第68話 坑道アビス
「毒ガス専業されど、臭いまでは対応できないぞ!」
薄暗い坑道で叫ぶ毒に耐性のある業者達。
前に、任務所で出会ったことがある3人の業者。
毒ガスの対処として呼ばれてコアセンド王国へ訪れたのだが、ひどい悪臭に苦しんでいる。
鼻をつまんでも、すでに鼻の中で悪臭が蔓延している。
リーダー・ボル、コンパニオン・レードル、コジアの計3人。
「あー!臭い臭い!臭せーんなら先に言っとけよ!
坑道じゃなくて誰かの肛門だろ、ここ!」
「リーダー落ち着いて。今回は支給されたこの消臭兵器で臭いの根源を消して、毒ガスを抜き取るだけだ。前回の魔物がいたあれよりはマシ。」
愚痴を言いながら坑道の奥へ進む。
その内、臭いは強くなってくる。鼻にツンと刺激される。
「お、ガスの流れが溜まってきたな。」
「ああ、ここらでボールを投げておこう。」
消臭兵器を壁に投げつけた。
その衝撃で消臭兵器は起動し、薄桃色かかった煙が坑道を埋めた。
煙がこの好ましくない臭いを淘汰した。
「よし、ガス抜きに移行。吸引開始!」
バキュームのような専門の機械で有害なガスを坑道から抜き去る。
坑道の空気がその機械に動かされ、無害な空気が循環する。
「やっぱこの爽快がたまんねぇな!」
次々と吸い込まれる毒ガス。3機のバキュームは好調に稼働し、嫌な霧を纏っていた坑道は澄んだ空気へと一変した。
これにて我々の仕事は完了した。
もう地上へ戻ってもいいのだが、こんなに大きな坑道を見たことがなかったので、少しかじって探索してみた。
大きくくり掘られた坑道では「カラカラ、カラカラ。」と木製の鈴が小刻みに鳴るような音が響いていた。人間が少しの期間いなくなった間に、動物が住み着いたのだろうか。
音の数から、2から3匹ぐらいが想像できる。
リーダー・ボルの興味でその方向へ進む。
遂にそこの右角を曲がれば、その姿を見届けることができるだろうと、頭をそろりと覗かせた。
そこには二足歩行の小さな生物が2匹いた。同じような体を持っているが、乾いた土で作られた仮面のような物で顔を覆っていた。
思わず「え?!」っと声が漏れた。
ボルの存在に気づいたその2匹はカラカラと鳴らしながら、坑道の迷路へと姿を消した。
「リーダー?何か見つかりました?」
レードルが腰を抜かしているところのボルを見つけた。
「え?いや?あの?!」
「何言ってんだ?ほら迷子にならない内に帰りますよ。」
ボルはなんの理解もできないまま、震える足で地上へ戻った。




