↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】ドワーフの最強拳士、エルフの幼女に転生して見た目も最強になる!【しとります】  作者: 呑竜
「第十章:王女の帰還」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
292/340

「冒険の書二百九十一:誰かの視線」

 謎の言葉を発しながらどこかへ飛んでいったチェルチ。

 体調に異常があるようには見えないので、どちらかといえば精神の問題だろう。

 直近で最もあやつに影響を与えただろう事件というと……。


「どう考えても、一連の戦闘の影響だろうな。敵味方の被害で心を病んで、急にわけのわからんことを言い出したり、急に笑い出したり……。最前線の兵士にはよくある現象だ。戻ってきたらもっと優しくしてやろう。肩を組んで、声をかけて、心を解きほぐしてやって……ワシらは仲間だからな。大事にしてやらねばな」


 うむとうなずいているところへ、また誰かが駆けてきた。


「師匠お帰り! よく無事に戻って来られたね!」


 駆けてきたのはルシアンだ。

 ついさっきまで激しい戦いに身を投じていたせいだろう、髪がざんばらに乱れ、全身は返り血だらけと、ひどい見た目をしている。


 美男子であることを鼻にかけていたちょっと前までのこいつなら、慌てて身だしなみを整えていたところだろうが、無骨《ぶこつ》をこそい是《ぜ》とするワシの弟子となった今ではそんなそぶりはまったく見せない。

 戦士らしく、戦いと勝利の興奮で表情を明るくしながら話しかけてくる。


「どうやって泥竜の腹の中から脱出したんだい? けっこう距離が離れていたはずなのに、どこをどうやって僕らに追いつけたんだいっ? ああもう……聞きたいことばっかりだっ。聞きたいことばっかりなんだけど……でも一番は……っ」


 呆れ気味なルシアンの目が、ワシの後ろに座っているワイ助に向いた。

 

「……君、どうやってワイバーンを手懐《てなず》けたんだい?」


 ワイ助の周りにはエルフたちがわらわらと集まっている。


 もちろん物珍しさからではなく、警戒心からだ。

 この場で暴れられたら敵わんとばかりに武器を構えているが、ワイ助が平和そのものといった表情を浮かべ、鼻の頭に蝶々などを乗せているのを見て困惑している様子だ。


「詳しく話すと長くなるのだが……いや、そうでもないか?」


 考えれてみれば、出会ってからまだ一時間も経っていなかったな。

 

「ひと言で言うなら、戦場の絆《きずな》だな。拳を交えたり強敵と共に戦ったりした結果、こうして友になったのだ」


 一度は別れたものの、ワシの危機を助けようと戻ってきてくれた。

 ロック鳥との戦いや翠星宮の崩壊に巻き込まれる危険を冒してまでついてきてくれた。

 もはやただの『乗り物』ではない。今やワイ助は、ワシの大事な友なのだ。


「そ、そんなものかい? そんなことでワイバーンと友だちになれるものかい?」


「なんだったらおまえも今度、乗ってみればいい。体がデカい上に気が利くし頭もいいしで、想像の何倍も乗りやすいぞ」


 困惑するルシアンにワイ助の乗り心地の良さについて話していると……。


「……む、誰かの視線を感じるような?」


 しかも普通ではない。

 強烈な、射貫くような目線を後頭部に感じる。

 誰だと思って振り返ってみると、そこにいたのはイールギットだった。


 ついさっき力を合わせてドロガロンを倒したばかりのかつての仲間が、機嫌の悪い肉食獣みたいな目をこちらに向けている。


「なんだあれ……とてもじゃないが肉親に……孫娘に向けていいような目ではないぞ……って、あ……? そうか、ワシってば……っ?」


 周りに被害を出さずにドロガロンを止めるためとはいえ、ドワーフ時代のノリで合わせ技を使ってしまった。

 ワシとイ(・ ・ ・ ・)ールギット( ・ ・ ・ ・ ・)しか( ・ ・)知らないは( ・ ・ ・ ・ ・)ずの技を( ・ ・ ・ ・)、ディアナ(フィオナ)のままで。


「ううむ、これはまずいことになってしまったかもしれんのう……」


 孫と爺の間に生じた重大な疑義《ぎぎ》に気づいたワシは、ううむと唸った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。