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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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205/223

第205話 快進撃

鋼鉄迷宮との特別戦から二週間後。


忘れられた洞窟は異常な勢いで順位を上げていた。


理由は単純だった。


強かった。


それだけだった。



五百四十二位。


《鋼鉄迷宮》撃破。


そこから始まった。


次に現れたのは五百二十一位《紅蓮火山》。


火属性特化。


溶岩地帯。


英雄個体保有。


普通なら苦戦する相手だった。


だが。


夜狼王が空を制圧した。


蒼天竜将が火山上空を支配した。


ヴァルグランが正面から防衛線を破壊した。


影王が指揮官を暗殺した。


戦闘時間。


三十一分。


勝利。


戦利契約。


紅蓮鬼将獲得。


順位上昇。



次。


五百三位。


《雷帝山脈》。


雷属性特化。


飛行戦力多数。


下級リーグ上位では有名なダンジョンだった。


しかし。


ここでも忘れられた洞窟は止まらない。


夜狼王。


蒼天竜将。


飛行戦力二枚看板。


空中戦。


完全勝利。


雷帝鳥を戦利契約。


順位上昇。



その頃になると学園でも話題になっていた。


掲示板。


食堂。


教員室。


どこへ行っても同じ話。


忘れられた洞窟。


また勝った。


また順位が上がった。


また英雄個体を奪った。



ベルクも掲示板を見ていた。


無言だった。


周囲の卒業生達も同じだった。


もはや同期ではない。


別世界の存在になり始めている。



さらに。


四百八十九位。


《氷晶宮》。


防御特化。


英雄個体二体保有。


複数英雄個体保有ダンジョンだった。


ここは少しだけ苦戦した。


少しだけ。


本当に少しだけ。


戦闘時間四十五分。


それでも勝った。


氷晶竜を戦利契約。


順位上昇。



忘れられた洞窟は止まらない。


育成補助機能。


研究施設。


終号。


全てが噛み合っていた。


夜狼王成熟度。


八十五%。



八十八%。


蒼天竜将。


七十五%。



八十%。


影王。


さらに強化。


ヴァルグラン。


もはや移動要塞。


アダプトキング。


軍団全体を加速させる。



そして。


四百五十一位。


《白銀天城》。


卒業生上位勢。


下級リーグ最上位クラス。


ここでようやく。


忘れられた洞窟は強敵と呼べる相手に出会った。



白銀天城。


英雄個体二体。


飛行部隊。


防衛設備。


どれも高水準だった。


戦闘は一時間近く続いた。


最近では最長だった。


だが。


勝った。



夜狼王が敵英雄個体を撃破する。


影王が指揮官を落とす。


ヴァルグランが城門を破壊する。


アダプトキングが軍団を導く。


そして。


白銀天城陥落。



終号が表示する。



順位更新



451位



中央広間が静まり返った。


ついにここまで来た。


新人リーグ最下位付近。


そこから始まったダンジョン。


今は四百位台目前。



リリスが順位表を見る。


四百位台。


その先。


三百位台。


中級リーグ。


上級リーグ。


まだ先はある。


だが。


手が届かない距離ではなくなっていた。



その時だった。


終号が反応する。


青い光。


警告音。


管理室の空気が変わる。


全員が画面を見る。



特別戦招待



対象


417位



《冥府回廊》



中央広間が静まる。


初めて聞く名前だった。



終号が情報を表示する。



王候補保有



英雄個体複数



研究施設保有



管理室が凍りつく。


初めてだった。


研究施設。


自分達以外で。



ミレイが顔色を変える。


「待ってください」


全員が見る。


ミレイは資料を見つめていた。


その表情が硬い。


「この名前」


「知っているのか」


アルベルトが聞く。


ミレイはゆっくり頷いた。


そして。


静かに言った。


「学園の要注意指定ダンジョンです」



中央広間が静まり返る。


今までとは違う。


本能的に分かった。


ここから先は。


快進撃では終わらない。



終号が最後の情報を表示する。



過去戦績



敗北者からの


戦利契約取得率


92%



沈黙。


誰も喋らない。


奪う。


ではない。


奪われる。


初めて。


その可能性が現実味を帯びた。



夜狼王が静かに画面を見る。


影王も。


ヴァルグランも。


アダプトキングも。


誰も笑っていない。


四百五十一位。


忘れられた洞窟はついに。


自分達と同じ匂いを持つ相手へ辿り着いてしまったのだった。

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