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シンカータイカー   作者: よぐると
コアセンド王国編
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第59話 空を飛んで行先に

 ロス・ガデーンズ王国を出て、今度は迷うことなく庭林を脱出した。

 庭林を抜けた先では、丘の上に巨大な気球が顔を出した。

 気を引かれたリテル達は近づいた。


 どうやらコアセンド王国への気球だそうだ。

 この気球はコアセンド王国の技術をふんだんに活用し、通常の何倍もの重さを運ぶことができる。

 主に旅人を手伝ったり、時に物の運搬をするそうだ。

 気球はここが最後に停留する場所で、次に離陸するときはコアセンド王国へ行くと、気球の前に佇んでいた男は言った。

 その男は青いフードを深く被っていて、目元は薄暗く、愛想もなかった。

 このフード男もコアセンド王国へ向かうために、この気球へ乗るそうだ。


「コアセンド王国か・・・。良い機会だし乗ってみる?」


 リテルは皆んなに聞いた。

 シャッツは即座に賛成した。カイも他もついでついでに賛成した。


 気球に馬車を乗せ、オイカゼ旅人団は気球へ乗り込んだ。


「せい!」


 大きな掛け声が気球を揺らすと遂に離陸した。

 初めて地面を見下ろす感覚にサイダンは外へと顔を出す。


「おいおい。顔を出してると頭が吹き飛ぶぞ。」


 この気球の船員がサイダンに言った。

 ぶつかってくる鳥に当たると危ないことを言っているのだろうか。

 特に怒鳴っている様子でもないのでサイダンはゆっくり頭を引っ込めた。


 その船員は部屋へ帰ると同時に交代するように先ほどの青フードが来た。


「君達はコアセンド王国に行く理由はあるのかい?」


 特に理由はないため、興味本位で乗ったと告げた。

 次に青フードに質問した。


「なぜこれを被っているのか?

 これを着ていると遠くがよく見えるんだ。」

「メガネは?」

「僕が見ているのはもっと遠くだ。ずっと遠く。」


 そこでサイダンは聞いた。


「この空から下を見たら全部観れるの?」

「それは見れないかな・・・。」


 遠くが見えているのか見えていないのか、真相はわかならい。

 名前も聞けず、どこかへ消えてしまった。



 空の旅を満喫していると、案外早く王国に到着した。

 空から見たコアセンド王国は架空の都市のように見えた。

 今目の前にあることが信じられなかった。

 夜に闇はないと思える王国だった。

 最近では「コネルギ」という新たなエネルギーを開発し、導入したらしく更に発展したそうだ。

 

 王国に入る際、少し厳しめの検査をするそうだ。

 リテル、カイ、ホールン、ムロフは難なく突破したが、シャッツ、ゼヴァ、サイダンは少し時間を取られてしまった。

 原因は魔人だからだった。

 シャッツらはまだ理性が高い方の魔人だから入国できたものの、理性や知性が低い魔人は国内の繊細な場所で暴れないよう、入国を拒否しているそうだ。

 政府所属の重要な王国だからこそ魔人に対して、区別が取り入れられている。

 

 やはり人間と魔人の間にはまだ壁が残っている。

 シャッツ達を待っている間でもそれは見られた。

 一人の魔人が自分よりも感性の高い魔人がここへ入るのを見たと、その不公平さに怒鳴っていた。

 門の前にいる人は魔人の王国への容疑を否認していて、追い出されていた。



 入国後、王国と外を隔てる分厚い壁を通り抜けた先、リテル達は近未来の王国の姿に速攻で驚いた。

 配線の中で緑に輝くコネルギとやらが幻想的な王国を引き立たせている。

 高い建物がリテル達を囲い、見慣れない物を身につけている人々がいた。

 一生をここで過ごして、外を見向きもしない大人も少なくない。

 何の仕事をするのかはっきりしているし、娯楽も絶えることはない。

 森や鉱山、川に隣接する完結型王国と言うに相応しい。

 

 リテル達は王国内を歩き、宿に向かった。

 宿の看板も派手に色付いていて、中は広く、どこからか寒くも暑くもない適温が流れてくる。

 普通の旅ができなくなりそうだった。

 気球では食事をしていないため、昼食を食べる。

 レトロな雰囲気から変わって、銀に光る厨房が見える。

 誰かが頼んだ料理のジュージューと揚げる音に食欲がそそられる。

 この王国には各地の料理が集まっていて、数々の名料理を味わうことができる。

 しかしここの王国だけ旅人にも消費税がかかる。

 王国の経済を回すため、少し高めに税が課されている。

 税は研究や開発に回され、日々発展している。

 昼食は肉の盛り付け。

 リテルはメンバーと食卓で貪り食べていると、向いの卓に他の旅人がいることに気がついた。

 テクトロジー旅人団だった。

 あの日以来、レーレを探して各地を回っているそうだが、手がかりすら成果は得られなかった。

 そうして懲りることなく休息のため、この王国へ戻ってきた。

 テクトはもう希望もない暗闇を手探りで探すしかないことに気づいていた。


「今はそっとしといてくれや。

 こいつも何か欲しくて言っているわけじゃないんだ。」


 ロジーは触れない方がいいとリテルを元の卓へ帰した。

 レーレがいまだに見つかっていないことにリテルは筆舌することはできなかった。

 卓に戻り、揚げ物を一つ食べようとしたら、すでに消えていた。

 シャッツとムロフが大量に食べたからだ。

 残念だが、まあいいやと残り物を食べ、荷物を部屋へ置き、王国探検を始めた。

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