第77話 互いの目的
右腕を失い、巨人はゼヴァとセバスチョーを執拗に攻撃する。
空振りの殴りは躊躇いもなく壁に当たり、壁は凹む。
左腕しか無いおかげで、ゼヴァは完全に掴まれる前に手から逃げることができる。
リテルを信用して逃げながら戦うことになる。
セバスチョーはゼヴァの前を飛行し、道を先導する。
それを追いかける巨人は感情的になっている。
「お前は、なぜ、戻ってきた!
私がどれほど、やってきた、と思っている?!
もう、滅茶苦茶だ!」
おそらくセバスチョーに言った。
セバスチョーは振り返らず、巨人の言葉に反応しない。
「ギョウコソウチヲオネガイシマス!」
ゼヴァはセバスチョーの指示で、凝固装置を巨人の足元に向かって投げつけた。
巨人は追うことに夢中で、装置への対処ができずに金属の地面と足が凍ってしまった。
両足は動けず、巨人は前へ転倒する。
すると、セバスチョーはすぐに角を曲がり、巨人からの目視を断つ。
セバスチョーはゼヴァに作戦を伝えて、セバスチョーが囮となって、わざと巨人に見つかりやすい場所で待機した。
ゼヴァはここでセバスチョーと別れる。
そして巨人は凝固装置の対応を終えて、セバスチョーと角の先で出会う。
巨人はハットを被り直して、セバスチョーに近づいてくる。
「なぜ、羽を休めている?そんなに、面白いか?私を、嘲笑って、いるのか?
知っている、はずだろう。」
少しずつ、少しずつ、壁伝いに迫る。
少し頭が冷えたのか、口調は荒くなくなった。
「もう、ここまで、堕ちたからには、守るモノは何も、ない。」
失望した巨人はセバスチョーを追いかけずに、別の角を曲がった。
「ナニ?!」
セバスチョーは囮となって、ゼヴァの時間を稼ぐために足止めをするはずが、巨人が追ってこないので、計画が崩れてしまった。
巨人が向かう方向はゼヴァが進んだ道と同じ道。
セバスチョーは走り去っていく巨人を追う。
その先ではゼヴァが計画を進めるためにムロフを探していた。
「ムロフー!ホールン!」
通路を走りながら探し回っていると、後ろから地下を揺らしながら迫ってきた。
身を縮めて、過ぎ去るのを待つ。
巨人はゼヴァには気づかず、どこかに向かって一直線に行った。
巨人の後を少し追うと、巨人が通風口の中に入っていくのを目撃した。
ゼヴァはムロフを探しているが、それはセバスチョーが引きつけて計画通りにした場合で、今は失敗と判断し、切り替えてゼヴァは巨人が通り抜けていった通風口に、体を融解して入った。
危険な行動だけど、掴まれても抜け出せるゼヴァは構わず行った。
この通風口は一直線ですぐに抜けた。
抜けた先では、一つの部屋と割れたガラスが飛び散っていた。
割れたガラスの先は巨人とたくさんの魔人が見える大きな空間の場所だった。




