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シンカータイカー   作者: よぐると
コアセンド王国編
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第78話 一寸先は闇

 巨人がカイや魔人のいる部屋に来る前。


 カイは地下に囚われている魔人だけの地下の大空洞に流れ着き、囚われている魔人の7871と出会った。

 そして脱出のため、一緒に遥か上の窓の付近まで歩いてきて、見上げていた。


「随分と高い場所にある窓じゃ。

 跳ぶには無理があるのう。」

「出られるはずがない。みんな此処で見上げて終わっていくんだ。」


 ネガティブな発言にもカイは諦めなかった。

 

「わしには刀がある。これが決定的な差じゃろ。」

「刀って。その長さで窓を割るなんてできないよ。」


 呆れた様子で7871はカイの刀を見ていた。


 

「へー?いい感じの物をもってんじゃねぇか?」


 立ち尽くしていると、後ろから男に声をかけられる。

 そこには、後頭部から伸びる黒いサソリの尾がある男がいた。

 背は比較的高くなく、目線もカイより少し高い程度だった。

 彼の好ましくない態度からカイは感圧感を感じ取れる。


「わしに用か?」

「ちんけな奴の隣にいるのは、よく見れば人間じゃないか。

 久々に見た新人が人間だったなんてな。

 お前、その刀をくれよ。どーせ弱いからここに放り込まれたんだろ?

 俺がしっかり使ってやる。」


 カイの刀に強引に手を伸ばす。

 すかさずカイは彼の手を掴んで、進行を阻止する。


「あ?」


 片眉を歪めて気悪そうにサソリ男は反応する。


「わしが助けよう言うちょるのに、おどれは何しとんじゃ!」

「は・・・、は?な、なんだよ。助けるだと?」


 カイの怒声に体をのけぞった男。


「ああ、そうじゃ。」

「お前は面白いな!

 その刀でか?へへ、生かしてやるよ。」


 サソリ男は立場知らずで消えていった。


「カイ、大丈夫だったの?

 結構あいつは危ないよ。」


 先ほどのサソリ男は7871によると、変身系「(サソリ)」のジュルグ=チャグロ。

 だいたいの魔人がやつれている中で、普通の体格を保っている。


 ジュルグはだいたい一人で彷徨っていて、人々に当たっては脅すを繰り返している。

 後頭部から伸びるサソリの尻尾をチラつかせ、気に食わない奴には毒を浴びせる悪行を繰り返してきた。

 今回は、カイの威勢に体勢を崩されたので、ヘラヘラしながら退散したようだった。


「毒で死んだ奴はいるんじゃろうか?」

「んー。何人か、かな?地位を保つために少しだけ。

 まあ、その現場をアイツに見られたら何が起きるかわからないけどね。」


 アイツとは黒い巨人のことだろう。


「死んだ奴はどこにいくんじゃ?放置か?」


 カイは死人になぜだか、こだわって聞いた。


「いや、一応葬儀場みたいなのはあるけど、ただただ死体が積まれているだけ。

 どうしてそんなこと聞くの?」

「ん?どうしてじゃろうか?わしにもわからん。」

「じゃあ、行ってみようか。」


 7871はカイが行きたいとも言っていないのに、墓場であろう場所にぎこちなく歩き始めた。

 カイは7871の歩き方が気になって、背負ってその場所に行くことにした。

 7871の道案内に従って歩き続けると、壁にトンネルがあった。


「この先で俺らの最後が見れるよ。」


 カイは何も言わずに、暗いトンネルを通り抜ける。

 トンネルを通っている間は、カイの足音と服が擦れる音だけで、さっきまでいた場所よりも静かだった。

 墓場に相応しく静か。


 その墓場というのは、聞きにした死体や骸骨が積み重なっていた。

 更に空洞の上からは光が差し込んでいた。日ではない。

 人工的な光だった。温かみは一才ない。

 光の先は見えないが、照明の光だろう。


「これだけだよ。俺の最後、か・・・。」


 7871はため息をつく様に、その光を見上げていた。


「ん?なんか降ってくるよ!」


 その何かに指を指し、カイに言った。

 カイも見上げる。

 

「あれは・・・。リテルか?」


 リテルがサイダンと一緒に落下してきていた。

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