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シンカータイカー   作者: よぐると
コアセンド王国編
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第60話 未来のためならどんな手も

 気球へ乗り込み、西から東へとこのパヨーロ大陸を移動したオイカゼ旅人団。

 行き着いた先は世界の技術が集結した王国、コアセンド王国。

 入国し、宿で食事を終えて遂に王国の散策。

 リテル達は伸び上がる構造物を見上げていると、再びあの青いフードの男と遭遇した。


「コアセンド王国はどうだ?何日も滞在したくなるだろ?」


 快適さは群を抜いて飛び出ている。食事も楽しいこともある。

 ただ、緑がないことはナンセンスかなとリテルは思った。


「まぁ確かに、ここにいて不便はなさそうだな。」

「そうだろう。

 おっと、そうそう。この先の突き当たりを左へ、そこに旅に役立つ物が沢山ある。値段は相応の価値だが、寄ることを推奨する。」


 青フードはまた一言を残して去った。

 都合良く出会うことに少し奇妙に思うが、彼が示したその場所へ足を運んだ。


 行き着いた先は日陰に隠れた突き当たりに存在する店。

 人気は少なく、配管作業中の人が一人いるだけだった。

 不穏に感じながらも店の扉を開けた。

 開けた瞬間、目に入ったのは旅の防具でも盾でもなくメカニカルな小道具だった。

 店主であろう女性は不思議にリテル達を睨んでくる。

 

「旅人か?あんた等。」

 

 汚れのついた作業服を着たその女性はリテル達に高圧的に問いかけた。

 俺は少し動揺しながら頷いた。


「目新しい少年少女の旅人か。

 記事で見たことはある。」

「それがどうした?」

「一つ、タダでくれてやる。

 だけど条件はある。絶対に有名になること、だ。」


 条件の言葉を聞いて身構えた時、のちに続く言葉に気が抜けた。


「有名になってくれれば、私の店は株が上がる。

 貧乏臭いか?いいだろあんた等の何かが減るもんじゃないし。

 さ、とっとと一つ選びな。」


 リテル達は解放され、やっと道具に辿り着いた。

 手袋のような物、ゴーグルのような物を目にしながら選んでいる途中、パシャリと、音と一緒に一瞬閃光が店を照らした。


 するとリテルの視界は歪み、再び強い光がフラッシュバックする。


「おい!あんt・・・ー。」


 名も知れない女性が慌てて駆けつける姿を最後にリテルは意識を失った。




 視点はテクトに移る。

 コアセンド王国の中央に存在するタワーに招待されたテクトロジー旅人団。

 タワーへの道を歩いている最中だった。


「テクト、お前だけ中に呼ばれたのか?」

「ああ、もしかするとかなり時間がかかるかもしれない。」

「気にすんなよ。いくらでも待ってやる。」


 テクトらはタワーへ到着し、テクトだけ中へ入っていった。

 

 テクトがここへ呼ばれた理由はまだ自分でもわからない。

 来いと告げられただけだったからだ。


 中へ入ると、そこには律儀に整った案内人がいた。

 彼女は「こちらへ。」と通る声を一言だけ放ち、道の奥へ進んで行った。

 テクトは無愛想だなと思いつつ、彼女の後に続いた。

 静かな廊下で機械が稼働する音と彼女とテクト二人の足音が響く。

 そして彼女は重厚感のある扉の前で止まり、掌をその扉の方へ指し示した。


 テクトが案内されたその扉を開けると、複数のモニターの前にグレーの髭を下げた男が背を向けて立っていた。


 テクトは初めて見る機械の壁に囲まれた大部屋に内心、驚いている。


「ここはコアセンド王国の核。管理室(コアルーム)

 全てを司る場所がここさ。」


 ここが管理室(コアルーム)だったのか・・・。

 耳で聞いたことはあった。こんな場所だったとは・・・。


「で?俺をここへ呼んだ理由は?」

「コアセンド王国の未来に関わる話だ。」

「俺は後継者にもならないし、開発にも関わらない。」

「それは・・・残念だ。」


 と、男が言うと、指を鳴らした。

 次の瞬間、機械が扉のように開き、中からは機械に包まれ、目を瞑ったレーレの姿が。

 テクトは思わず、鳥肌がたった。


 そこにいる。


 テクトはレーレの元へ走り駆け寄った。

 レーレへ手を伸ばすと、半透明な壁に遮られた。


「これでも、か・・・?

 お前は後継者にならn・・・。」


 男の頬を銃弾がかする。

 男は片手で側にあった物に寄りかかった。


「わかった。

 引き下がれないぞ。」


 男の威圧のある声がテクトに降り注いだ。

 それでもテクトは屈せずそのバリアに向かって造銃で生成した銃弾を連射した。


 しかし一切を持って、そのコアセンド王国の技術で作られたバリアを砕くことはできなかった。

 

「くそ!何なんだ。」


 テクトは無我夢中で銃を放っていたそのとき、背中から悍ましい気配を感じた。

 本能的に、テクトはそこから離れた。


 テクトが離れたあと、振り返ると、黒い大きな影が聳え立っていた。

 いつの間にかあの髭男はおらず、まるでこいつとの闘技場に置き換わっているようだった。


 漆黒の体に、黒いハット帽子、首元でゆらゆら揺れる黒いネクタイ。

 その中で唯一光っている緑の目が不気味さを醸し出す。


「テクト=ムハンマド、ワタシの計画に、協力、して、くれ、ますか?」


 顔を前に乗り出し、ぎこちなく、無機質で抑揚のない声がテクトに問う。

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