表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
からくり競艇〜サラリーマン、魂のフルスロットル〜  作者: 水前寺鯉太郎
SG挑戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/48

第42話:『片手の復讐者・G3東雲杯の罠』

復帰戦の舞台は、皮肉にも東雲グループがスポンサーを務める**『G3東雲エナジー特別競走』**。

平和島のピットは、異様な緊張感に包まれていた。

「……佐伯さん。無理だけはしないで」

古閑まきこが心配そうに健太の左肩に手を置く。右腕は特製のカーボン製サポーターで胸に固定されているが、健太の眼光は既に勝負師のそれだった。

「……フガッ! フガッ!!」

スエもまた、健太の決意を察し、鋭い牙を剥いて対戦相手のピットを睨みつける。

東雲の刺客:『死神の3号機』

対戦相手は、東雲が極秘に育成した闇レーサー、蛇崩じゃくずれ連。

彼の乗る3号機には、福岡で大破したケルベロスの技術を転用した「高出力・違法マブイ・コンプレッサー」が搭載されていた。

「……佐伯、片手でレースとは舐められたものだ。その左腕、二度と動かなくしてやるよ」

蛇崩の背後から、禍々しい黒いオーラが立ち昇る。

スタート:片手三指の閃光

「レディー、ゴーッ!!」

大時計がゼロを刻む。

健太の左手、人差し指と親指がレバーを弾く。

奥義:『単腕一閃シングル・フラッシュ』。

「……な、何だと!? 片手であのタイミングを……!」

実況席の古閑が叫ぶ。健太はコンマ01のタッチスタート。片手操縦による「余計な動きの排除」が、逆に極限の反応速度を生んでいた。

1マーク:暗黒の激突

1コースを死守する健太に対し、3コースから蛇崩が狂気の「ツケマイ(体当たり旋回)」を仕掛ける。

蛇崩の機体から放たれる違法マブイの衝撃波が、健太のハヤブサを襲う。

「消えろ、亡霊ッ!!」

ボート同士が接触し、凄まじい火花が散る。右腕が使えない健太にとって、右側からの衝撃は致命的――。

「……スエッ!! 今だッ!!」

「ワンッ!!」

健太の足の間で、スエが全体重を左側に移動させ、同時に健太も左足を踏ん張って機体を強引に左へ傾斜させた。

『人犬一体・片手旋回』。

蛇崩の衝撃波を、健太は機体をあえて「潜らせる」ことで受け流し、その反動を利用して最短コースを突き抜けた。

「……馬鹿な! 物理法則を無視した旋回だと!?」

決着:強制捜査のチェッカー

バックストレッチ。健太のハヤブサが加速する。

左腕一本でハンドルを固定し、蛇崩の追撃を一切許さない。

「……蛇崩。お前の走りは『不正支出』だ。……ここで、差し押さえる」

健太がゴールラインを駆け抜けた瞬間、会場の大型ビジョンが突如切り替わった。

そこには、古閑まきこがリークした「東雲グループの不正送金証拠」と、今まさに特捜部が東雲本社に踏み込むLIVE映像が映し出されていた。

「……な、何だこれはッ!?」

蛇崩が呆然と立ち尽くす中、健太は左手を高く突き上げた。

「……東雲グループ、最終決算……。……『破産ゲームオーバー』だ」

ピットに戻った健太を、スエが全力のペロペロで迎える。

そして、その光景をモニターで見守っていた麗華が、一人静かに微笑んだ。

「……お帰りなさい、佐伯健太。……次は、私の番よ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ