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0001   作者: MossMoss
2/6

まく

久方ぶりに、イヤホンをつけての電車。


耳に周囲の音を消す音を入れている。

鼓膜を、振動させなくしているのかそれとも、

細かく振動しすぎて、感受できていないのか。


コマくんにとっては、大変な迷惑なのだろうと思う。


耳にポッドキャスト、目に小説を放り込んでおくと、

二つの世界が、自分の受容体を満たす。

引き換えに、そのほかの視野や、触覚を減ずる。


行き交う人の顔や表情。鳥が飛んだ回数。

ゴミ回収のおじさん、空模様。

子連れはいない時間だが、小学生は多い。

秋だが麦わら帽の制服は、何のマークか一瞬気になる。


片道1時間は、短く感じられる。

先輩からの指示は、目的も理由も少なく、やること、してほしいことが多めに飛んでくる。

その度に、なぜそうするのかと説明を求めることは、不利なのだと学習している。


細かい振動よりも、

腹に響く声は、しばらく聞かない。

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