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シンカータイカー   作者: よぐると
コアセンド王国編
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第66話 命を懸ける価値

侵入した魔人の視点です。

 呼吸と鼓動の音が耳元で聞こえる。

 二人の足音がすぐ後ろで聞こえる。


 僕は建物の影へ逃げた。

 そして同じく二人も同じ道に入ってくる。


 僕は壁に張り付き、見失った僕にキョロキョロと戸惑っているところを後ろからやった。



 魔人、変身系 隠爬(シャドウタイル)

 トカゲのような体を持つ魔人。


 僕は絶対にあると確信している。

 

 僕にとって今はデリケートな状態だ。慎重に事を進める。

 地に突っ伏している二人を道の奥へと引きずり、二人の胸ポケットから計2枚のカードを手に入れた。


「これが、あの言ってたカードか・・・。

 これで入ることができるんだよな・・・?」


 検査官が持っている城壁通過カード。

 王国を取り囲む城壁の中から、地下を通って中に入る。


 僕は影伝いに目的の扉の前まで移動し、人目を盗んで中へ入った。

 扉の先には階段があった。

 一段一段と降りる度にカンカンと鳴る金属音。

 長い通路を渡る。

 幸い、誰とも会わずにタワーの地下前へ着いた。

 ここら辺はやけに冷たい風が配管から冷や汗を撫でる。


 すると通路の奥から足音が鳴る。

 身を隠すために天井のくぼみに引っ付き、通り過ぎるのを待つ。


 近づいてくるのは革靴のような音ではなく、素足で歩いている音だった。

 ペタペタではないが、質量を感じる音だった。



 その足音はさらに近づき、真っ黒の生き物が僕の真下を通った。

 思わず声が漏れるところだった。

 その真っ黒な生き物は何かボソボソと呟いていた。


「また・・・できた。

 けど・・・そとは・・・?」


 聞き取れたものを解いてみるが何を言っているのかわからなかった。


 その生き物が角を曲がり、姿も足音も消えた。

 

 あんなのがこの地下にいたのか・・・?

 魔人か?人か?見た目だけで判断できない。

 敵意は向いていないだろうが、異彩な体がおぞましく感じる。

 あんなのに追いかけ回されるなんてごめんだ。

 

 天井を伝って移動することにした。

 タワーの地下に来た途端、道が枝のように別れ出した。

 コネルギを溜めているタンクの貯蔵室、ずっと稼働している機械達ばかりで見える色は少なかった。


 地下一階層は主に貯蔵室が主題の階だった。

 僕はまた階段を降りた。

 2階層ではずっと長い通路に小さな車輪の着いたアルミの机が通路端で置かれていた。

 その机達の上で誰かに書き留められた紙を見つけた。

 おそらくレポートのような物だ。


研究レポート

題:Nvの性質

レポート3

実験対象:Nv


 抽出したNvと化学物質の反応を調べた。金属類、水溶液類、さらに魔法まで。

 まず我々の予想通り、Crとの反応はなかった。そして金属との反応がなかったことから、金属容器で保管することが可能だとわかった。それから常温の水に溶かしたところ、色は薄まり沈澱することはなかった。何度も異なるものと組み合わせた結果、氷水につけた際に反応を見せた。常温水で見た色より黄色の色彩が極度に薄まった。更に弱めの氷魔法を受けた際には急激に凍った。

 どうやらNvは低温度になった際には壊れてしまうそうだ。



 Nvってなんだ?

 この名詞のせいで内容の理解ができない。

 こんなものに目を通していると時間が奪われてしまった。

 数秒でも惜しい。

 僕は更に奥へ進む。

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