メイド現る
翌日、死神は、朝早く一人の少女を連れてきた。
「姫様、お待たせしました。お世話係を連れてきましたよ。」
「姫様、姫様。」死神の声に被せるように綺麗な女の子の声が聞こえて来た。
眠い目をこすりながら、廊下を歩いて玄関に行くとそこには、黒いメイド服の少女が立っていた。
彼女は、ぼくの姿を見るといきなり抱きついてきた。
「姫様。やっと、会えましたね。」そして、大きな涙を流し始めた。
徐の肩越しに、死神が笑ってる顔が見えた。
「死神、この子、誰?」
その声を聞いて、彼女は、
「私のこと、忘れてしまったんですか?」
「いや、しばらく猫だったんで・・・?」
「姫様、その子は、前世で、姫様のお世話をしていたメイドですよ。」
「メイドといても、人間じゃないですけどね。」
確かに、頭の上に狐耳が。
「それと姫様、来週から、学校に通いますよ。」
「それまで彼女が、姫様のお世話をしながらいろいろなことをお教えします。」
「そうなんだ。よろしくね。」
「それと、彼女も一緒に学校に行ってもらいます。」
「姫様の身の回りの世話は、すべてわたくしにお任せください。」
「でも、死神、学校に行って何するの?私、猫のままでもいいけど。」
「駄目です。姫様。貴方が、転生されたことを奴らが嗅ぎつけてくるかもしれません。それまでにいろんなことを学んでください。」
「そんな必要あるのかな?」
「まあ、いいわ。でも、嫌になったら帰ってくるわよ。」
「わかりました。」
「ちょっと、いつまでくっついてるの。離れなさいってば。」と言ったとたん、迂闊にも猫に変身してしまった。
「姫様は、機嫌が悪くなると猫に戻られるんだ。」
「まあ、最近は、私といるおかげでいつも人のお姿だったんだが。」
「だから、気を付けるように。」
「ネコの姫様もかわいい。」そのメイドは、ぼくを捕まえると頬ずりしてきた。
それが、気持ちよかったので再び人間の姿に戻ったが、服がずれ落ちていたので慌てて前を隠した。
「おや、いつの間にか人間の少女のようなしぐさになりましたね。」
死神が、ニタニタ笑っている。
「死神、姫様を見てないだあっちを向きなさい。このスケベ、堕天使。」
「わたしを、堕天使と呼んでいいのは、姫さまだけだ。」そう言うと、死神の目が、金色に輝きだした。
「この場面、前に見たことがあるような気がする。」そう思うと、急に頭が痛くなった。
「死神、止めて!頭が、割れるように痛い。」
「姫様、すみません。堕天使と言われて、腹を立ててしまいました。」
「姫様、ごめんなさい。」
「いえ、今と同じことを依然見たような気がして、そしたら急に頭が痛くなって。」
死神とメイドは目くばせをして頷き合った。
「姫様、わたくしの名前は由奈です。これかもよろしくお願いします。」
「おっと、私は、これから仕事が有りますので失礼します。」
「綺麗なお嬢様を二人養わなければいけないので、こちらの紙幣を稼いできます。」
「死神、何やってお金稼ぐの?」
「お化け屋敷の死神を演じてきます。」
「行ってらっしゃい。」
「気を付けて。」
って、言っても気を付けるのは相手の方か?
「お客さん、死なせないでね。」
「だから、私には、人の生き死には左右できないって言ってるでしょ。」
「天国に、連れて行くだけだから、良い死神なの。」ちょっと、おねえ言葉なのが気になるけど、「ウインクしない。きもちわるい。」と思った瞬間、猫に変身した。
「あいつ、絶対、自分で遊んでるな。」
メイドは、すかさずぼくを膝の上に抱き上げ、頭を撫でた。




