使徒契約解除‼
「でかい門だね。」
「ああ、なかには、この門と同じぐらいの大きさのやつもいるからな。」
「ここで、一旦、現生の姿に戻されるんだ。そうやって、間違ったやつが入ってこないか見張っているんだ。」
「まちがって入り込んだ奴は、どうなるの?」
「おれも、間違って入り込んだ奴は今までみたことがなかったが、たぶん追い返されて生き返るか、消滅するかだろうな?」
「さあ、入るぞ。中で、君のお母さんも待っている。」
「どうした、何をためらってる。」
「この猫は、大丈夫だ、俺の使徒だから。この門は、出たり入ったりできる。また、会いたいと思えば会えるさ。多分。」
「見つけるのが、大変になるだけだ。」
「わかったよ、さあ、みんなでお母さんに会いに行こう。」
門をくぐって、しばらく歩いて行くと、ひとりの女性が近づいてきた。
顔をみれば、それが彼女のお母さんだということがすぐにわかった。
「あなたが、私の娘なの。」
「そうだ。」と死神が言った。
「随分、大きくなったわね。」といって、彼女を抱きしめた。
彼女の方は、しばらく戸惑っていた。
仕方がない。母親の記憶が無い。
それでも、涙を流して自分を抱きしめる女性の姿を見て、
「お母さん、と言って泣き崩れた。」
「さあ、行くか。」そう言うと、死神は、ぼくの首の後ろをつまんで歩き出した。
しばらく行くと、大きな建物が有った。
看板には、使徒登録所と書いてあった。
中に入ると、大きな鏡が置いてあった。
その前に立つと、死神と黒い猫の姿が映し出された。
それから、鏡の中の黒い猫の姿は、16才ぐらいの長い黒髪の少女の姿に変わっていった。
死神は、おもむろにひざまずいて、
「姫様、やっと会えましたね。」
「この時を、どれほど待っていたか。」
「何を言っている、死神。」
「そのお姿は、まぎれもなく姫様です。」
その時、頭の中に声がした。
『この使徒を登録しますか?』
死神は、その問いに
「登録しない。」ときっぱり答えた。
その途端に、ぼくは、頭を巨大なハンマーで殴られたような衝撃とともに気を失った。




