表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レイハート公爵夫人の時戻し  作者: 風見ゆうみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/24

13  元夫の嘆き

 二人はソレイユとの関係が長いことを、私と同じく知らなかったらしい。きっと、私が出かけている時に、ロガンは邸にやってきて、ソレイユと深い仲になったのでしょう。

 侯爵夫妻は、彼が私に会いに行っていると思っていたから、婚約者を愛する息子としか思っていなかったのね。

 レイハート公爵家の使用人たちは、お父様に口止めされていたのでしょう。

私が頭の中を整理している間に、今まで黙って話を聞いていた、イライアス殿下が口を開く。


「心はレイハート公爵代理から離れていないと言いたいのかもしれないけど、僕が彼女の立場だったら許せないな」

「殿下とソラリアの考え方は違います!」


 イライアス殿下の考えを否定し、ロガンは私を見つめる。


「僕の顔を見てくれよ! 反省して泣いて苦しんでいるのがわかるだろう!」


 ロガンの目は真っ赤で、今まで泣き続けていたことはわかった。だが、泣いたからって許せるものでもない。


「ロガン、反省しているのなら、大人しく両親と一緒にレイハート公爵家から出ていって」

「は、反省しているけど、出ていくのは嫌だ。離婚も嫌だ!」

「子供みたいなことを言わないでちょうだい」


 どんどん彼への気持ちが冷めていく。もう、話すことなんてない。


「ロガンをレイハート公爵家の敷地内から追い出して」

「嫌だぁ!」


 近くにいた騎士に命令すると、騎士の返事をかき消すほどの大きな声を上げてロガンは泣き出す。


「子供みたいに駄々をこねる度に、私のあなたへの気持ちは嫌悪感に変わっていくの。これ以上嫌われたくないと思うのなら、大人しく出ていって」

「ひ、酷いよ」


 ロガンはぐすぐすと鼻をすすり、縋るような目で私を見つめた。

 こんな彼を見て、可哀想だと思う人もいるかもしれない。けれど、私は情けをかけるつもりはない。騎士に再度指示を出した。すると、大柄な騎士がロガンの体を抱え上げ、問答無用で追い出してくれた。

 嫌がるロガンを追い出し、侯爵夫妻に帰ってもらったあとは、イライアス殿下に王命のことで詳しい話を聞こうと思った。

 だが、考えていた以上に、ロガンの排除に時間がかかり、今から話をするには夜になってしまうと気がついた。

 夜はやはり昼間よりも治安が悪くなる。そのため、明日、私が登城して話を聞くことになった。


「父上も仲間なんだ。だから、君の手助けをしてくれると思う」


 イライアス殿下はそう言って、馬車に乗り込んだ。

 仲間というのは、国王陛下も魔法を使えて、使い魔がいるということかしら。そのことも明日教えてもらえるでしょう。

 空を見上げると、日が傾き始めていた。一時間もしないうちに空には星が見えるはずだ。

「お気をつけてお帰りください」と言葉をかけると、馬車はゆっくりと動き出した。

 国王陛下は父と何度も話したことがあるはずだし、父の人となりを知っているはず。

 どうして父が私を憎んでいたのか。手掛かりになる情報を得ることができればいいんだけど――。

 馬車が見えなくなるまでポーチに立っていると、離れのほうから声が聞こえてきた。


「お姉様、ここから出してよ!」


 それはソレイユの声だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ