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3.優しい姉様

「ねぇエフォリア、後で時間を頂戴な」


「え?今でも別に……イダァ!?」


空気を読めなかったかな、姉様に思いっきり脇腹を抓られた。

流石にそこは腿とかにしてほしい…脇腹を抓られるのは堪える。

はっ!?食事中に突然叫んだことに対して母様が此方を見ている。


「ゴホン……あーちょっと鍛錬に熱を入れすぎたのかな?

 今になって足が攣ったようです。お騒がせしました」


間髪入れず言い訳と言う名のフォローを入れる。

母様が何も言わず食事を再開したので、問題は無かったのだろう。

まったく、私まで母様のマナー講習フルコースは勘弁してほしい。

姉様は小刻みに笑っているし……やっぱりおてんば娘だ……


「酷いですよ姉様……」


「ププー……何のことかしら?」


朝食の後、時間が欲しいと言われたので姉様と話をすることにした。

大切な姉なのだからお願いしなくても会話はウエルカムなのだけど。

貴族というのは家族でも会うのにアポが必要になる場合もある。

姉様も一応は嫁いだ後の事を考えているのだろうか……

あ……この目線は弟としてじゃなく、親目線だな。


「で、お話とは?姉様」


「えぇ、単刀直入に言うわね。

 エフォリア、私に杖術を教えてください!」


「おぉ!?姉さまが私に丁重語を!?……成長しましたね姉様……」


「いや、何泣いてんのよ?」


「いえ、何となく……」


ふむ、姉様はどうしても杖術を習いたいのか。

私としてはかまわないが、姉様にとって通常の習い事も合わせると……

相当な負担ではないだろうか?


「母様も言ってましたが、習い事と両立できますか?

 杖術を加えると、相当な負担になると思いますよ?」


「大丈夫よ、習い事の一つや二つ増えても問題ないわ」


「うーん、私が教える分には問題ないです。

 ですが……姉様の方に問題が一つありまして……」


「うっ……も……問題って何よ?」


「朝、起きれます?」


「お、起きれるわ!寝てたらエフォリアが起こしなさい」


「いくら姉弟でも流石に女性の部屋に僕が起こしに行くのは

 いろいろと、主に母様から怒られそうなので嫌です」


「ぐぬぬぬ……起きるように努力するわ……」


「わかりました。では姉様、明日から始めましょう」


大丈夫だろうか?

これで寝過ごして、なんで起こさなかったのー!とか言うのは

勘弁してよ姉様……




◆◆◆◆<<翌朝>>◆◆◆◆




「さて、姉様は起きれたかな?って……

 なんでナーリャが姉様と一緒にいるの?母様はどうしたの?」


「おはようございますエフォリア様。

 私にもじょー……じゅちゅ?をご教示願ってもよろしいでしょうか」


噛んだ?…噛んだよね?

母様の侍女であるナーリャは深々と頭を下げた。

どうやら、母様の許可は得ているらしい。

その横には眠そうな姉様が今にも飛びそうな意識を何とか留めている。

淑女とは?…イメージで鼻提灯が出てるのがみえる?


「習いたいなら構わないよ?しかしまた何で杖術を

 習いたいと思ったの?」


「あふ……ナーリャはこの前の件で、私達を守り切れなかったことを

 気にしているのよ。」


眠そうな目を擦りながら姉様のほうが理由を話し始めた。


「それで、あの時のエフォリアの不思議な技を見て習いたいって。

 まぁ私は……ダイエットみたいなものね…フワァァ…」


「なるほど、姉様が杖術を習うというのは口実ですか。

 起こしてもらえるし、ナーリャの頼みも叶えられると」

 

ヴァイト辺境伯家は通常の貴族よりだいぶ大らかだ。

それでも使用人が、主人に対し技術を教えてくれと言うのは、

若干の勇気がいるだろう。貴族によっては無礼と取るのも居る。

姉様はそんなナーリャの頼みを叶えたいのだ。

でも母様ならナーリャの願いは聞いてくれるだろうに……

あれ?母様、姉様にノブレスオブリージュを教育してない?

母様こわっ!


「おかげで、今以上に母様とのお勉強を頑張らないと行けなくなったわ」


姉様はがっくり項垂れるが、多分、母様はそれも見越している。


「セリア様、私如きの願いを聞き届けていただき、ありがとうございます」


深々とナーリャは頭を下げる。

その瞬間、微睡に囚われかけたセリアはカッと目を見開きナーリャの顔を

引き寄せた。


「ナーリャ!貴女は決して[如き]付けるような存在じゃないわ!

 母様や私が信頼している侍女よ!誇りを持ちなさい!

 いいこと?貴女を如きと罵る人が居たら、私が許さないわ!」


私もナーリャも思わず委縮しかける剣幕だ。

自分が貶されるより、自分を慕う人が貶されるのが我慢できない。

姉様はそういう人だ。

陰で【小さな高潔の伯爵令嬢】って慕われているだけあるなぁ。

姉様はそんな二つ名の存在を知らないみたいだけど。

うん。姉様は本当に優しいんだ……


それにしても……

先程から扉が少し開いているのに気が付いていないと思っているかな?

扉の外から覗いている視線をさっきから感じているんだけど?


「……私たちの娘は立派に育っているなぁ……【慈愛の辺境伯夫人】」


「その呼ばれ方は不本意なんですが……

 あの剣幕は辺境伯閣下ゆずりではありませんか?」


「いや……紛れもなく貴女だよ……」


そっと扉を閉じると、その場を音をたてないように二人は離れていった。

つかの間の日常はこうして過ぎていく


誤字やら何やら

投稿前にチェックしているのに必ず出てくる。

未熟な文ですか、読んでいただければ嬉しいです!

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