表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
引力と猫の魔法使い [プロトタイプ版]  作者: sawateru
魔法使いと待つ影
67/70

第21話 日高誠と秘密の契約

 伝説のムヒョーマニア、ムヒョ山ニャン子。

 

 六年後の世界で、水鞠と行ったイベントに姿を見せたコスプレーヤーだ。


 六年前といや、第八期「白ねこ海賊ムヒョー」が打ち切られた年でもある。きっと、ムヒョーのアニメが完全終了になった発表があったのだろう。


 それが理由で自暴自棄になり世界を崩壊させようとしていたのなら、頭が狂っているとしか思えない。


 これは俺の勝手な憶測だ。でも、そう考えた方が合点がいく。あの奇妙奇天烈摩訶不思議なキャラクターも説明がつく。


 いや、そんな事を考えている場合じゃ無い。

 仮面の女の気が変わらない内に、早く六年後に戻らないと……! 


 俺は駐輪場の中央に立ち、地下室の封印を解いた。


 いつもの謎解き音が鳴り響く。

 そして地面が割れ、地下室へ繋がる階段が出現した。


 中の倉庫はヒンヤリとしていてカビ臭い。

 俺は真っ二つにされてスクラップ状態になった魔法自転車を運び込み、無造作に並べた。


 そして俺はボロボロになっていた壁を見付けると、ヒビの隙間に手を入れて、ムヒョーストラップを中に隠す。


 六年後、またこの場所へ取りに来る為だ。

 

『来い。土煙田鼈(どえんたがめ)

 物を隠す能力を持つ、巨大タガメを召喚する。


「猫蛙。土煙田鼈(どえんたがめ)の契約を一度解除して、六年後に自動で起動させる事は可能か?」


『やってみよう。元々壊れていたんじゃ。難しくは無い』


 土煙田鼈(どえんたがめ)とは、ここで一旦さよならだ。六年後、また会おう。


 魔法生物に別れを告げ、俺は一人家に向かって夜道を歩き出した。

 

 全てのミッションは終了だ。


 この世界とは、これでお別れだ。思えばこの数日で色んな事があった。


 命懸けだったけど、得る物も多かったし、多くの謎を知る事になった。悪い事だけじゃ無かった。


『誠殿!』

 

 突然、猫目青蛙(ねこめあおがえる)が声を上げる。


 どうした? 何か起きたのか!?


『影が近付いている! 早く家に戻り、眠りに付くのじゃ! 未来に跳ぶぞ!』


「影!?」

 ちょっと待て! 何で影が!? 一体誰が? 何の為に!?


『誠殿を改変しようとする強力な影じゃ! 説明している時間は無い。六年後に跳べば解決出来るはずじゃ!』


 意味が全く分からない。だが俺は猫目青蛙(ねこめあおがえる)の言葉を信じて動いた。


 全速力で走り出す。

 ロータリーを抜け、駅前通りを駆け抜ける。


 ピリピリと皮膚を刺す感覚……。きっと、すぐそこに影が迫っている。


 振り返っても意味は無い。今は早く家に戻り、自分のベッドに入る事が最優先だ。

 

 肺が痛い。息が上がる。足が縺れそうになる。余計な事を考えるな。走る事だけを考えろ。


 一度も立ち止まらずに、どうにか家まで帰り着いた。


 扉は猫目青蛙が開けて待っていてくれていた。速さを維持したまま玄関を突き抜け、家の階段を駆け上がる。


 自分の部屋に入ると、その勢いのままベッドに飛び込んだ。


 そして硬く目を閉じる。


『さあ、この世界ともおさらばじゃ! 行くぞ誠殿!』

 猫目青蛙の声と共に、意識が奥へと引き寄せられて行く。どこまでも落ちて行く様な感覚。


 ああ、このパターンはきっと、あれだ。

 また来ちゃったよ……。そんな気がしていたけど。


 一面が白い壁に囲まれた「白い世界」。


 前に一度来た事がある。ここは俺の中の魔法空間だ。


 先の見えない、どこまでも続く道を歩いて行く。

 何か不安になって来たぞ。


「猫蛙! いるのか?」

 とりあえず呼んでみる。


 すると目の前に謎の扉が出現した。

 木製で、飾り気の無いシンプルなデザインだ。

 

 え? 何だこれ? いきなり出て来たけど……。


 ガチャリと音を立てて開き、中から猫目青蛙が姿を見せる。

『いるよ』


 勝手に部屋を作っちゃてるよ……。

 ハンモッグとかがチラ見えしてたし、かなりの快適空間になっていそうだ。


「猫蛙。本当に俺は六年後の世界に戻れるのか?」


 その言葉に無表情で返す猫目青蛙。

 いきなり素になるとなかなか怖いな。リアルな蛙だし。

 

 しばらくしてからニヤリと不適な笑みを浮かべた。


『多分な』

「多分なの!?」

 ここまで来て多分とか、酷すぎでしょ!


『安心せい。今度こそ上手く行くはずじゃ』

「そうなのか……それなら良かった」


 んん? 今何て言った? 「今度こそ」って……?

 

『今回で七回目のチャレンジじゃ』


 な……? え!? どういう事!?


『今までに誠殿は六回失敗しておる。ちなみに三回死んでる』

「死んでたの俺!? 三回も!?」


『協会の魔法士に捕まったりな。じゃが、色々あって時間が引き戻され、その度に誠殿はやり直していたのじゃ』


 嘘だろ……。知らない間にループしていたのかよ俺……。


『重傷は二回。他にコトリと綿貫が死んだのは一回。何故かコードネーム「演奏者」が四回死んでおる』


「何で橘辰吉が四回死んでるの!? 死ぬ要素どこにあった!?」

 

 いや、そんな事よりも、何で俺がループなんてしていたんだよ。

 まさかそれも……?


「俺の魔法の力なのか?」

『それも一部ある。じゃが、最後に追いかけて来た、あの影の能力による影響が大きい。その力を利用したからこそ行き着いた今がある』


 どうやら知らない所で超展開になっていたらしい。もう、こうなったら訳が分からない。


 だから、これ以上何も考えない事にする。


『おお。そうじゃ。六年後に飛ぶ前に、やっておく事があったワイ。これをしなくて一回エライ目にあった』

 そう言って猫目青蛙(ねこめあおがえる)は白い空間をノックした。


 すると、ドアがいきなり現れ、中からもう一体の猫目青蛙(ねこめあおがえる)が出て来た。


猫目青蛙(ねこめあおがえる)が……二体!?」


『ワシが六年前の世界で出会った猫目青蛙(ねこめあおがえる)。中から出て来たのが六年後の猫目青蛙(ねこめあおがえる)じゃ』


 んん……? 意味が分からないぞ。


『誠殿と猫目青蛙(ねこめあおがえる)は六年前の世界で初めて出会った。その事実を作る為に六年後の猫目青蛙(ねこめあおがえる)は魔法空間の別室に隠れ続けていたのじゃよ』


 魔法生物には時間の概念が無い。影響を受けない存在だ。過去の世界で火喰甲魚(ひくいこうぎょ)を召喚出来たのもそれが理由だ。


「じゃあ、前に未来の猫蛙と通信していたのは……」


『実際はこの扉の中に居た、未来のワシと交信していたのじゃ。今から一つになり、記憶を共有する』

  

 んん……!?

 分かった様な、分からない様な……。説明が着く様な、着かないような……。


 そうだ。アレだな!


 深い事を考えるのは止めた。つまりは、そう言う事らしい。


『よし、合体するぞ! トオッ!』

 そう言って空高くジャンプする猫蛙。

 複雑怪奇な変形をし、上半身に姿を変えた。


『おお!』

 そう応えたのは扉から出て来た未来の猫蛙だ。続けて飛び上がり、頭が割れ、謎の変形を繰り返すと、下半身に姿を変える。


『超! カエル合体!』


 謎の合体BGMが流れ始めた。

 俺の頭上で、猫目青蛙の分離した上半身と下半身が、空中で火花を散らしながら浮遊している。


 あまりの雑なビジュアルに、俺は呆然とそれを眺めるしか無い。


 その隣では猫目青蛙(ねこめあおがえる)がフムフムといった表情で見上げていた。


「三体目 !?」


 何で猫蛙が俺の隣に居るの!?


『あれはイメージじゃ。実はもう、一つになっていました』

「紛らわしい事するなよ! じっくり見ちゃったよ!」


 料理番組でよく見る「十分後の状態がこちらです」みたいな事やめろ! 面倒臭いから!


『フオオ! キタキタ!』

 突然震え出す猫蛙。

 過去と未来の猫蛙が一つになった事で、記憶の引き継ぎが開始されているらしい。


『おお……コトリ……大きくなったのう』


『綿貫! あいつまた太りやがって……。なんじゃ!? 結局、水鞠家の従者になったのか! ワシの誘いを断った癖に!』


『はああ〜。そうかそうか。魔法花火を無事に打ち上げたんじゃな? 良かった! 本当に良かった!』

 

 喜んだり怒ったり、泣いたり忙しい。

 孫娘の水鞠コトリの事が心配で仕方がなかったらしい。ポロポロと涙を流す。


『誠殿。お主のお陰でコトリが立ち直った様じゃな。礼を言う』


「俺は何もしていないですよ。助けて貰ったのは俺の方です」


『お主がそう言うならそうしておこう。だが礼はさせてくれ』

 そう言って手を差し出して来た。


『さあ。契約するがいい。この水鞠七兵衛の最高傑作、猫目青蛙(ねこめあおがえる)と』

 

 その言葉に衝撃が走った。冷や汗が額を伝う。


「契約……? 俺と……!?」


 嘘だろ……。


 まだ契約してなかったのかよ俺……。

 とっくの前に契約したかと思ってたよ!


 最悪だよ……。みんなにドヤ顔で「猫目青蛙(ねこめあおがえる)は俺の契約下にある」って嘘ついちゃったよ。何か恥ずかしい!


 勝手に出て来て具材のエビをバリバリ食べていた辺りから「おや?」とは思っていたけどさ……。もっと早く言ってよ……。


「だったら契約するのは俺じゃ無い。水鞠コトリと契約すべきだろ」

 喜び泣く姿が簡単に想像出来るぞ。それは水鞠七兵衛が望んでいた事だろう。


 だが猫蛙は首を横に振る。


『コトリはもう、ワシが居なくてもやって行ける。誠殿がいる。頼りになる仲間達もいる。今更ワシが出て行っても甘えて来るだけじゃ』


「あ──……」

 そう言われてみれば、水鞠の奴、既に綿貫さんに頼りまくっているからな。


 猫蛙と祖父が一度に復活したらどうなるか想像に容易い。


 ん? て、事は……。

「じゃ、何か? 俺と契約して、水鞠にはそれを内緒にしろって言うのか?」


『そう言う事じゃ。既に魔法士協会本部では、猫目青蛙(ねこめあおがえる)は消滅した事になっている。その方が都合がいい。当主は魔法士協会に嘘の報告が出来ない掟だしな。安心しろ。誠殿との契約は他人にはバレ無い様にする』


 とんでもない奴だ。


 でも、この提案を拒否する気は無い。

 水鞠の側に居られるのなら、俺は何だってするつもりだ。


 俺は蛙型魔法生物の手を取り、硬く握手を交わした。そしてその言葉を唱える。


『俺と契約してくれ。猫目青蛙』


 眩い光が包み込む。白い世界は、ゆっくりと閉ざされて行った。


 



 どの位時間が経ったのかは分からない。


 一瞬だった気がするし、長い間の様な気もする。


 目を開けると、自分のベッドの上で横になっていた。


 異変にはすぐに気付いた。


 身体が十六歳に戻っている。部屋も六年後の状態だ。


 俺は戻って来たんだ。元の世界に。


「良かった……」

 自然と涙がこぼれ落ちていた。


 元の世界に戻る事を、どこかで疑っていたのかも知れない。頭で考えるよりも先に、身体が反応してしまっていた。


 泣いている場合じゃない。

 俺はベッドに転がっていたスマホを手に取り、履歴から水鞠の名前を探す。


 違う。水鞠と話す前にやっておく事があった。先に回収しておきたい物がある。


 俺はすぐに家を飛び出し、自転車で駅へ向かった。時間はまだ十六時だ。陽はまだ高く、太陽の光りが照りつける。


「居るのか? 猫蛙!」


 本当に居るのか不安になったので呼んでみた。


『心配するな。ちゃんと居るぞ』

 半透明のイメージ映像がヒョッコリと現れ、前カゴにスポッと入った。


 召喚した状態で無くても会話が出来るらしい。本当に規格外の魔法生物だ。


「水鞠の記憶は戻らないんだよな?」

 六年前、俺に猫目青蛙(ねこめあおがえる)を引き渡した時の記憶だ。はっきりさせておかないと、話が通じなくなる。

 

『コトリの記憶は消えたままにしてある。これからの事を考えると、そのままの方がいいじゃろう。他の一部の人間は、かなり前から記憶が戻っているな』

 綿貫さんは俺の事を知っていた。いつかは分からないが、記憶が戻っていたんだ。


『フムフム。従者に関しては誠殿が六年前に移動する前後に戻っている様じゃな。人によってタイムラグがあるみたいじゃ』


 恐らく、鳥の魔法使い、橘辰吉は六年前に移動する直前に思い出したんだ。


 だから慌てて窓ガラスを割って俺の部屋に侵入して来たのだろう。そしてヒントを残して行った。


 て事は、真壁スズカもそうなのか。お互いの過去を知っているってのも、何か照れるな。どんな顔して再会すりゃいいんだよ……。


 後は桐生だ。


 俺はアイツに会いたい。復帰した桐生家にはどうやって行ったらいいんだ? 連絡方法を教えて貰わないと。


 駅のロータリーに入り、駐輪場に到着した。

 建物が新しくなった事を忘れていて、一瞬だけ驚く。それと同時に、寂しさを覚えてしまった。


 入口から中へ進み、地下室の封印を解く。

 煙が巻き起こり、地下へ続く階段が姿を見せる。


 すぐには降りない。

 俺は右手に魔力を込め、立体魔法陣を作り出した。


土煙田鼈(どえんたがめ)。俺と契約してくれ』

 契約の言葉を口にすると、煙が逆再生の様にひと塊に纏まって行く。


 やがてそれは、巨大なタガメに変化した。今にも消えそうな程に魔力は痩せ細っている。


「六年間ありがとうな。土煙田鼈(どえんたがめ)。俺の事を覚えているか?」


 緑色の目が点滅を繰り返す。機械音と共に両腕を振り上げた。


「俺の中でゆっくり休んでくれ。生みの親も一緒にいるぞ」

 土煙田鼈(どえんたがめ)は光に包まれ、俺の魔法空間の中へ消えて行った。


 契約は完了している。だが喚びだせる様になるまでには時間がかかりそうだ。


 俺は気持ちを切り替え、視線を階段に向けた。足元を確かめながら、地下に降りて行く。


 倉庫の室内はもぬけの殻だ。俺が六年前に隠した魔法自転車はもう無い。橘辰吉の指示で、解析の為に水鞠家が持ち帰っていたからだ。


 俺は地下室の奥まで進み、ボロボロの壁の隙間に手を入れた。そして六年前に隠した物を取り出す。


「あったよ……。ムヒョーストラップ……」


 水鞠コトリから数時間前に貰ったプレゼントは、六年の時間を越えて今、この手の中にある。


 俺はスマホを尻ポケットから取り出し、ストラップを取り付けた。

   

 白くて半裸で無表情。生米大好き猫妖怪は、人の苦労も知らないで、気持ち良さそうにブラブラと揺れている。


 水鞠がこれを渡して来た時、すぐにスマホに着けろと言っていたっけ。


 ああ、人のお願いってヤツは後回しにするものじゃないな。六年もかかっちゃったよ……。


 これで全てが元に戻った。

 俺は戻って来れたんだ。


 やっと心の底から実感した。



 

 俺は駐輪場を出て、駅のロータリーに出た。夕方の帰宅時間になる前で、人はまだ疎だ。


 家に戻るまで我慢出来ない。水鞠に電話だ。

 俺は道の端に立ち、スマホを取り出した。


 あれ? ……えっと、何を話せばいいんだ?


 あれだけ話がしたかったのに、いざとなったら内容が思い付かない。


 しかも相手は六年前に出会った記憶を失っているのだ。俺一人だけテンションが高い人になりそうだし、話もダダ滑りしそうだ。


 いや、それでもいい。構わない。


 俺の恥ずかしい部分を水鞠に見せてやるぜ。今の俺には怖い物は無いのだ! 変態野郎と言われても「そうですが何か」と言い切ってやんよ。


 ……そんな覚悟をして、通話履歴から水鞠の番号を探し、タップした。


 …………ん?


 あれ? おかしいな。もう一度繰り返してみる。…………あれ? 何で?




「電話が繋がらない……」


 


 晴れていた夏の夕空が一転、暗闇に染まる。

 張り付く空気。歪む世界。


 ピリピリと皮膚を刺す、独特の感覚……。


 人は消え去り、俺の居る駅前ロータリーは、黒いカーテンに覆われてしまった。


 道の幅は何倍にも拡張され、とてつもなく広い空間に改変されている。


 ロータリーの反対側にあるバス停に、黒い霧が生まれた。それは次第に人の形に変化して行く。


「影だ……」

 逃れられない。俺はこの空間に捕縛されている。


 俺は、あの影を知っている。


 それが何故だか分からない。ただ、分かってしまうのだ。


 あれは六年前、俺を改変しようと追いかけて来ていた「影」だ。


 待っていたんだ俺を。


 六年の間──ずっと。

 猫目青蛙との契約シーンは、「ムヒョーダイレクト」に流れていたPVと同じシチュエーションになっています。


 ループの話は完全版として書くのか、四章以降に組み込むかはまだ決めていません。


 次回、三章クライマックスとなります。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ