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真実を伝えるために

「お兄様!」


目をキラキラとさせてこちらに褒めて欲しいと視線を送ってくるイリス。スライムをボコっただけでそんな大層なことをしているわけでもないのだが俺としては褒める以外の選択肢はないのである。


「流石イリスだな、初めての戦闘とは思えないほどで感心したぞ」


俺が全員に近接戦闘をさせているのは急に1人で危機的状況に陥った場合に何とかできるように慣れておくべきという考えだったりする。弓が基本のアイシャにもナイフを持たせているしミナだって俺のと似た直剣を用意した。

ちなみにアイシャが褒めて欲しそうに見てきた時には彼女とルリアによってスライムたちは狩りきられておりこの辺りにもうモンスターの気配はない。そんな虐殺を完了した中でも純粋な微笑みを浮かべる彼女に少し末恐ろしいものを感じる。出来れば彼女には純粋に育ってほしいものである。将来虐殺姫なんて呼ばれたりしないことを祈るばかりである。

そんな俺の考えなぞつゆ知らずこちらに抱き着いてきて頭を向けてくる彼女にそんなこと段々どうでもよくなってきたので頭を撫でられ目を細める彼女に俺が癒される。


「ねえコレット、本当にご主人様ってロリコンじゃないの?」

「どうしよう、自信なくなってきた……。私も準備しておいた方がいい?」

「どうしてチャンス到来みたいな表情をしてるのコレット」

「なんのことだかわからない」


コレットはロリっぽさはあるが別にロリコンだからイリスに甘いんじゃなくてだな……。なんて言い訳してもきっと聞いてもらえないだろう。ただこいつらはきっと冗談で言っているのだ、俺に聞こえているのが分かっているからかこちらをちらちらと見ながら笑っているところを見ても間違いない。

だがここには冗談が通じない奴がいるのである。


「うわぁ……やっぱりルシエに近づきすぎないように警戒しておかなきゃ…」


やっぱりってなんだ……。と思ったけど今までの俺ってよく考えると小さい子に餌付けしているように見えなくもない。もっともそんな事実に気づいても今後やめるわけではないだが。

それより彼女に嘘ではないとどうやって伝えるべきだろうか。別に弁解なんていらないのではなんて思われるかもしれないがそのままにしておくと俺が創造神と騙る痛い奴だとおっさんたちの家庭でうわさになってしまう。

ルシエはむしろ喜んでくれそうだがおっさんは俺のことを今までとは違う目で見てきそうである。そう言えばあまり奥さんとは話したことがないのだが長女を連れまわしたり次女にお菓子を持ってくる男のことをどう思っているかは謎なところである。だが創造神だと言っている痛い人だと勘違いされると流石に少々まずいと思うのだ。


「いや、あのルリア?俺さっきの嘘じゃないんだが」

「レン君、君はいきなり私は神ですなんていう人を信じると思う?ルシエはともかく僕を騙せるわけないじゃない」

「確かにその通りなんだがあなたは神ですと言われて信じた人間だから俺は信じるかもしれないな……」


何を言っているのだという目を向けてくるがそれが事実なのだからしょうがない。将来詐欺に注意しておくことにしよう。そんな俺の言葉を当然初めて聞いた他のメンバーもびっくりしていた。

今後1人で行動させないようにしようなんて相談しているのが聞こえるのが何とも悲しい。


「私はお兄様のそういう純粋なところもいいと思います」


慰めてくれるのはイリスだけ、それは俺も彼女を甘やかしたくなるのはしょうがない。とりあえず他のみんなにどうにか理解させてくれと頼むことにする。


「ご主人様、それ凄く難しいの分かってる?」

「すみませんレンさん。ちょっと自信がありません」

「私もです。申し訳ありませんお兄様」

「マスター、私に任せて。"マスターがルリアに黙っていることをうまく伝えてくる"」


コレットが引き受けてくれることになった。妙に後半を強調していたのだが何かあるのだろうか、コレットは妙に楽しそうな雰囲気を出しながらルリアのところへと向かった。だが彼女でもそんなに簡単には彼女を説得するのは難しいことだろう。仮に説得できてもどんな反応をされるか分かったものではないし大変そうだ。


「一応マスターが言っていることは事実」

「え……本当なの!?」


おい、俺じゃなかったらあっさり納得しやがったぞ。今度は納得できないような表情をこちらに向けてくる。とりあえずここからの交渉もコレットにアイコンタクトで任せることにした。彼女とが一番意思疎通が何故かうまくいくんだよなぁ。

俺は少し離れて彼女たちの会話に干渉しないようにしていたのだが今まで以上に彼女が突然驚いてこちらを向いてきたリしていたので何を話していたか正直かなり気になっている。


「僕に嘘ついてた事はまあ確かに事情が事情だけに許してあげるよ。それに……僕のことも仲間だって思ってくれたこともうれしいといえばうれしいかな」


おい、コレット何を吹き込んだんだ。若干ルリアが赤くなりながら言葉を紡ぐ。はっきり言って嫌な予感しかしないのだが彼女の言葉を聞いてから判断するとしよう。


「僕はみんなほどあっさり君に攻略されたりしないからね!」

「うぉいコレット!?」


というか少し顔が赤くなっているのは完全に脈なしというわけでもないのか?先ほどまでより2ランクくらい突然好感度が上がっているような気がしてならない。いったい彼女は何を言ったのだろうか。

結局俺に2人とも何も教えてくれなかったので真実は闇の中となった。アイシャは何となく理解していたみたいなのでこっそり聞いてみたがご主人様の行動って狙ってたり狙ってなかったりで質が悪いと思うのなんてお小言を貰うこととなった。

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