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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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第35話 ホブゴブリンロード討伐計画

ランキング戦まで十五日。


対戦候補情報が更新された。


アルベルトとリリスはダンジョンコアの前に立っている。


表示されたのは――



989位


小鬼の巣穴


支配魔物:ホブゴブリンロード


危険度:高


推定魔物数:27


戦闘傾向:統率型


特記事項:


支配魔物撃破時、統率能力大幅低下



沈黙。


そして。


アルベルトが言った。


「答えが出たな」


「出ましたね」


リリスも頷く。


まさに今まで考えていた通りだった。


ホブゴブリンロードが核。


倒せば群れが崩れる。


システムがそれを証明した。



「でも二十七体ですよ?」


リリスが現実を突き付ける。


こちらの戦力は、



シャドウリーパー ×1


シャドウスライム ×1


ビッグスライム ×2


スライム ×3



合計七体。


数で四倍近い差がある。


普通なら勝負にならない。


だが。


アルベルトは配置図を見ていた。


「戦う必要はない」


「ですよね」


「ホブゴブリンロードだけだ」


初めから変わらない。


問題は方法だった。



その日から。


忘れられた洞窟は実戦訓練を始めた。


シャドウリーパー。


シャドウスライム。


二体を組ませる。


潜伏。


接近。


離脱。


繰り返す。


繰り返す。


さらに繰り返す。


「地味ですね」


「大事だ」


アルベルトは真顔だった。


派手な訓練ではない。


だが。


失敗すれば全滅する。


なら成功率を上げるしかない。



三日後。


ランキング戦まで十二日。


アルベルトは決断した。


「行くか」


「どこへです?」


「小鬼の巣穴」


リリスが固まる。


そして。


目を丸くした。


「また偵察ですか?」


「ああ」


前回の偵察からかなり時間が経っている。


相手も成長しているかもしれない。


確認は必要だった。



忘れられた洞窟を出発。


今回のメンバーは少数。


アルベルト。


リリス。


シャドウリーパー。


シャドウスライム。


スライム一体。


最小構成。


戦うためではない。


見るためだ。



半日後。


小鬼の巣穴近辺。


アルベルト達は岩陰へ身を隠していた。


そして。


見た。


「増えてますね」


リリスが呟く。


見張り台。


二つになっていた。


さらに。


巡回ゴブリンも増えている。


以前より明らかに警戒が強い。


「成長している」


アルベルトは静かに言う。


このダンジョンも遊んでいた訳ではない。


当然だ。


向こうも生き残るために強くなる。



その時だった。


シャドウリーパーが反応する。


ぴたりと動きを止めた。


アルベルトも気付く。


気配。


強い気配。


洞窟入口から現れたのは――


ホブゴブリンだった。


だが普通ではない。


大きい。


鎧を着ている。


斧を持っている。


配合眼が反応した。



ホブゴブリンウォリアー


脅威度:中



「新戦力か」


アルベルトの目が細くなる。


以前はいなかった。


つまり。


小鬼の巣穴も強くなっている。



だが。


アルベルトは笑った。


本当に少しだけ。


「良かった」


「良かった?」


リリスが驚く。


強くなっているのに。


普通なら嫌な情報だ。


だがアルベルトは首を振る。


「見つけた」


「何をです?」


アルベルトは見張り台を指差した。


さらに巡回路。


ホブゴブリンウォリアー。


そして洞窟入口。


全てが繋がった。


「弱点だ」


ホブゴブリンロードは群れを強くした。


その結果。


守る場所が増えた。


指示する部隊も増えた。


だからこそ。


一瞬だけ生まれる隙がある。


アルベルトはその隙を見つけたのだった。



帰還後。


忘れられた洞窟。


アルベルトは地面へ作戦図を書き込む。


一本の線。


入口を迂回。


見張りを回避。


中央広間へ直行。


そして。


ホブゴブリンロード。


その名前に大きな丸を描いた。


「これで勝てる」


静かな声だった。


リリスは地図を見る。


シャドウリーパー。


シャドウスライム。


二体だけが敵陣深くへ侵入する作戦。


あまりにも危険。


だが。


成功すれば終わる。


「本当に配合士なんですか?」


リリスが聞く。


「配合士だ」


「暗殺者じゃなくて?」


「配合士だ」


アルベルトは即答した。


リリスはため息をつく。


ランキング戦まで残り十二日。


忘れられた洞窟はついに決戦準備を終えたのだった。

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