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ゴブリン王との争い

俺たちの今までの戦闘の中でもっとも難易度が高いであろう戦いに備えて準備を整えていく。普段の緑の肌とは違い紫の肌をしたゴブリンたちはこちらに警戒を向けている。


「皆さんを強化します『オールバフ』!」


うちのイリスが本来の役割である支援魔法を用いる。これは全ステータスを一時的に上げるものだが彼女の場合3倍という数字持ちだ。正直ずるい強化魔法なのであまり勇者がこれに慣れられても困るのだが今回はそんなことも言っていられない。

というか特殊スキル達は明らかにバランスがおかしいというか世界作った奴がわざと贔屓してつけたのではないかと俺は疑っている。つまり俺が自分の好みの奴に事前にそういった能力を付けておいたのではないだろうかということだ。なんだか考えると悲しくなってきたのでやめよう。

とりあえずイリスの能力で強化されているおかげでまだまだレベルの低い彼らでもギリギリ戦えるだろう。まあ常に注目はしておくことでフォローは出来るようにしておこう。


「まだ慣れてないのにこんなのに巻き込んで悪かったな」

「いえ、先輩は気にせず全力でかっこいい戦いを見せてくださいね!そしたら惚れちゃうかもですよ」

「だからコレはやめとけよ……。ただ目の前で死なれるのは目覚めが悪いから死なない程度にはしっかりな」


男のツンデレなんてどこ需要だ。まあこの2人も変に力んだり怖がったりしていないので助かる。王都で思ったよりしごかれたのかもしれない、それにしても兄貴の方は流石にサツキのことを心配しすぎだ。自分もまだ弱いことを忘れているとすると少しだけ不安である。


「とりあえずティアとコレットは2人で、コレットはあんまり戦闘向きじゃないから適当に敵の気を引くだけでいい。そうすりゃ火力でティアがごり押ししてくれる」

「あの…レンさん。その言い方は少し傷つくのでやめてください」

「それなら私が頑張ってたら後日に2人でデートにいって欲しい。そろそろ私のターン」


コレットがにこりとそんなことを言うと何となく危険な気がするが可愛いうちの奴隷のお願いは聞かないわけにはいかないのである。少し苦笑気味にジト目を向けてくるティアに申し訳ない気分になったので彼女にも聞いておこう。


「あー、別に他意はないんだが、あれだ明日2人で出かけないか?」

「……フォローしても節操なしのレンさんへの当たりを緩くしたりしませんよ?」


そんなこと言いながら嬉しそうな表情のティアに俺もうれしくなる。そんな彼女に折角だしかっこいいところを見せたいものだ。前みたいに相打ちだとかっこ悪いしな。

普段のゴブリンは敵影を見かけるとそのまま突撃していくくらいの頭なのだが今回はこちらの様子をうかがっている、前のワイバーンのように力に溺れてくれれば楽だったのだが元の力が弱いとはいえ頭を使う敵は厄介だ。

そして危険の高いジェネラルやキングは俺とアイシャ、そしてまだレベルは他に比べて少し低めではあるが魔物に対して絶対の攻撃を持つルリアで倒すことにする。幸い合わせて3しかいないので何とか処理できるレベルだろう。イリスには戦闘には参加せず回復と支援強化魔法だけに専念してもらうことにする。


「……前みたいなのはやめてよ?あの時心配したんだから」

「もしやられたらまた頼むわ」

「な……!もう、それだけ言えるなら大丈夫ね」

「僕としてはその会話の内容が気になるからよかったらあとで教えてね」


その会話を最後に剣を抜いて接近してもっとも近くにいたゴブリンを切り裂く。本気で走ったのに同じ速度で走るルリアには正直戦慄した。これで魔物相手なら俺より火力が高いというのだから凄まじい。ただ彼女は防御が薄いのであまり無理をしないでほしいものだ。他のメンバーも順調に敵の数を減らしいき、奥にいた王のもとに俺は到達する。

今までキング系の魔物とは戦ったことがなかったが本来キングはゴブリンでもAクラス、つまりワイバーンと同レベルなのである。しかもワイバーンと違って油断がないのでこちらの方が手ごわそうだ。ただあの時より成長していて、しか超強化魔法で能力が跳ね上がっている今なら単騎でも戦えるだろう。

既に武器を構えて待ち構えている王様、王なんだからふんぞり返っておいてくれたらよかったのに。そんなことを心で愚痴りつつ、周りに異常がないのを確認してから一気に懐まで入り込む。他のゴブリンに比べて大きいのに動きは素早く正直面倒な相手だ。これでもかなり強くなっている自信はあるのだがそう簡単には勝たせてもらえない。

しばし状況が硬直していたが何とか王様の振り回す棍棒を根元から斬り落として武器を奪うことに成功する。他の皆もなんとか戦闘をうまく運べているようで戦闘に専念できたのも大きい。自分の自慢の武器を破壊されて激怒した王はその柄を投げ捨てて素手でこちらにつかみかかってくる。当然そんな怒っている単調な動きは読みやすい。俺は躱して後ろに回り込み、無防備な首に全力で剣を振り下ろして討伐に成功した。

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