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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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33/223

第33話 素材集め

ランキング戦まで二十日。


ホブゴブリンロード攻略作戦は完成した。


シャドウリーパーも順調に成長している。


だが。


忘れられた洞窟には致命的な問題が残っていた。


戦力不足である。


「少ないな」


朝。


中央広間でアルベルトが呟いた。


リリスが周囲を見回す。


シャドウリーパーが一体。


スライムが二体。


以上。


「改めて見ると酷いですね」


「ああ」


「989位に挑む戦力じゃありません」


「ああ」


否定できない。


もしシャドウリーパーが倒されたら終わる。


それが今の忘れられた洞窟だった。


◇


「だから増やす」


アルベルトはダンジョンコアの前に立った。


リリスは嫌な予感しかしなかった。


最近のアルベルトは、


何か思いつくたびにろくでもないことをする。


本人に自覚はない。


「配合ですか?」


「その前だ」


珍しい。


アルベルトは配合を選ばなかった。


コアに手を触れる。


すると新しい一覧が表示された。


⸻


召喚可能魔物


スライム 10DP


ゴブリン 30DP


シャドウ 50DP


スケルトン 40DP


⸻


「増えてますね」


「ああ」


情報解析機能の進化。


図鑑登録。


特殊配合型への変化。


複数の条件が重なった結果らしい。


◇


リリスは一覧を見ながら首を傾げる。


「アダプトゴブリンは?」


アルベルトも少し考える。


確かに表示されていない。


「レア個体だからか」


「召喚できないんです?」


「できないらしい」


リリスは不思議そうだった。


「でも図鑑には登録されてますよね?」


「されている」


「じゃあ何でです?」


アルベルトは少し笑った。


「もし召喚できたらどうなる」


「どうなるって……」


リリスは考える。


そして。


数秒後。


嫌な顔になった。


「あ」


「気付いたか」


「シャドウリーパー量産できますね」


「できるな」


アダプトゴブリン召喚。


シャドウ召喚。


配合。


終わり。


それだけである。


苦労も研究も必要ない。


「それ駄目ですね」


「ああ」


アルベルトも頷く。


もしそんなことができたら、


特殊配合の価値が消える。


レア個体の価値も消える。


「つまり」


「一般種だけ召喚できる」


「レア種は自力で探せと」


「その方が面白い」


アルベルトらしい結論だった。


リリスも少し納得する。


確かに。


その方が研究のしがいがある。


◇


問題は何を召喚するかだ。


リリスは当然のようにゴブリンを見る。


「素材ならゴブリンですか?」


「違う」


即答。


「シャドウ?」


「違う」


「スケルトン?」


「違う」


全部違う。


嫌な予感がする。


非常に嫌な予感だ。


アルベルトの指が止まった先。


⸻


スライム


⸻


「またですか」


「まただ」


真顔だった。


◇


数時間後。


忘れられた洞窟は賑やかになっていた。


ぷるぷる。


ぷるぷる。


ぷるぷる。


スライムが増えた。


五体。


元の二体と合わせて七体。


「増えましたね」


「ああ」


「弱そうです」


「ああ」


評価は辛辣だった。


だがアルベルトは満足している。


理由は簡単。


安いからだ。


十DP。


大量生産できる。


失敗しても痛くない。


そして。


何より。


素材になる。


◇


案の定。


アルベルトは配合眼を発動した。


⸻


スライム × スライム


成功率95%


⸻


「来ましたね」


「ああ」


「来ちゃいましたね」


リリスは遠い目をした。


研究者の目だった。


危険なやつである。


◇


配合開始。


結果。


光が収まる。


現れたのは――


一回り大きなスライムだった。


⸻


ビッグスライム


⸻


沈黙。


「地味ですね」


「地味だな」


二人とも同意見だった。


強そうでもない。


格好良くもない。


大きいだけ。


だが。


アルベルトは気にしていなかった。


図鑑が更新される。


新しい種が増える。


そして。


配合候補も増える。


それが重要だった。


◇


さらに三日が経過した。


ランキング戦まで十七日。


忘れられた洞窟の戦力は少し変わっていた。


⸻


シャドウリーパー ×1


スライム ×3


ビッグスライム ×2


⸻


まだ弱い。


だが確実に増えている。


そして。


アルベルトは新しい表示を見つけていた。


⸻


ビッグスライム × シャドウ


成功率61%


⸻


リリスは見た瞬間に顔を覆った。


「やめましょう」


「まだ何も言ってない」


「言うつもりですよね?」


「少し興味がある」


「その言葉が一番危険なんですよ」


即答だった。


アルベルトは無視した。


配合眼は可能性を示している。


成功率六十一パーセント。


低くはない。


そして。


未知の魔物。


ランキング戦まで残り十七日。


忘れられた洞窟の研究は、まだ終わりそうになかった。

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― 新着の感想 ―
なんの魔物を増やすのかなと思ったら…。 そうきたか〜となりました! この主人公らしく、めちゃくちゃ合理的ですね。 配合確率、この世界の一般的に言われているよりも高いし、元が安く買えるならある程度、成…
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