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3.クリスティアーネ様と山樫さん part2

怒りよりも呆れが勝るこの状況で、少し項垂れても文句は言われないだろう。一息入れて話を進めることにしようと女神の方に顔を向ける。

 オズオズっとした感じでこちらを伺っている姿だけをみたら、とてもか弱い女性に見える気もする。


「あの…山樫さん?…怒ってます?」


「あーはい、すいません。えっと、たしか選択を頂けるとか?」


「そ、そうです!えっと、山樫さんは3つの選択権が与えられます」



1・記憶、経験を持ち越し "神の特典" を得て異世界へ


2・輪廻の輪に入り元の世界へ転生


3・記憶の最適化を行い平行世界の自分と入れ替わり蘇生



クリスティアーネ様が掲示した選択肢だが、3番はどうなのだろうか?平行世界の自分に悪い気がするし、今までの記憶がなくなるのも御免被りたい。平行世界なんてものが存在するのは少し驚いたが、まぁ、異世界があるのだから平行世界くらいはあるのだろう。

 しかし、この選択肢はどう考えても1番が魅力的に感じる。それこそ、意図的に選ばせているようにも感じていた。


「では1番でお願いします」


「あら?もう少し悩むものと思っていました」


「平行世界は論外として、輪廻の輪に入ることも考えましたが」


「ましたが?」


「女神様という存在が意図して異世界へ行かせようとしてるのが少し……」


「ギク…」


「平行世界や輪廻を選んだ場合、誰か別の人が新たに呼ばれるだけでは?」


「ギク…ギク…」


おや?女神様?クリスティアーネ様?目が泳いでますよ?私を呼んだのは本当に手違いで、悪いと思っているのは確かなんだろうが、多少のポンコツでも『生と豊穣の女神』を名乗る女神と言う存在が、無意味に別世界の人間を異世界に送り込むのは考え難い。

 私はそこはかとなく不審の眼差しをクリスティアーネ様に向けると、女神様は涙目でさめざめと。


「ポンコツはひどいですぅ…」


薄々そんな気はしていたが、心が読めるのか。背筋が冷やりとしたが、少なくとも女神という存在に対して不敬な感情も態度も無いはずだ。気を取り直して女神様と向き合うことにする。

 少なくとも、転生先の世界の情報は聞いて損はない、むしろ必要な情報だ。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「と、言うわけなのです」


「随分と端折りましたね」


女神様の管理する異世界は、剣と魔法の世界、最近読んだ幻想奇譚ライトノベルそのものだ。管理している世界を維持するためには数百年に一度、別世界から異世界人を送り込み、不浄を祓う必要があるらしい。


「不浄を祓う方法とかは?具体的に何を行えばよろしいのですか?」


「寿命以外で死ななければ、何をやっても良いですよ?」


「へ?」


「異世界の人間である山樫様がその世界に居ることが重要なのです。山樫様の存在を中心に不浄が世界規模で祓われていきます」


「は?」


「授ける特典と自身の経験と記憶を駆使して冒険者になって旅をしたり、商人として商いをしたり、自由で好きなことをやってください。希望があればある程度は融通が効きますよ♪」


満面の笑みで転生先の人生では好きな生き方をしてくれと言われてしまった。それはそれで楽しみではあるが、悪く言えば丸投げでは?と考えると、少し睨まれたきがする。

 心が読めるんだったな……申し訳ありません女神様。

異世界はスローライフと見たり!

そう思っていた時期が私にもありました。


コメントよろしくお願いします。


12月3日修正

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