第62話 執事、セバスチョー
気がつけばリテルは宿のベットで目を覚ました。
ベットの周りにはみんながいた。
昼頃の暖かい陽光がリテルを窓から照らす。
「起きたか!リテル。」
リテルはここでまた気絶したかとわかった。
「急に倒れてもうたから、驚いたんじゃが。
体調はどうじゃ?一日寝たきりじゃったぞ。」
「大丈夫。なんとも。
ただの疲れだ。」
みんなは胸に手を当てて安堵した。
リテルはみんなを見ていると、見慣れない物を身につけているシャッツに尋ねた。
シャッツが耳に当てているのはコネルギを動力源として機能する道具だった。
使用者を中心に使用者以外に電撃を放つことができる。
一度でコネルギは底を尽きるが、充填すれば再使用することができる。
水流と電撃を組み合わせた攻撃ができると思って貰ったそうだ。
「イジョー、ナシ!ヨシ!
イジョー、ナシ!」
リテルの背後から聞き慣れないアホ高い声が聞こえた。
すぐさま、声の主を見たと思えば、そこには人語を喋る小鳥がいた。
思わず声が筒抜けてしまった。
「キモ!」
「キモクナイ!キモクナイイ!」
リテルの耳をその鳥は啄んできた。
サイダンが笑ってそれについて説明してくれた。
この鳥は自立型の鳥型ロボット、「セバスチョー」。
目が大きく、青い羽を持つ。
体の関節の継ぎ目はコネルギで繋がっていて、可動域と伸縮性が高い。
主に治療を行ってくれるロボットで、原動力はコネルギだが、食べ物を与えることで充電することができる。
「治療してくれてたのか。ありがとな。」
「ソノトーリ!」
「あれ?でも二つもらっていないか?」
シャッツのゴーグルとセバスチョーを見てリテルは気がついた。
「セバスチョーは詫びの物だって。」
「だからか。」
リテルは服を着直し、起き上がると、右肩にセバスチョーが乗った。
機械なのに意外と軽いと感じながら、宿を出た。
旅人が二つ目に行くべき場所といえば、旅人任務所である。
旅人任務所は極獣や害獣、魔物、王国の依頼が集まる場所。
リテル達は南へ下り、コアセンド旅人任務所へと向かった。
そこへ入ると少数の二組の旅人団がいた。
一方はカードゲームを、もう一方は何かを話していた。
中央にある受付までに来ると、いくつかの任務があった。
・アンドライス大鉱脈採掘場のガス抜き
・コネルギ教習会
・極獣 鳥獣 ミミ・ムグーの討伐
この三つだった。
「この鉱脈のガス抜きって何だ?」
シャッツが問う。
「ソレハ・・・。」
「それはだな!」
セバスチョーの話の腰を折って、カードゲームをしながら任務所で待機していた一人の旅人団が言った。
「この任務は主に業者の任務だ。
そしてこれは毒とガスに耐性のある我々が引き受けるためにある任務。」
突然の解説に戸惑っていたリテル達。
すると同じくカードゲームを楽しんでいた小太りの男が現れた。
「急に迫っちゃ引かれちまう。
自慢げに話してるけど、毒ガス業者はそこまで誇れる仕事じゃねぇ。
すまんな、旅の者よ。
あとリーダー、負けそうだから逃げる理由をあの手この手で使いおって。
戻るぞ。」
「カエレ、カエレ!」
教えてくれた礼をする前に、そのリーダーと呼ばれる人は引き止めてきた人に連れて行かれた。
詳しいことを教えてくれるのはありがたかったんだけどなー・・・。
そしてコネルギ教習会とはこの王国の象徴でもあるコネルギの歴史や性質を教えてくれるそうだ。
それから極獣の討伐。
これは北側の山で報告された鳥獣だそうだ。
種を掘り返す習性があり、森の繁栄を阻害するため、討伐依頼が出された。
旅人といえば極獣狩りだろとシャッツが言い出して、その極獣討伐の依頼を受けることになった。




