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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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200/223

第200話 地下都市の戦闘観測区画

蒼穹の塔との特別戦から二日後。


忘れられた洞窟は勝利の余韻に浸る暇もなく、次の段階へ進んでいた。


順位は六百十一位。


卒業時の順位を知る者が見れば冗談だと思うだろう。


だが現実だった。


新人リーグ。


下級リーグ。


数々の強敵を越えた結果である。


しかし。


終号が表示する順位表を見た瞬間、その達成感は消えた。


「なるほど」


アルベルトが呟く。


「嫌な顔してますね」


リリスが言う。


「強いな」


視線の先には六百位台のダンジョンが並んでいた。


六百八位。


六百三位。


五百九十七位。


そして五百台後半。


どれも保有戦力が異常だった。


英雄個体。


王候補。


特殊進化体。


複数保有が当たり前になっている。


新人リーグの頃ならボス扱いだった個体が、今では幹部として並んでいる。


六百位台。


そこは下級リーグの上澄みだった。



管理室では終号による解析会議が行われていた。


蒼天竜将の情報も追加されている。


巨大な飛行系英雄個体。


戦力として見ても破格だった。


夜狼王と並ぶ空の支配者。


問題は。


当然ながら。


配合だった。



「駄目です」


リリスが先に言った。


アルベルトはまだ何も言っていない。


「まだ何も」


「顔です」


即答だった。


完全に読まれている。



終号が表示する。



蒼天竜将


×


夜狼王


成功率89%


予測結果


???



相変わらずだった。


高すぎる成功率。


読めない結果。


危険な匂いしかしない。


だが。


今回だけはアルベルトもすぐには動かなかった。


終号の続きがあったからだ。



推奨


非実施



個体成熟不足



夜狼王成熟度


82%



蒼天竜将成熟度


71%



中央広間が静まる。


アダプトキングが頷いた。


「育成優先」


「そうだな」


今までの研究結果と一致する。


焦って配合するより。


育て切ってからの方が強い。


研究者も同じ結論へ辿り着いていた。



その時だった。


王冠宰相が走ってくる。


最近の日課である。


全員が見る。


何を持ってきたのか。


宝箱か。


魔石か。


古代遺物か。



結果。


地図だった。



「キュウ!」


得意そうだった。


終号が解析する。


数秒後。


青い光が広がる。



地下都市未探索区域


発見



中央広間が静まる。


アルベルトが立ち上がる。


リリスも立ち上がる。


ミレイも反応した。


地下都市。


まだ終わっていなかった。



表示された地図は地下都市のさらに西側だった。


今まで存在自体が確認されていない区域。


研究施設でもない。


保管庫でもない。


育成区画でもない。


全く別の施設。



終号が表示する。



施設名


不明



閲覧権限不足



リリスが眉をひそめる。


まただった。


研究施設。


最終保管庫。


王喰。


最近は何かを調べる度に権限不足が出る。


そして。


大体ろくでもない物が眠っている。



その時。


ミレイが地図を見る。


珍しく真剣な顔だった。


「見覚えがあります」


全員が止まる。


アルベルトも見る。


「知っているのか」


「学園資料です」


ミレイはゆっくり答える。


「名前は残っていません」


「ですが配置だけ一致しています」


中央広間が静まる。


学園資料。


つまり三十年前の研究者関連だった。



ミレイは続ける。


「確か」


少し考える。


そして。


思い出した。


「戦闘観測区画です」


沈黙。



アダプトキングが反応する。


ヴァルクも止まる。


夜狼王も見る。


戦闘。


その単語に全員が引っ掛かった。



終号が追加表示を出した。



推定用途



高位個体戦闘実験



中央広間が凍り付く。


アルベルトだけが笑った。


嫌な笑顔だった。



三十年前の研究者。


配合士。


王喰の開発者。


その男がわざわざ戦闘実験専用施設を作った。


何を戦わせていたのか。


何を観察していたのか。


想像するだけで危険だった。



その時。


終号がさらに反応する。


新しい通知。



探索推奨



到達予想報酬



第四記録



全員が止まる。


第四記録。


王喰関連の続きだった。


三十年前の研究者。


最高傑作。


封印。


全てへ繋がる記録。



アルベルトは地図を見る。


六百位台。


強敵。


ランキング戦。


やるべきことは多い。


だが。


研究施設も気になる。


非常に気になる。



リリスが嫌な予感しかしなかった。


「言いたいことは分かります」


「そうか」


「探索しますよね」


「するな」


即答だった。



ヴァルクが笑う。


夜狼王も苦笑する。


アダプトキングも頷く。


誰も止めない。


止まらない。


それが忘れられた洞窟だった。


六百位台へ到達した今でも。


やることは変わらない。


強くなる。


研究する。


未知へ進む。


そして。


地下都市のさらに奥。


三十年前の研究者が残した新たな施設へ向けて。


忘れられた洞窟は再び動き出すのだった。

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