表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界にとばされた社畜OLですが、ツンデレエルフと行商ライフを満喫中です!  作者: しらたき 茶々麻呂
04_VS 魅了の魔女 ハル編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/181

75_なにはともあれ朝日は昇る

 朝、小鳥の音で目が覚める。見覚えのある天井、ふかふかのベッドと滑らかな毛布。


「あ、やば。眼鏡かけっぱにしてた! ……うぶっ!?」


 しかし手を顔に当てると、ベチンと直撃した。


「いつの間に外したんだろ?」


 自分で外した覚えが全くないけれど、無意識のうちに外していたんだろうか。


「ビョルンさんがそんなことするわけないしな」


 あの不器用な偏屈家が、そんな優しさを見せるわけないし。

 大きく伸びをして名残惜しいベッドに別れを告げ、身支度を整えるためにベッドサイドに置いた眼鏡を掛けた。自分が置いたにしては、几帳面かつ丁寧に置かれていたことに気が付かないまま。     


 身支度を整えてからギルドの食堂に下りると、朝から熱気と活気に満ちていた。人々の話し声や笑い声、調理場から響く調理の音、そして朝の清々しい空気と、それを凌駕する火の通った加工肉と卵の香り。慌ただしい朝だが、それらは平穏そのもので、昨日の大仕事がまるで夢だったのではないかと錯覚してしまうほどだ。


「ルナちゃん、おっはよう!」


「おはようございます、ポーシャさん」


 調理場からポーシャさんがニコニコと可愛らしい笑顔で顔を出した。ギルドの食堂は格安で食事ができるのが大変ありがたい。


「お金はビョルンさんから貰ってるよ。はい、今日の朝ごはん『ルーンデール・ブレックファースト』だよ!たくさん食べて、たくさんお仕事しようね!」


 さすが商人ギルドのハーフリング。朝からとても働き者だ。私が大きな銀皿を受け取ると、パタパタと慌ただしく他の客のところに駆けていった。


「おはようございます、ビョルンさん」


「……ん」


 ビョルンさんはいつもの食堂の隅で、ちまちまと豆を口に運んでいた。銀皿の中身は大して減っていない。


「お待たせしてすみません」


「待ってなどいない」


 ぶっきらぼうにそう言って、彼はふいと目を逸らした。しかし、彼の傍らに置かれたお茶はとっくに冷えきっているようで、彼がどれほどの時間をこの場所で過ごしたかを示していた。


「素直じゃない人」


 思わず呟くと、ビョルンさんの眉間に濃いシワが寄った。しかしすぐにからかうような目で、こちらを見る。


「ならお前は、ペラペラとよく喋るエルフの方が好みか?」


 今日は冗談を言えるくらい機嫌がいいらしい。大仕事の後だから、口も軽いのだろう。


「いいえ? 私は不器用で無愛想で口下手でもいいですよ。仕事さえしてくれるなら」


 私は行儀悪くテーブルに肘をついて、ビョルンさんの顔を覗き込む。


「まぁ、もう少し可愛げがあれば、仕事も楽しくなりそうですが」


「言ってろ」      


 ビョルンさんは鼻を鳴らしてそっぽを向いた。しかしその耳は少し機嫌良さそうに上がっている。本当に素直じゃない人だ。


「冷めないうちに食え」


「そうですね。いただきます!」    


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ