第15話 さっきまでのシリアスどこ行った!?
「おにーちゃーん?まだー?」
「「「うわ!?」」」
「何?男の子だけで集まって?」
「遅いのでーすよ!」
「早くあそぶよー!!」
そう言って藍が俺の手をぐいぐい引っ張る。
「あ、藍俺達今大事な話してるから...」
「遊んでくれないの?う、うぁ...うぅぅぅ」
あ、ヤバい...
「うぁぁぁぁんん、うっうっゔゔっ」
ああ、泣かせてしまった...
「あーあ泣ーかせた」
紅蓮の言葉を発端に全員の冷たい視線が集まる。
「わ、分かった、分かった遊んでやるから泣くなよ」
「うぅぅほんど?」
「本当だ」
「えへへー」
「藍ちゃん泣いたら可愛い顔が台無しよ」
「ちーんするですよー」
と言って藍の頭を心が撫で、メイがポケットティッシュで鼻をかませ紅蓮がハンカチで涙を拭う。
「ありがとうお姉ちゃん!お兄ちゃん!」
「さて藍ちゃん、何して遊ぶ?」
「んーとお姫様ごっこ!」
「んー?どういう遊びでーすか?」
「あのね!いろんなお姫様になりきるの!」
「じゃあ俺達は王子ってとこか?」
「ダメー!皆女の子!!」
「男からしたらキツイものがあるね...」
とソウが言うも無視され結局やる事になってしまった。
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「昔、昔のお話です。シンデレラは王子様と結婚してしばらくのお話です」
ナレーションが流れる。
「シンデレラ!掃除は終わったの!!」
と藍は役に成りきって言う。
「シンデレラはお城に嫁いでも、親戚だからと言って一緒に引き取られた意地悪な継母と姉にいじめられていました」
「は、い、おかあさま...」
理性を保て、まだ傷は浅いぞ俺ッ
藍は鉄棒の掴む部分を指でなぞるとホコリに息を吹きかける動きをして、
「ふっ...やり直し」
「なんだこれ!?藍何時の間にそんな言葉を覚えた!」
俺は頭に乗せた花を地面に叩きつけ、あまりにもこの状況に耐えきれずツッコんだ。
「お昼にやってるテレビでお母さんがみてたよ?」
母さーん!!子どもの前で昼ドラを見るなよ!!
「てか藍?状況的に藍がシンデレラじゃないのか?」
「何言ってるの兄ちゃん!お姫様役になった子をいかにしていじり倒すかがお姫様ごっこの醍醐味なんだよ!」
「その遊びを今すぐ辞めなさい!これ以上被害者を増やさない為に!」
「ちょっとアオ止めないでよナレーション入れずらいじゃないか」
「何でお前はちゃっかりナレーション役に収まってんだよ!」
「その方が面白いって藍ちゃんに言ったらOKくれたよ?」
それなら俺がやりたかったよ!
「ちょっと何モタモタしてんの?」
「こっちは準備オーケーでーすよ?」
そう言って出てきたのは綺麗に飾り付けられた紅蓮だった。服を交換したのだろう、メイは紅蓮が着ていた服を、紅蓮はメイが着ていた白いワンピースに身を包んだ姿で現れた。
『...........』
「...無言はつれーよ...」
すまない紅蓮、口に出したらお前が傷つくから言わないが似合ってんだよ。
カラスの歌が流れるまでその無言は続いた。




