表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/101

第31話 腐敗の地下墓地

ランキング戦まで二十二日。


シャドウリーパー誕生から三日。


忘れられた洞窟は着実に力を蓄えていた。


スライム達はDP回収。


リリスは幻惑訓練。


シャドウリーパーは潜伏能力の習熟。


そして。


アルベルトは――


「また徹夜ですか?」


「違う」


「何時間寝ました?」


「四時間」


「それを世間では徹夜と言います」


違わない気もした。



三日前。


情報解析機能が進化した。


その影響をアルベルトは調べ続けていた。


そして今朝。


ようやく新しい発見があった。


「なるほど」


アルベルトが呟く。


「何か分かったんですか?」


リリスが覗き込む。


アルベルトの視界には新しい情報が表示されていた。



989位


小鬼の巣穴


支配魔物:ホブゴブリン


危険度:高



988位


霧隠れの洞窟


支配魔物:ミストウルフ


危険度:中



987位


腐敗の地下墓地


支配魔物:ボーンウォリアー


危険度:中



「危険度?」


「前は無かった」


アルベルトは頷く。


新機能だ。


以前より詳細な分析が可能になっている。


「小鬼の巣穴だけ高いですね」


「ああ」


そこが気になった。


順位は一つしか違わない。


だが評価が違う。


なぜか。


「調べる価値はある」



アルベルトは腐敗の地下墓地の情報を開く。


以前より細かいデータが見える。



確認魔物


ボーンウォリアー ×12


ボーンアーチャー ×4



総数16。


思ったより多い。


しかし。


アルベルトの目は別の場所で止まった。



戦力評価


統率型



「統率型?」


リリスが読む。


「小鬼の巣穴と同じですね」


「ああ」


そこだった。


アルベルトは思考を始める。


ボーンウォリアー。


本来はそこまで知能が高くない。


なのに統率型。


つまり。


どこかに指揮役がいる。


「支配魔物はボーンウォリアーなのに?」


「違う可能性がある」


アルベルトは呟く。


支配魔物は最も強い魔物とは限らない。


情報が古い可能性もある。


あるいは。


別の個体が存在する可能性もある。



昼。


アルベルトは小鬼の巣穴の資料を並べていた。


ホブゴブリンロード。


ホブゴブリン八体。


ゴブリン十五体。


見張り台。


巡回路。


育成中と思われるゴブリン達。


全てを書き出す。


そして。


腐敗の地下墓地の情報を隣へ置いた。


共通点があった。


「統率者か」


リリスも気付く。


小鬼の巣穴。


腐敗の地下墓地。


どちらも数で戦う。


どちらも連携する。


そして。


どちらも中心となる個体がいる。


「なるほど」


アルベルトの目が鋭くなる。


ようやく見えてきた。


「何がです?」


「順位の理由だ」


989位の小鬼の巣穴。


987位の腐敗の地下墓地。


単純な戦闘力だけなら大差ない。


むしろ小鬼の巣穴の方が強そうに見える。


だが順位は違う。


理由は統率の完成度。


群れをどれだけ効率よく動かせるか。


そこに差がある。



その日の夜。


シャドウリーパーが影の中から現れる。


最近は気配を消したまま移動できるようになっていた。


正面戦闘も強い。


潜伏もできる。


奇襲も得意。


アルベルトは静かに頷く。


「やはりお前だな」


「何がです?」


リリスが聞く。


アルベルトは地面へ線を描いた。


群れ。


その中心。


ホブゴブリンロード。


そして。


そこへ一本の矢印を引く。


「正面からは戦わない」


「はい」


「群れも倒さない」


「はい」


「最初からホブゴブリンロードを狙う」


リリスが息を呑む。


ついに言葉になった。


ここ数日考えていた作戦。


その完成形。


「シャドウリーパーで暗殺するんですね」


「ああ」


群れを相手にする必要はない。


ホブゴブリンロードさえ倒せばいい。


統率型の最大の強み。


それは同時に最大の弱点でもある。


指揮官を失えば崩れる。


腐敗の地下墓地の情報は、それをアルベルトに確信させた。


ダンジョンコアが静かに光る。



ランキング戦まで


二十一日



残り時間はまだある。


準備も続けられる。


だが。


勝ち筋は見えた。


忘れられた洞窟は初めて、格上を倒すための明確な作戦を手に入れたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ