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『キリトリセカイ』Vol.02(101~200)  作者: 百字八重のブログ


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112 / 潰瘍性大腸炎と妻


潰瘍性大腸炎とは、もう長いつきあいになる。


なにそれ?と思った方のために説明すると、「潰瘍性大腸炎かいようせいだいちょうえん」とは、大腸の病気である。

一応、国の難病にも指定されていて、現在、約15万人ほど患者がいるようである。

あの安倍元首相も患っていた病気で、そういう意味では、謎に誇らしかったりもする。


具体的には、大腸の壁の内側を覆う粘膜に持続的・慢性的な炎症が起こる。

初期症状としては血便があり、俺は学生の時に発症したが、やはり最初に血便が見られた。

ほかにも症状として、下痢や腹痛があげられる。

俺はもう高齢者という歳になったが、いまだにそれらの症状には悩まされている。

外出するたびにトイレの位置を把握しておかなければならないし、そのせいで長期旅行も簡単には行けないでいる。


原因としては遺伝的なものや、環境やストレスによるものまである。

俺の場合はストレスで、学生の頃の親のスパルタ教育に起因していると思われる。


あいたたた。


また、おなかがいたくなってきた。


こうなると我慢は出来ない。


急いでトイレにかけこむしかない。


「あれ、浩二さん、入るの?臭いわよ?」

一階に降りてトイレに入ろうとすると、妻の良子が中から出てきた。

「あたし、うんちしちゃったもの。少し待ったら?」

中からは水の流れる音がしている。

しばし考えた末、ええい、と思いトイレに入った。

確かに、室内には良子のうんこのにおいと思しき香りがただよっていた。

もわんと、どこか生暖かさを感じる。


まぁいい、夫婦なのだから。

それよりうんこだ。

俺は急いで便座に座り、出せるだけ出すものを出した。


ふう。


徐々に腹痛がおさまってゆく。


この痛みと苦しみ、そしてQOLの低さからくる辛さは、同じ病気の人でないと理解できないのだろうなと思う。

良子は特別で、出会った頃から「トイレが近い?そんなの気にしないわよ!その代わり、私の生理痛も気にしないでね!あはは!」と笑ってくれた。

だから結婚を決めたのだけれど、それが、今ではうんこをしても恥じない女になってしまっている。

いいんだか、悪いんだか。

俺は便座に座ったまま、なんだか笑えてくるのを止められなかった。






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