勉強
もとの人間の姿に戻ると、ぼくに服を着させ始めた。
「あなたも、ぼくで遊んでないようね?」
「そんなことは、絶対有りません。」と言いながら、耳がぴくぴく動いている。
「姫様、そろそろお勉強を始めましょう。」と、そのメイドは、恐る恐る言ってきた。
何故なら、ぼくが不機嫌になると猫になる。そうなると勉強ができなくなる。
最近は、ぼくも自分の意思で猫になったり、人間になったりできるようになってきた。
だから、多少機嫌が悪くなっても人間のままでいられるんだけど、猫から人間にもどるのがなかなか難しい。だって、猫が機嫌よくなるのは、誰かに頭を顎の下を撫でてもらう必要がる。そればっかりは、自分一人では、どうしようもない。
その辺がわかっているのか、メイドはぼくが、猫になるとすぐに頭を撫でてくる。
「わかったよ。」
「最初は、英語からお願いね。」
前世の記憶なのか、英語だけはすぐに読み書きできるようになった。それに、世界史も。
特にヨーロッパは、小さな村や町まで詳しかった。
もしかしたら、前世で暮らしていたのかもしれない。
国語も、何とかなるけど、数学だけはちんぷんかんぷんだった。
なので、今のところは、小学生の5年生当たりの算数がやっとわかるようになっていた。
「姫様、これなら、来週から高校に通えますね。」と嬉しそう。
「お前も一緒に行くんだよな。」
「姫様が、お望みとあらば。」
「お願いします。」
「姫様に、お願いされたら仕方が無いですね。」
「死神に制服2着お願いしておきますね。」
「死神も大変ね。私も、バイトしようかな?キャットハウスで。」
「そうしたら、私、他のお客に姫様が取られないように毎日通いますわ。」
「うーん、それもなんだかまずいような気がする。」
「姫様休憩しましょう。」
そう言うと、ふたりは縁側に出て、日向ぼっこを始めた。
飼い主は、今は、天国で幸せかな?と思いながら、知らない間にその縁側で眠ってしまった。




