
特殊配合型認定
成功
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◇
忘れられた洞窟が揺れた。
地面ではない。
ダンジョンコアそのものだ。
眩い光が広間を包む。
スライム達が慌てて逃げ回る。
ぷるぷる。
ぷるぷる。
少し面白かった。
「何が起きてるんです?」
「分からん」
本当に分からなかった。
しかし。
配合眼が反応する。
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特殊配合型特典
解放
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新機能
特殊昇格戦
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◇
空気が変わる。
リリスが読み上げる。
⸻
特殊昇格戦
通常ランキング戦を省略し、
上位帯へ挑戦可能。
勝利時、
大幅順位上昇。
⸻
沈黙。
数秒。
そして。
「は?」
リリスが言った。
アルベルトも珍しく同意見だった。
「は?」
◇
つまり。
989位。
988位。
987位。
986位。
そういう戦いを飛ばせる。
特殊配合型として認定されたダンジョンだけの特権。
それが特殊昇格戦だった。
「凄いですね」
「ああ」
「かなり凄いですね」
「ああ」
二人とも理解した。
これは大事件だ。
◇
さらに通知が続く。
⸻
挑戦可能順位
970位
翠緑の樹海
支配魔物:フォレストウルフ
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アルベルトが固まる。
リリスも固まる。
十九位差。
十九位上。
今までなら考えられない相手だった。
「飛びましたね」
「ああ」
「凄く飛びましたね」
「ああ」
◇
だが。
アルベルトの口元が少しだけ上がる。
「面白い」
出た。
リリスが顔を覆う。
完全に出た。
研究者モードである。
「普通は怖がるんですよ」
「そうなのか」
「そうです」
「知らなかった」
知ってほしい。
◇
その夜。
アルベルトは早速情報を確認していた。
970位。
翠緑の樹海。
フォレストウルフ。
未知の魔物。
未知の配合素材。
未知の可能性。
「まずは調査だな」
「休むって言ってませんでした?」
「明日から調査する」
「休んでませんね」
「そうかもしれない」
少しだけ笑う。
◇
一方その頃。
学園。
卒業生のランキングを管理する巨大な水晶。
そこに変化が起きていた。
⸻
忘れられた洞窟
989位
特殊配合型認定
⸻
その文字を見て、
数人の卒業生が足を止める。
「おい」
「見たか?」
「特殊配合型だと?」
「こんな順位で?」
ざわめきが広がる。
誰かが呟く。
「アルベルトか……」
その名は、
少しずつ注目を集め始めていた。
忘れられた洞窟。
現在989位。
しかし。
その視線はもう989位には向いていない。
次の相手は970位。
アルベルトの成り上がりは、ここから一気に加速しようとしていた。




