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まく
久方ぶりに、イヤホンをつけての電車。
耳に周囲の音を消す音を入れている。
鼓膜を、振動させなくしているのかそれとも、
細かく振動しすぎて、感受できていないのか。
コマくんにとっては、大変な迷惑なのだろうと思う。
耳にポッドキャスト、目に小説を放り込んでおくと、
二つの世界が、自分の受容体を満たす。
引き換えに、そのほかの視野や、触覚を減ずる。
行き交う人の顔や表情。鳥が飛んだ回数。
ゴミ回収のおじさん、空模様。
子連れはいない時間だが、小学生は多い。
秋だが麦わら帽の制服は、何のマークか一瞬気になる。
片道1時間は、短く感じられる。
先輩からの指示は、目的も理由も少なく、やること、してほしいことが多めに飛んでくる。
その度に、なぜそうするのかと説明を求めることは、不利なのだと学習している。
細かい振動よりも、
腹に響く声は、しばらく聞かない。




