第14話 曇天
「階段を転がり落ちたなら辻褄が合うが、俺に擦り傷や打撲はない。頭を打っただけだ。となると、階段を降りる最中、背を向けて落ちた事になるが...」
「いや、それは変だろ俺でも分かるぞ」
「で、でもアオだったら落ちそうになって咄嗟に...」
と、ソウは慌てて否定するが。
「いくら俺でもって、ソウが寄せるその信頼はなんなんだ...。とにかく、何らかの要因で俺は仰向けになったことになるが、ソウも紅蓮も、もう理解したはずだ。第三者の可能性を...」
「ぶっちゃけて言えば突き落とされたか...」
「...でも、僕が逃げなかったらアオが落ちることにはならなかった...。僕にも責任が...」
「そんな『でも』とか『もしも』とか言ってても所詮可能性の話だ。気にするなとは言わない、言ってもソウは気にするだろ? それに、まだ言ってないこともあるんだろ?」
「ごめ、「言えないんだろ」!」
「たく、待っててやるから早くしろよ」
「!!」
その言葉にソウはとある日の記憶がよみがえった。
『蒼太くんごめんね、読書感想文終わらせないとお母さんが遊びに行っちゃダメって』
『えー』
青髪の少年が不満げな声で返事をする。
『ごめんね...』
『...まっててやるから早くしろよ』
『!!』
「『うん!』」
ソウは泣きそうな笑顔で返事をした。
分厚い雲はいまだ晴れることなく太陽を隠す。
いつになれば晴れるだろうか。
太陽はいまだ顔を出すことはない。
でもいつか、顔を出せば、きっとそこには悲しいほどに優しい真実が眠っていることだろう。
だいぶ短くなってしまい申し訳ございません<(_ _)>




