第65話 コネルギの技術
2頭の鳥獣 ミミ・ムグーを討伐したリテル達は任務所に入った後、武器屋に向かった。
それはホールンの相談からだった。
「鳥獣と戦って思ったんだけど、僕、まともな武器持ってないんだけど。
腰に携えているツルを切ったりできるナイフぐらい。
何か自分を守る物が欲しい。」
「あー、確かにそうだな。特性頼りじゃ敵わない相手も出てくるだろうし。」
ということで武器屋に入った。
この武器屋は鍛冶屋と繋がっていて、素材さえあれば作ってくれる。
ただ主に機械など使うので職人に作ってもらいたいなら別の所を訪れろだと。
安定した武器を作るのには良いらしい。
武器屋の店主はとてもおおらかな人だった。
太い腕とずっしりとした図体が安心感を与えてくれる。
「旅の相棒は運命を共にするだろう。
相棒が死ねばお前も死ぬ。相棒が生きればお前も生きる。
じっくり選ぶことを薦めるぞ?」
中に入るなり、武器の種類には驚いた。
旅人の数ほど武器があるように、沢山の武器が壁や床に立てかけてある。
眺めていると、奇妙に武器の刃の部分が本体と割れている武器を何個も見かけた。
「これ、壊れてるよ。」
ホールンがそう言うと、店主は笑って答えた。
「それは壊れているんじゃねぇ。
交換部分さ。」
どうやら、剥がれている刃はコネルギを通して一つの武器になるそうで、複雑な物や大きな物は費用がかかるので、刃が欠けても取り替えられるようになっている。
コネルギ同士の接続は固い。
セバスチョーにも同じ原理が働いている。
「コネルギはただのコネクトパーツじゃない。
コネルギ自体に原動エネルギーがあって、電気のような働きもする。
それを武器に組み込めば、変形や可動式の武器になっちまう優れた材料さ。
まあ、弱点もあるがな。」
ホールンは改めてそれらの武器を見る。
壊れて見えていた武器は見違えるように変わり、なんだかかっこよく見えてきた。
それから手に取ったのは「層盾」というコネルギを活用した盾である。
コネルギによる硬い膜が盾として機能し、それは何度でも身を守るための盾が再生する。
「剣とか、槍とかじゃないのか?
なぜ盾を?」
「やっぱり僕は守る方が上手く動ける気がするんだ。
誰も死なないなら、勝てると思っているんだ。どんな相手にでも。」
ホールンは層盾を収めた。
店主はリテルの肩を見て言った。
「ん、セバスチョーか。
そりゃ便利な物を持ってんな。
そいつはコネルギを大量には作れないが、盾の充電程度には役立つだろうな。」
リテル達は盾を手に入れ、武器屋を出た。
「満喫できているか?」とばったりとあった青フード。
「・・・見てないうちにセバスチョーを雇ったのか。
どういう訳かわからないが、恵まれたパターンだ。」
会って早々に、勃発する事件。
不正侵入者と連呼され呼ばれている誰かが前の道を走っていた。
どうやらそれは魔人で、秩序を守る検査官が追っているようだ。
カイが足を踏み出そうとした瞬間、青フードはカイの腕を掴んだ。
「なんじゃ!おどれ。」
手を振り払おうと振るが、がっちりと掴まれた腕はびくともしなかった。
貧弱そうな細身からは想像できない力だった。
「わかっている。その正義心。
でも今じゃない。」
「ワカッテナイー、ワカッテナイー。」とセバスチョーは騒ぐ。
セバスチョーの口は指ですぐに閉じられた。
カイには彼の発言が理解できなかった。
いや、みんなできなかった。
でも彼のことを否定することもできなかった。
正しい選択ではないはずなのに・・・。
魔人と検査官の背中を見送るだけだった。




