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第10話 遅刻にお仕置き!(2)

 その夜、何も知らない健人はいつものようにテレビゲームをやっていた。音声は控えめだ。家族の眠りを妨げてはならない。見つかったら、何を言われるかわからない。健人は部屋の明かりを消して楽しんでいた。


 だが、健人は知らない。その後ろにお化けに変身した令太がいる事を。令太はその様子を、目を細めて見ている。やっぱりそうだったのか。これは何とかしないと。情報によると、勉強をあまりせず、宿題を全くやらないという。だらしない日々を送っているな。


「今日もやっとるな・・・」


 だが、健人は全く気付いていない。その後ろに令太がいて、睨んでいるのを。


 もう夜も遅い。僕はもう寝よう。明日の早朝、健人をバズーカに化けて起こすんだ。そう思って、令太は健人の部屋を後にして、自分の部屋に向かった。それでも健人は気づかなかった。


 結局、健人は深夜の2時までテレビゲームをやっていたという。だが、家族は全く注意しなかったそうだ。健人はテレビゲームを消して、いつものように就寝した。明日の朝早く、バズーカで起こされる事を知らずに。




 早朝、健人は寝ていた。いつもこんな感じだ。とてもだらしない生活を送っている。だが、家族は起こそうとしない。遅刻しても全く反省しないのだから、もう放っておこうと思っているようだ。喝を入れなければならないのに。家族はいつも夜遅くまでテレビゲームをやっていて、遅刻ばかりしている健人にあきれていた。手の施しようがないと思っていた。


「まだ寝てんのかな?」


 健人の部屋に、1匹のお化けがやって来た。令太だ。令太は30分ほど前に起きて、お化けに変身してここにやって来た。令太は厳しい表情だ。やはり寝ているようだ。とても幸せそうだ。きっと、テレビゲームの世界にいる夢でも見ているんだろうな。もうすぐバズーカで起こされるというのに。


「寝とる寝とる」


 寝ている健人を見て、令太は少し笑みを浮かべた。これからバズーカに化けて起こそうというのだ。令太はバズーカをイメージした。すると、令太はバズーカに化けた。これで準備は整った。後は発射して起こすだけだ。それでも健人は全く気付かず、起きようとしない。


「ドーン! ドカーン!」


 令太が化けたバズーカは大きな音を立てて発射した。その音と共に、健人は目覚めた。だが、煙だらけで周りが見えない。何が起こったのかわからない。健人は呆然としている。


「えっ・・・、えっ・・・」


 健人は時計を見た。まだ6時30分だ。こんな時間に目が覚めるとは。一体誰がやったんだろうか? 健人は辺りを見渡した。だが、そこには誰もいない。バズーカもない。


 健人は戸惑いつつ、部屋を後にして、1階のダイニングに向かった。ダイニングには両親がいて、純子が朝食を作っている。


 健人はダイニングに入った。眠そうに眼をこすっている。その表情を見て、あまり寝ていないんだろうと思った。


「おはよう、あら、今日は早起きなんやね」


 純子は笑みを浮かべた。今日は遅刻せずに行けそうだ。でも、あまり寝ていないようだな。授業中に居眠りをしないか心配だ。


「うん。バズーカの音で目が覚めたんねん」


 それを聞いて、純子は首をかしげた。そんな音、したかな? そんな音、全くと言っていいほどしなかったけど。


「そんな音、したん?」

「うん」


 純子は思った。誰かが強力な目覚まし時計を仕掛けたんだろう。いつも寝坊、遅刻ばかりの健人を起こそうと思ったんだろう。


「きっと誰かが、強力な目覚ましを仕掛けたんやて。いっつも寝坊して、遅刻してるさかい」


 健人は申し訳ない気持ちになった。自分のためにこんな事をしてくれるとは。


「ごめんなさい・・・」

「今日はちゃんと学校行くんやで」


 純子は厳しい表情だ。きっと、鈴木先生から注意を受けたんだろう。いつも遅刻しているそうだから。


「はーい・・・」


 と、健人は少し眠くなった。それを見て、純子は注意した。


「こら、寝ないの!」

「はい・・・」


 健人は朝食を食べ始めた。だが、食べている途中でも眠くなりそうな時がよく会ったという。純子は不安になった。本当に大丈夫だろうか?




 朝の会の前、健人は遅刻せずに登校してきた。健人を見て、みんな驚いた。いつも遅刻してくる健人が今日は遅刻せずに来ている。文也も戸惑っている。


「おはよう・・・」


 だが、健人は元気がなさそうだ。睡眠不足で頭がぼーっとしているようだ。本当に大丈夫だろうかと健人は思っている。文也は知っている。健人は自分以上にテレビゲームが好きで、やりだしたら止まらないという。きっと、昨日の夜も寝過ごしたんだろう。だけど、今日はどうして遅刻しなかったんだろうか? 母が起こしたんだろうか?


「おはよう。あら、今日は寝坊しなかったんやね」

「うん。早起きしたんで。眠いよ・・・」


 健人は眠たい目をこすっている。そして、元気がない。




 1限目の授業は国語だ。鈴木先生は交代に教科書を読ませている。いつもの授業風景だ。だが、今日は違う。健人がいる。健人は眠たそうだ。授業には参加しているものの、あまり気力がないようだ。うつろうつろになっている。


 突然、健人の机を鈴木先生が叩いた。居眠りしている健人を起こすためだ。


「こらっ、畑中。居眠りすんな!」

「ごめんなさい・・・」


 健人は謝ったが、元気がない。早く授業が終わってほしい。休み時間で寝たいんだ。睡眠が足りないんだ。


 再び鈴木先生が健人の机の近くを歩くと、また寝ている。それを見て、鈴木先生は机を拳で叩いた。


「また寝とる! いい加減にせぇよ!」


 鈴木先生は厳しい表情だ。健人はとても気合が入った。だが、すぐに気力をなくした。やはり寝不足で元気がないようだ。


「すいません・・・」


 生徒はみんな笑っている。健人は恥ずかしそうな表情だ。




 だが、健人はその日の夜もテレビゲームをしていた。今日はいつまでやるんだろうか? また夜遅くまでやるんだろうか? 今度はどんなお仕置きを仕掛けようか? 令太はその様子をじっと見ていた。とても腹立たしい。全く反省していない。そろそろ親が喝を入れなければならないんだろうか? 令太はそう思っていた。


「また懲りずにゲームやっとるな・・・」


 令太は次のお仕置きを考えた。電気を付けたり、ゲームの電源を切ったりしよう。こうすれば怖がるかな? ポルターガイストが起こったら、みんな怖がるだろうから。


「よし! 今度は・・・」


 令太は部屋の明かりのスイッチの前に立ち、明かりをつけた。


「あれっ、電気がついた!」


 突然の出来事に、健人は驚いた。まさか、純子が来たんだろうか? 健人はドアの方を向いたが、誰もいない。一体何だろうか?


 健人は再び明かりを消して、ゲームを始めた。だが、始めようとしたその時、今度はゲーム画面が消えた。


「ゲームも消えた!」


 健人は思った。ひょっとして、ポルターガイストだろうか? まさか、夜遅くまでゲームをするなと言っているみたいだ。


「な、なんや! ポルターガイストかいな?」


 健人は怖くなった。早く寝ないと、とんでもない事になるかもしれない。


「怖い! もう寝よ!」


 健人はそのまま寝入った。その様子を、令太はじっと見ていた。


「よし! 何とか大成功やな」


 令太は健人の部屋を去って、自分の部屋に戻っていった。




 次の夜、令太は健人の部屋をのぞいた。だが、健人は今日もテレビゲームをしている。全く反省していないようだ。それを見て、令太は怒っている。全く反省する気がないな。何とかしないと。


「こんな事してまでも・・・」


 令太は今度のお仕置きを考えた。今度はお化けの冷たい手を伸ばそうと思った。こうすれば、お化けの存在に驚き、寝るだろう。そして、早く寝るだろうな。


「これでもやったる!」


 令太は健人の肩に、お化けの冷たい手を伸ばした。


「うわっ、冷たい!」


 冷気を感じて、健人は震えあがった。まさか、お化け? 早く寝ないと、何をされるかわからない。どうしよう。


「な、何やろ。もう寝よう」


 健人はテレビゲームをやめ、そのまま寝た。その様子を、令太は笑みを浮かべながら見ている。これで反省してくれればいいんだが。

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