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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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33/142

第33話 素材集め

ランキング戦まで二十日。


ホブゴブリンロード攻略作戦は完成した。


シャドウリーパーも順調に成長している。


だが。


忘れられた洞窟には致命的な問題が残っていた。


戦力不足である。


「少ないな」


朝。


中央広間でアルベルトが呟いた。


リリスが周囲を見回す。


シャドウリーパーが一体。


スライムが二体。


以上。


「改めて見ると酷いですね」


「ああ」


「989位に挑む戦力じゃありません」


「ああ」


否定できない。


もしシャドウリーパーが倒されたら終わる。


それが今の忘れられた洞窟だった。



「だから増やす」


アルベルトはダンジョンコアの前に立った。


リリスは嫌な予感しかしなかった。


最近のアルベルトは、


何か思いつくたびにろくでもないことをする。


本人に自覚はない。


「配合ですか?」


「その前だ」


珍しい。


アルベルトは配合を選ばなかった。


コアに手を触れる。


すると新しい一覧が表示された。



召喚可能魔物


スライム 10DP


ゴブリン 30DP


シャドウ 50DP


スケルトン 40DP



「増えてますね」


「ああ」


情報解析機能の進化。


図鑑登録。


特殊配合型への変化。


複数の条件が重なった結果らしい。



リリスは一覧を見ながら首を傾げる。


「アダプトゴブリンは?」


アルベルトも少し考える。


確かに表示されていない。


「レア個体だからか」


「召喚できないんです?」


「できないらしい」


リリスは不思議そうだった。


「でも図鑑には登録されてますよね?」


「されている」


「じゃあ何でです?」


アルベルトは少し笑った。


「もし召喚できたらどうなる」


「どうなるって……」


リリスは考える。


そして。


数秒後。


嫌な顔になった。


「あ」


「気付いたか」


「シャドウリーパー量産できますね」


「できるな」


アダプトゴブリン召喚。


シャドウ召喚。


配合。


終わり。


それだけである。


苦労も研究も必要ない。


「それ駄目ですね」


「ああ」


アルベルトも頷く。


もしそんなことができたら、


特殊配合の価値が消える。


レア個体の価値も消える。


「つまり」


「一般種だけ召喚できる」


「レア種は自力で探せと」


「その方が面白い」


アルベルトらしい結論だった。


リリスも少し納得する。


確かに。


その方が研究のしがいがある。



問題は何を召喚するかだ。


リリスは当然のようにゴブリンを見る。


「素材ならゴブリンですか?」


「違う」


即答。


「シャドウ?」


「違う」


「スケルトン?」


「違う」


全部違う。


嫌な予感がする。


非常に嫌な予感だ。


アルベルトの指が止まった先。



スライム



「またですか」


「まただ」


真顔だった。



数時間後。


忘れられた洞窟は賑やかになっていた。


ぷるぷる。


ぷるぷる。


ぷるぷる。


スライムが増えた。


五体。


元の二体と合わせて七体。


「増えましたね」


「ああ」


「弱そうです」


「ああ」


評価は辛辣だった。


だがアルベルトは満足している。


理由は簡単。


安いからだ。


十DP。


大量生産できる。


失敗しても痛くない。


そして。


何より。


素材になる。



案の定。


アルベルトは配合眼を発動した。



スライム × スライム


成功率95%



「来ましたね」


「ああ」


「来ちゃいましたね」


リリスは遠い目をした。


研究者の目だった。


危険なやつである。



配合開始。


結果。


光が収まる。


現れたのは――


一回り大きなスライムだった。



ビッグスライム



沈黙。


「地味ですね」


「地味だな」


二人とも同意見だった。


強そうでもない。


格好良くもない。


大きいだけ。


だが。


アルベルトは気にしていなかった。


図鑑が更新される。


新しい種が増える。


そして。


配合候補も増える。


それが重要だった。



さらに三日が経過した。


ランキング戦まで十七日。


忘れられた洞窟の戦力は少し変わっていた。



シャドウリーパー ×1


スライム ×3


ビッグスライム ×2



まだ弱い。


だが確実に増えている。


そして。


アルベルトは新しい表示を見つけていた。



ビッグスライム × シャドウ


成功率61%



リリスは見た瞬間に顔を覆った。


「やめましょう」


「まだ何も言ってない」


「言うつもりですよね?」


「少し興味がある」


「その言葉が一番危険なんですよ」


即答だった。


アルベルトは無視した。


配合眼は可能性を示している。


成功率六十一パーセント。


低くはない。


そして。


未知の魔物。


ランキング戦まで残り十七日。


忘れられた洞窟の研究は、まだ終わりそうになかった。

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― 新着の感想 ―
なんの魔物を増やすのかなと思ったら…。 そうきたか〜となりました! この主人公らしく、めちゃくちゃ合理的ですね。 配合確率、この世界の一般的に言われているよりも高いし、元が安く買えるならある程度、成…
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