外科の新人の歩み42 話し合い
土曜日の夜から店長の実家に泊まり、日曜日は定食屋さんを手伝う。
事前に連絡を入れていた同僚と彼がお店にやってくると、3人で味噌カツ定食を食べて、マンションに戻ってきた。
外科の新人「ねえ、彼女。お風呂でやり過ぎたって、落ち込んでたよ。友達が喜んでくれるのが嬉しかったからって。。フォローしてあげて。」
同僚「えっ?確かに突然でびっくりしたけど。。何がなんだか分からない感じで。。放心状態になってもずっと。。あんなの味わったら。。来週もお願いするつもり。」
外科の新人「なんだ。良かった。ちょっと心配したわ。なんかお疲れねー。早めに寝ますか。」
同僚「そうね。私、明日病院に辞める話するわ。」
外科の新人「そう。転職先は言ったらダメだよ。部長に迷惑がかかるから。」
同僚「言わないよ。それは分かってる。ねえ、あなた彼と上手くいってるの?」
外科の新人「土日ラブラブだったよ。何で?」
同僚「そう。。それならいいわ。」
同僚は、先日の部長への愛してるが気になったが、この子らしいジョークなんだな。と納得してお風呂に入っていった。外科の新人もお風呂に入り、お風呂を洗うと、楽しく談笑しながら眠っていった。
朝、出勤すると今日は内科の新人の彼の担当看護師になった。
次々と手際良く患者さんの対応すると11時には患者さんが空になった。
先生「なんか忙しいなー。検査待ちも短いし。。」
外科の新人「終わりかな?。。彼女でも見てきたら?」
先生「ああ、マロンケーキ。美味しかったよ。」
外科の新人「どっちが良かった?」
先生「んー。甲乙つけがたいね。両方美味しかった。」
外科の新人「彼女。お家でデートしましたか?」
先生「しばらく部屋にいたけど。。両親と楽しそうにやってたよ。夜4人で話をして送ったよ。」
外科の新人「先生。家に泊めないと。」
先生「それは。。」
外科の新人「私は彼の実家で土日過ごしたよ。いつ結婚ですか?」
先生「12月に両家で話し合って決めるつもり。」
先輩看護師「先生。他の先生の新規患者さん。先生に回していいでしょうか?」
先生「ああ。大丈夫ですよ。」
外科の新人「病状見せて下さい。」
先生「骨折か、捻挫だな。。」
外科の新人「CT撮ります?」
先生「レントゲンでいいと思うけど。どうして?」
外科の新人「CTのほうが病院儲かると思って。。」
先生「えっ!君そんなことまで考えてたの。過剰検査じゃないかな。」
外科の新人「症状あるんだから、本人の希望に沿えばいいんじゃないですかね?」
午前の診察を終えると理事長室に向かう。
理事長「おはよう。君の友人。辞めるんだね。」
外科の新人「ああ。報告来たんだ。」
理事長「本人とも話をしたよ。体調が悪かったみたいだな。。」
外科の新人「夜勤でリズム狂うとダメって。。かなり辛そうだった。」
理事長「優秀だったけど。。仕方ないね。まあ、結婚とかで半分はいなくなる想定で雇用しているけど。痛いな。。目の前にも辞めそうな人がいるし。」
外科の新人「私はいいでしょう!みんなで要らないって押し付け合いしたんでしょう?」
理事長「まあ、君の成績は悲惨だったからな。けど、婦長と外科部長だけ、間違いなく化けるってな。。君のせいだよ。」
外科の新人「何がよ。」
理事長「あまりに一生懸命な婦長を見て惚れたんだ。」
外科の新人「へー。愛のキューピットか。婦長どうするんです?赤ちゃん出来たらって悩んでた。副理事長にしたら?」
理事長「結婚して副理事長はあからさまだろう。」
外科の新人「それ、結果でしょう。仕事ぶりで副理事長にしたいのでしょう?先に副理事長にしたら?。。結局噂になるか。。いや、いいのよ。副理事長の仕事が凄かったら問題ないわ。」
理事長「普通の看護師や医師は理事長の仕事なんて理解してないよ。酒飲んで遊んでると思ってるよ。」
外科の新人「看護師に手出して火遊びしてるのなら知ってるけど。。」
理事長「いやいや。待ってよ。彼女が家庭で悩んでたから。。火遊びじゃないよ。彼女に迫られて。。まあ、言われたら火遊びかもしれないけど。。」
外科の新人「分かってますよ。ねえ、そういえばさー。彼がね。南の歯医者さん。看護師の顔や容姿がみんな似てて。医師と寝るのが採用条件じゃないかって。。」
理事長「街医者なら、そういうのあり得るな。ハーレムか。。でも看護師可哀想だな。嫌われたら終わりだろう?仲間同士でどんな会話してるのかな。。」
外科の新人「普通の病院より給料高いのかな?」
理事長「腕が良くても嫌だな。その女のためのお金を払っているんだろう?ワンマン経営は経営者がしっかりしてないと。。」
外科の新人「病院辞めたら面接受けてみようかな?」
理事長「面接では言わないだろう。」
外科の新人「まあ。私では受からないから本当のことは分からないわね。そろそろ戻ります。」
理事長「昼食ありがとうね。」
午後からは手術の連続。部長がお休みのため、内科の新人の彼とばかりになった。
先生「君。手際良すぎるから、早く終わるから困るよ。」
外科の新人「ごめんなさい。今日用事あるから出しゃばっちゃって。時間空いたから巡回してこよ。先生。勉強したら?デートの時間増えるでしょう?では、失礼します。」
先生「しかし。。あんなに凄かったかな?結婚出来るの彼女のおかげだし。。従うのが正解だな。」
1日の業務を終えると、内容が内容だけに、先日勝負した料亭で部長と密会した。
部長「今後の話って。。ここを選ぶということは秘密の話だよな。」
外科の新人「はい。今生理中で、終わったらと思いましたが誕生日祝いしてもらうと。。なんか雰囲気で。部長の次女鋭いから。。来月からのほうがいいかなって。部長、期待してる感じだし、先延ばしも。。」
部長「まあ。。むちゃくちゃ忙しいから。確かに君のことを考えると。。気持ちが。。でも年明けからのほうがいいと思う。年内は病院に籍があるから病院でバレたら、君が困るから。」
外科の新人「なるほど。。納得します。それでお願いします。あの、一応私の考えを正確に伝えておきたかったから改めてお話しする機会をお願いしました。。あの。私ずいぶん考えましたが。2番目の約束は守るというか、2番目じゃないと誰も幸せにはならないのは分かってます。私だけかも知れませんが。。どうしても会っている最中だけは部長が一番になります。それは防げないと思いました。もちろんそれは、会っている時だけですから。」
部長「当然私も考えたさ。全く同じ結論だよ。」
外科の新人「愛する人の子を妊娠したい。だからそれしかなかった。彼に問題なかったら。。私は。結局悩んだと思う。自分の気持ちに素直になって。みんな幸せなら。。あっ。勘違いしないで下さいね。赤ちゃん作るのが目的ではありません。愛し合った結果赤ちゃんですから。。だから。。あの。赤ちゃん出来やすい日だけとは。。その。。彼が優先ですが、そうじゃない時も。。ただ、出来やすい日は私から誘います。けど愛してるなら。。他の日は部長から。。そういう気持ちです。」
部長「そうか。。赤ちゃんが大前提だと思っていた。。分かった。素直に愛していいんだな。。この話はさすがに2人だけの秘密にすべきじゃないか?」
外科の新人「それは。。間違いないです。部長にあんなに一生懸命教わったら。。気持ちに素直で幸せになるのは。。これしか。。」
部長「私はずっと妻一筋だった。立場もあるとお金も増える。何人も看護師や医師から誘惑はされたよ。だが、全く相手にしなかった。。君の一生懸命な姿と看護師の誇りに人間として惚れた。だから特訓もしたさ。。だが、いつしか。。ダメと分かっていても。。特訓の最終日に抱きつかれた時に。。もう抑えられないと思った。妻への罪悪感もあった。この形しか気持ちを。。もちろん。君達の幸せを一番願うのは変わらない。だが、君と愛し合うのは。。心が求めてしまう。家族といる時は全く考えない。病院で一緒に働いても結構考えない。だが、1人になると。。君のことを考えてしまうのは事実だ。」
外科の新人「私も同じですよ。好きになってしまったから。。ただ、友人のこと考えたりは多いですけどね。約束する時だけ感情入れないで業務的にメールしましょう。その代わり会っている時だけ一番にします。。あの、出来たら。。やがて赤ちゃん満たされても。。目的を果たしても。。一番の時は許されるなら続けたい。」
部長「愛は形がないからね。信じ合うことしかない。だから、どちらか死ぬまで続いたら最高だと思う。」
外科の新人「やっぱり。。もう我慢出来ない!。。すぐにでも。。」
部長「今回は誕生日祝いをするんだ。悟られる。子供達もいるんだ。避けよう。さて帰ろうか。関係はイメージと少し違ったけど。希望していた以上だった。納得しました。夜は危ない。送るよ。」
外科の新人「どうかよろしくお願いします。」
会計を済まし、出口に近づく。
理事長「おや?こんなところで珍しい。」
部長「理事長!」
理事長「なんだ2人か。こんな高い店で?」
外科の新人「えっ。。あ、あの、私の誕生日祝いをしてくれるって。。ここ高いんですか!知らなかった。彼の料理のほうが上だから。。そうなんだ。。高いんだ。ねえ、部長良かったの?」
部長「君の貢献考えたらこれくらいしないとダメだと思ったからな。」
理事長「部長。貸せ。病院同士の重要な会合だ。経費で処理するよ。」
部長「いや、しかし。」
理事長「いいから!新入社員にごちそうになったんだぞ?その代わり部長の支払いで定食屋さんの2回目頼むよ。」
部長「はい。分かりました。月内に何とか。来週で調整します。」
理事長「来週。月曜日か木曜日かな?頼むよ。君の送別会かな。。出来れば辞めた後も続いてほしい会だがな。」
外科の新人「もちろんですよ。」
理事長「じゃあ、行くよ。」
部長の車に乗り込む。
部長「いや〜。頭が真っ白になって言葉が出なかった。君は凄いな。」
外科の新人「私も。偶然思いついただけ。。やっぱり、気をつけないとダメですね。2人だけの秘密は特に。」
部長「経験ないから。。でも理解した。」
外科の新人「ねえ。キスは?」
部長「お前な。今、危なかったのに。。」
外科の新人「それもそうね。2人だけの秘密は外では見せてはいけないね。けどさー。部長が愛してるって要求したから同僚が怪しんでたんだから。あれダメだからね!」
部長「悪かったよ。気持ち隠さなくて良くなったから、つい。もうしない。」
外科の新人「送ってくれてありがとう。でも、伝えられるのは幸せよ。答えられない場合もあるけど。。でも、やらないほうがいいわね。うわっ!同僚が。。」
同僚「あれ?確か部長休みだったわよね。」
外科の新人「部長。開業頑張って下さいね!愛してる!」
部長「お前な!全く。。ありがとうな。頑張るよ。ああ、来月、給料とか話し合いたいんだが。」
同僚「はい!是非。」
外科の新人「だったら訳アリで。。男子禁制マンションで密会にしましょう。また連絡します。気をつけて帰って下さい。」
同僚「お気をつけて。」
同僚「何食べたの?」
外科の新人「居酒屋よ。送別会だから、私が払ったし。来月、ほとんど有給みたいだし、開業で忙しいらしいから。早めにね。」
同僚「そっか。。夕食無しか。」
外科の新人「ごめん。言い忘れてたわ。今週木曜日も彼と食べるから。」
同僚「そう。私も彼と食べるわ。」
外科の新人「パスタが賞味期限近かったな。作るか!」
同僚「ナポリタン!」
外科の新人「分かったわよ。あなた料理大丈夫?花嫁修業したら?せっかく腕のいい友人いるのに。」
同僚「そっか。。金曜日。教えてもらうわ。」
外科の新人の作るナポリタンスパゲッティを幸せそうに食べる同僚だった。




