外科の新人の歩み37 新しい家族
早番が終わるとすぐに店長の店を訪ねる外科の新人。今日は部長一家のおもてなしのために店長の買い出しに同行する。
店長「おかえり。さあ、行こうか。」
外科の新人「うん。」
店長の車に乗り込もうとすると店長が声をかける。
店長「おーい。今日はこっち。営業車。」
外科の新人「えっ。そうなの。」
車に乗り込む。
外科の新人「なんで今日はこっちなの?」
店長「高級車で行くと印象良くないでしょう?それに、あっちでは荷物が乗らないんだよ。」
外科の新人「あっちのほうがデカいじゃない。」
店長「荷物乗せるなら圧倒的に軽自動車だよ。しかし、そろそろ手放そうかな。」
外科の新人「どうして?」
店長「家族で乗るならワンボックスカーのほうがいいよ。」
外科の新人「私。あれ思い出なのよねー。お金持ちって噂じゃない。3台にしたら?」
店長「もったいないだろう。あれ売ればワンボックスカーがタダで手に入る。それに、いつか壊れるから。」
外科の新人「そうね!ショーケースの初音ミクのフィギュアがあれば思い出としては十分よね。時間ないから行きましょう。」
店長「海の幸と。。牛肉。。」
外科の新人「ねえ、秋田こまち。」
店長「おお、忘れてたよ。それ一番大事だね。」
2人はいろいろ買って車に運ぶ。
外科の新人「本当だ!軽自動車って。いっぱい入るねー。ねえ、見たこともない香辛料とか買ったね。使い方も分からなかったなー。」
店長「ほら。あれだけ買って35000円だよ?料亭の半額以下だ。6人分なんだよ?」
外科の新人「本当にあの料亭より美味しいの?」
店長「家庭の調理器具だと微妙かもね。」
2人は部長宅に到着した。
外科の新人「うわー。お金持ちって感じねー。」
店長「そりゃそうだろう。」
部長「いや〜。わざわざ妻のわがままですまないね〜。」
外科の新人「部長。お金持ってるな〜。」
部長「こんなのにお金使わないで病院に使えば良かったよ。また借金生活だよ。ローンの抵当に入ってる。」
店長「すぐに取り返すでしょう。」
部長「だといいんだがね。」
店長「こいつが、取り返すんじゃないですか?」
奥さま「わざわざお越しいただきありがとうございます。」
外科の新人「素敵なお庭ですね〜。手入れが行き届いていて。。」
部長「さあ。入って下さい。」
外科の新人と2人で食材を運ぶと、キッチンに通される。
店長「うわー。これは凄いわ〜。」
外科の新人「広い!ねえ。ガスないよ?」
店長「オール電化だよ。昔のオール電化とは違うからガスよりいいと思う。これなら料亭には勝てそうだ。」
長女「こんにちは〜。」
次女「テレビで見たことあるよ?凄い!マロンケーキの人だ!」
娘達は興味津々のようだ。
奥さま「あなた達。邪魔しないの!」
次女「ねえ、彼女なの?」
外科の新人「えっ。まあ。。」
次女「いいな〜。」
部長「あのな。どっちも素敵なんだよ!お前もこういう女性になりなさい。」
次女「あれ?お父さん。なんか怪しいな〜。」
奥さま「コラ!座ってなさい。邪魔しないの!」
次女「はあい。」
一通り顔合わせし、店長は料理を始める。外科の新人が見たことのない調理方法で、手伝い方も分からない。
外科の新人「ねえ。ごはんは。。今からだと1時間後だけど。」
店長「そうだな。。そろそろ始めてくれないか。」
外科の新人「分かった。」
外科の新人はいつもの要領で米をセットする。
店長「ちょっと待って?えーと。。この設定だな。炊いて。」
外科の新人「分かった。えっ!45分だよ。間に合う?」
店長「合わせるから。ああ、最初の料理運んで。」
外科の新人「分かっ。。何これ!あなた凄いわね。」
店長「僕らは後半からね。」
外科の新人「分かった。運ぶね。」
外科の新人「お待たせ致しました。最初の料理になります。」
次女「うわー。美味しそう。」
奥さま「あなた達は?」
外科の新人「おもてなしですから、後半だけの予定です。私も彼が凄すぎてついていけないから。。どうしたらいいか良く分かりません。」
長女「こんなの食べたことない!」
次女「凄いよ。」
部長「えっ!。。いや〜。言うだけのことあるな〜。」
奥さま「これは凄いわ!なんて素敵なの!」
外科の新人「ねえねえ、いい反応だよ。これは?」
店長「海の幸のパスタ。後に極上のごはんがあるから、少なめ。後半は定食みたいにするから。」
外科の新人「あっ!お父さんにトレー借りたの!」
店長「そうだよ。サラダと味噌汁は定食屋と全く同じ味にする。」
外科の新人「だったら、私が作るわ。ねえ何定食?」
店長「店にはない。ステーキ定食かな?パスタ運んで!あと2品出したら定食だ。」
外科の新人「海の幸のパスタ?だそうです。お皿お下げしますね。」
次女「美味しそう!」
皿洗いをする外科の新人。
店長「おい。次の料理の次がマロンケーキ?だ。」
外科の新人「えっ!。。洗ったらすぐ作るわ。」
店長「じゃあ、次は僕が運ぶよ。調理頼むよ。そうめんは、ゆでたからね。」
店長が、料理を運んで談笑する間に外科の新人がマロンケーキ?を作る。
店長「出来た?」
外科の新人「うん。もう少し。。ああ、サラダと味噌汁は完了よ。ドレッシングは無理だから任せる。」
店長「皿が片付いてるのか。相変わらず器用だね。今日のドレッシングは特別だから大丈夫だよ。すぐ作るよ。ごはんあと10分か。。あと5分したらステーキ始める。定食だけ、一緒に食べよう。」
外科の新人「分かったわ。出来たよ!」
店長「運んで。」
外科の新人「お待たせしました。」
次女「あーっ。騙されたやつ!」
部長「彼女の作品だ。定食屋さんの看板メニューになったらしいよ。」
長女「すごーい。料理人は何年なんですか?」
奥さま「あなた、勘違いしてるわよ。看護師さん。料理人じゃないから。」
長女「ウソ!すごーい。」
次女「つまり。。パパの女なの!」
部長「い、いや。あのな?彼の婚約者なんだぞ?」
次女「えーっ!看護師はみんな部長が手出してるんでしょう?病院ってそういうところなんでしょう。」
奥さま「そんなはずないでしょう!あなたどんなイメージなのよ。」
長女「そんなのハーレムでもないじゃない。毎日違う女でも1週間じゃあ足りないよ?」
部長「お前は、医師をなんだと思ってるんだ。いったいどんなイメージなんだ。」
次女「診察終わると。。お尻触って。イチャイチャして。手術台で。。キャ~。」
外科の新人「あのー。。食事中なのでやめておきますが。。心停止の人を蘇生しながら、手術して。。恐ろしい緊張感なの。」
部長「昨日はさすがにダメだと思ったよ。君の蘇生で繋がったからな。あまりの疲労で立ち上がることが出来なかったくらいなんだ。彼女があんな動けないなんて初めて見たよ。」
外科の新人「今日意識回復してましたよ。脳は何とか機能は失わなかったみたいです。」
部長「それは良かった。もう無理かな?って思ったぐらいギリギリだったからな。だかな、内科の子はあれより遥かに絶望的だったんだ。まだ入って間もない先生だけが諦めなくて。。みるみる周りが変わった。あれは私にも君にも出来ない。」
次女「あの。。ごめんなさい。でも、すごくカッコいいです。」
外科の新人「そう?あなたのお父様ほどではないと思いますよ。私、指示に従っただけ。救ったのはお父様ですから。」
長女「お父さん。すごーい。」
何か言いたげな部長は言葉をのみ込む。外科の新人は戻るとごはんの蒸らしに入る。
店長「ベストタイミングだな。ステーキのせる。ソースかけたら。メインディッシュのごはんだ。」
外科の新人「ごはんがメインディッシュ?」
店長「当たり前だろう。」
外科の新人「そんなわけないでしょう。よーし。ごはんいくよ。」
店長「頼む。運び始めるよ。」
6人分を運び、2人も座ったところで奥さまが「さあ、食べましょう。」と言う。
全員でステーキ定食を食べる。
長女「うわっ!すごい。」
奥さま「ち、ちょっと。家の炊飯器だよね!こんなごはん作れるの!店長すごいわ。。」
部長「たぶん。。店長はステーキ。ごはんは看護師さん。おい。これはヤバいな。」
長女「看護師さんが!。。あなたどうしたの?泣いてるの?」
次女「すごい。すごーい。」
外科の新人「うわっ。むっちゃ美味い!炊飯器違うとこんなに?」
店長「これはすごいなー。言っただろう。やっぱりメインディッシュはごはんじゃないか。」
奥さま「看護師さん。炊き方教えて。お願い!」
外科の新人「はい。ただ、炊飯器がいいからみたい。」
奥さま「そんなはずがないわ。私が炊いたのとは、まるで違う。ねえ、お願い!教わらないと主人取られちゃう。」
長女「えっ?こんなお母さん。。初めて見た。」
食事が終わると、ごはんの炊き方を必死で聞く奥さまの横で特製マロンケーキを作る店長。
テーブルに並ぶケーキを口にすると、あまりの美味しさに笑顔になる。
店長「おもてなしは以上になります。費用は料亭の3分の1くらいじゃないでしょうか?つまり、あの店は利益取りすぎです。材料も大したことはありませんでしたから。。いずれダメになるでしょう。高いのがウリなのは分かりますが味が価格に見合っていない。」
部長「凄かった。たしかに料亭なんか話にならない。。びっくりしたよ。」
奥さま「あなた、これ以上頑張らないとね。。あっ。」
部長「そ、そうだな。開業を何としても。。」
次女「お姉さん。お父さんの病院に来ないの?」
外科の新人「えっ。。ああ、彼の赤ちゃんが出来たら移りたいと思ってます。」
次女「お父さん。絶対に囲わないとダメよ。」
部長「ああ、思い出した!理事長が君を婦長にしようとしてた。本気みたいだぞ。」
奥さま「凄いわね!かなり若いじゃない。看護師何年なの?」
外科の新人「えーと。。6?いや7ヶ月かな?」
奥さま「えーっ。婦長候補なの!それは凄いわね。そんなになの?」
部長「今や、病院一の看護師だ。まだ外科しか知らない。いずれ全員知るだろう。」
外科の新人「いや、それはマズいな。。早めに辞める話をするか。赤ちゃん作るか。。どうしよう。辞めれなくなると困る。」
長女「嫌なんですか?」
外科の新人「私は部長に育てられたから、部長の病院で働きたい。。いや〜婦長はマズいなー。これは困ったなー。」
奥さま「赤ちゃん簡単に出来ないから、別の作戦考えたほうがいいわよ。」
次女「お父さんと不倫して、バレるってどう?」
奥さま「あ、あのねえ。さっきから、あんたいい加減にしなさい!」
次女「ごめんなさい。そんなに怒らなくても。。」
店長「こんな時間!そろそろ帰ります。」
部長「いや〜。本当に素晴らしい料理をありがとうございました。」
笑顔で全員に見送られ帰宅する2人。
外科の新人「ねえ。あの次女は危ないわね。ナチュラルに確信突く。気をつけないとヤバそう。」
店長「奥さまも、ボロ出しそうだったし。まあまあ怖かった。最後のほうは下手に話すと危ないと思ったよ。早めに引き上げないとヤバそうだった。」
外科の新人「しかし。。看護師みんな部長に抱かれてるって、どんなイメージよ。」
店長「でもさー。分かる気がする。僕が行く歯医者さん。みんな好みの看護師ばかりだな〜って思ってたけどね。気づいたんだよ。」
外科の新人「何?」
店長「スタイルや髪型、顔がみんな似ててね。みんな綺麗と最初思ったけど。。医師に抱かれてるんだって思ったんだ。医師に抱かれて気に入った看護師が採用だと思うんだ。」
外科の新人「そんなことある?どこよ。私、行って聞いてくるわ。」
店長「本当だったらどうするの!ケーキ屋の南の歯医者。」
外科の新人「あそこ!試しに行ってみようかな?」
店長「聞いてどうするの。誰も得しないよ?今日はお疲れ様。」
外科の新人「楽しかったよ。ねえ、相談してからだけど12月末の生理か、次の生理から。赤ちゃん。。本当にいいよね?」
店長「もちろんだよ。」
外科の新人「あの。愛してるのはあなただからね。」
店長「分かってるよ。大丈夫だから。」
外科の新人「もう!そうじゃない!あの。。だ、抱いてほしくて我慢出来ないの!」
店長「ああ、ごめん。良かったら寄っていかない?」
外科の新人「うん!」
2人は激しく愛し合ったようだ。




