第61話 チック・ザ・マン
管理室にて彼らの計画を拒絶したテクトは、バリアの中に閉じ込められているレーレと共に入り口を閉じられ、真っ黒の謎の生命体との死闘となった。
「お前等の計画に携わるつもりはない!外道なんかに!」
テクトは強く吐き捨てた。
すると漆黒を宿すそいつはキョロキョロと少し目を泳がす。
「それは、残念、です。」
そいつはテクトを襲った。
生命か疑わしい姿をしながら、己の意思を持って行動している。
意表をつく動きを時たま挟んでくる。
銃で交戦を試みるが、なんとも硬いゴムのような体でまともに当たっているのか見受けられない。
まるで俺を殺すために作られた生き物だ。
例えあの計画に同意したとしても、同じ結末だろう。
ならば、俺を100%始末するために作られた部屋と生き物。
俺の知り得ている全ては対策されている。
だがそれ以外は対応が貧弱になっているはずだ。
予測のされていないそれを作ればいい。
娘を救えるなら滅茶苦茶になったっていい。
テクトは呼び寄せるだけの金属を集結させた。
壁に張り付いた鉄板は姿を変え、大きな銃へと変貌を遂げた。
自身が扱う最も大きな銃、テクノキャノン。
銃身の先から引き金まで、たっぷりの大爆発を含む火薬を充填。
銃弾は金属を丸めた物を二弾。
一つは鋭く皮膚を破るための弾を、後に連続して放たれる弾には極限の火力を。
「目の前にあるんだ。従う訳ないだろ?!
ジャッジリジェクト!」
テクトは引き金が壊れるぐらいの引きで、トリガーを倒した。
すると轟音と共に煙が立ち込め、二発の弾が発射された後に巨大な銃は大破した。
テクトは今の衝動で体力を根こそぎ消費。
痰絡む喉を飲み込み、何度か大きく肩で呼吸をした。
休めたのも束の間。
立った煙から奴の黒い手がテクトの全身を握った。
手も外に出せず、足は足掻くこともできない。
窒息しそうな胸苦しさにもがいていると、地面へと叩きつけられ、安否が確かになることはなかった。
管理室の一角から終始彼を見ていた髭男。
彼の真髄である造銃があれほどまでに完成していたとは、驚いた。
そしてアイツがそれに耐えていることにも、また驚かされた。
さて、回収しよう。
「“チック・ザ・マン”。彼をCルームへ。」




